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<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
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●青のオアシスにて
こうして真央と九月はコウたち一行に加わった。
ここで話を、
北原 みゆき
が発ったあとの青のオアシスに戻そう。
神薙 焔
がサルに取られたスマホを諦めきれずにいる間も、
八神 修
、
竹松 梅
、
日暮 ねむる
、
小山内 海
の四人は額に汗して働いていた。彼らは適度な太さと長さを持った真っ直ぐな木を切り倒し、枝を打ち落とし、ひとところにまとめ、丸太を作っていたのだ。
「手順はこうだ」
手始めに紅梟号の船長室に集合したとき、修が語った船を動かす方法とは次のようなことだった。
「まず丸太を数本切出し、船体の山裾の方の地面に並べる。船に力を加えるか船体と丸太の間を急斜面にすることで、船に加速をつける。船はそれなりの重量がある。動き出しさえすれば自重で滑らせ丸太に乗せることが出来るだろう。あとはコロの原理で船は山裾まで滑るはずだ」
青のオアシスを眺めた時点で、丸太向きの木が充分生えているのはわかった。次にしたことは船には必ずある船体補修用の鋸と綱を探すことで、これもすぐに見つかった。さらに船を下りてあたりの様子を観察。目算で船の質量を概算した。
修の目から見ても、船はいわば点に乗る様な状態で岩山に乗っており、斜面に向けてすこしバランスを傾けることが出来れば滑らせることが可能であるように思われた。だが、勘だけに頼らず、ここで具体的な計算に入るのが修である。物体に働く力は、地球と同じと考えて差し支えないだろう。修はスマホを取り出すと、計算機能を使って具体的にどの程度傾ければ船が動き出しそうか角度などを計算した。
「綿密な計算があれば大胆な行動も成功し易くなるものだ」と修は云った。「物理学は友達だよ」
「は~……」
ねむるは目を擦り擦り感心して聞いた。数学は得意ではないし……それでなくてもなかなか「物理学は友達」という境地には至らないものである。修が計算し始めたあたりで重くなる瞼と格闘したりもしたが、どうやらまずやるべきことは丸太づくりのようだから自分にも手伝えそうだ、ということだけ理解すると、ねむるはのんびり構えることにした。
「にしても、変な色の空だねえ。それに、服装が仮装マラソンの時の海賊衣装になってるし」
奇妙な海賊ねむるくんは、梅や海と協力しながら果物の木を切り倒してゆく。
「へいほー へいほー 木こり仕事もなんのその 僕たちゃゆかいな海賊さー♪」
もちろん、果物を回収することも忘れない。
ねむるたちはよく働いた。ロク鳥が岩山に戻った時も、しばらくしてまた飛び立った時も、ちょっと手を休めて空を仰いだだけだった。駆け付けることができない距離にいる以上、仲間を信じて自分の仕事をしっかりやるしか、出来る事は無かったからだ。
スマホを奪ったサルがどうにも見つからず、焔は諦めてしばらく丸太づくりを手伝っていたが、ある程度キリがついたところで、果物や泉の水などを持って先に岩山に帰っていった。やはり皆が心配だったし、ロク鳥もまだしばらくは戻ってこないだろうと思われたからだ。皆が無事ならいまのうちにオアシス産の食糧で英気を養い、作戦の実行に備えておきたい。
「みなさん、疲れたやろ。お茶にしまひょ」
梅が休憩を促したのは、赤い月が天頂近くまで上った頃だった。
「ふぅ、なかなか重労働だったね。近くのオアシスで伐採した木にフルーツがなっててね。みんなのぶんも持ってきた。休憩がてら一緒に食べようよ」
ねむるが腕いっぱいに抱えたフルーツをみんなの前に転がして腰を下ろした。
これにはみんなも大喜び。
修も持っていたおにぎりをみんなにひとつづつ配ってくれた。
「もろてええの? お兄ちゃんおおきんなあ」
梅が礼を云うと、修は畏まってこう答えた。
「こちらこそ手伝って貰えてとても感謝していますから」
海がぱくりとおにぎりにかぶり付く。
『おいしい!』
と書いてもう一口。笑みが自然と零れてくる。
『おにぎりって こんなに おいしいものだったっけ?』
「ほんまになあ。ひと仕事した後のおにぎりはおいしいわ」と梅。
ねむるに至っては無言でもぐもぐ、あまりの幸福感にそのまま眠ってしまいそうである。
おにぎりを頬張りながら海はふと、どうして今ここでこうしているんだろう……急にそんな不思議な心もちになって赤い空を仰ぎ見た。
海がピラミッドの傍まで来たのは、友人の円が天宵川の丘へ行くと云ったのを覚えていたからだった。用事があったので一緒に行くのは遠慮したものの、用事が片付いてみるとやはり気になり、すこし様子を見に行こうと思ったのである。時間はすでに夕方近く、これから行ったら帰りは暗くなるだろうと懐中電灯を手にして訪れた緑の丘。ところがその途端、真っ赤な光に包まれて――。
(この赤い寝子島にいた。なんか服も変わってて……海賊っぽくなってるし)
トレードマークである青いリボンと、声のでない海にとって必需品であるスケッチブックはそのままに、瞳の青が映える白のシャツにホットパンツ。いつもと似ていて、でもどこか荒っぽさを感じさせる装いは、少女と少年の間のような印象だったが、これはこれで新鮮な気もする。
デザートに果物を食べていると、黄色いオウムが飛んできて、梅の肩を止まり木代わりにして鳴きはじめた。
梅は孫を見るみたいに顔をくしゃくしゃっとさせて微笑み、その声に耳を傾ける。
「はー、たいしたもんや。このオウム、『オウム! オウム!』言うとるで。言葉覚えるんやろか?」
実際は梅がいうほどはっきり喋っていたわけではなかったが、オウムが頭の良い鳥で、人間の言葉を覚えることもあるというのはよく知られた話だ。
「梅ちゃん! 梅ちゃん! ほら、言うてみい」
『ウ……ウメ……ギュルル』
「梅ちゃん」
『ウメ……チャン』
「せやせや。梅ちゃん!」
何度か繰り返して教えるうち、オウムははっきりと『ウメチャン!』と名を呼ぶようになった。
それを見ていた修はふうむと唸った。
「そのオウム、通信手段に使えそうですね。竹松さん、オウムに『アシニテガミ』という言葉を教えて下さい」
「『アシニテガミ』?」
「ええ。オウムの足に手紙くくっておいて、船下ろしが成功し船体が山裾に移動したら、別れ別れになってしまった皆に位置や情報を伝えるんです。オウムが喋ればきっと誰かが気が付いてくれるでしょう」
「お兄ちゃん頭ええわ。わたいそんなん思いつかへんかったわ」
なら、この木の皮剥いで紐にして括ろか、というあたりは流石年の功。
梅はこのあとオウムに『アシニテガミ』を覚えさせることに成功する。
やがて、伐採された丸太は、板のきれっぱしと丸太の輪切り板で作った即席の台車に乗せられ、綱でしっかりと固定された。修とねむるがこれを男子の名誉に掛けて引っ張ろうとするが、なかなかに重い。
「う、ぐぐぐ……」
「ちょっと積み過ぎたかも~? 何回かに分けて往復する方がいいかな?」
ねむるがそういった時だった。
「ちょっと待ってな」
梅はおもむろに引きずるほど長いボロボロの外套を脱ぎすてると、杖を両手で持って何事か念じた。するとどうだろう、梅の姿は見る間に大柄で屈強な上半身裸の男に変わったではないか!
「!!!」
ねむるはあんぐりと口を開け、目を見張った。
海は、変化した梅の力強い大胸筋を目の当たりにし、恥ずかしそうに手で顔を覆う。
梅は「失礼」と外套を纏い直した。おばあちゃんだったとき長すぎるように思われた外套は、いまは丈も程よく身体に合っていた。そんな古代の武人のような梅が綱を引くと、台車は軽々と動き出す。
「これだけか? まだ持てるぞ」
身体に合わせて口調まで力強く変わった梅に、修だけが変わらず冷静だった。
「ありがとうございます。助かります」
「お安い御用さ」
なんと頼りになるのだろう!
修とねむると海は、後ろから台車を押しながら、台車を引く梅の逞しい背中に嘆息する。
梅のあとをあの黄色いオウムが『アシニテガミ!』と叫びながら飛んでいた。
◇
ラクダに乗ったコウたち一行が青のオアシスに辿り着いたのは、それからしばらくのあとのことだ。
そして伐採跡をみつけた。修たちが船を動かすつもりでいることをみゆきから聞いて知っていた一行は、計画が順調に進んでいるようだということを知った。
伊藤 佳奈
は後から来る者たちのために、ここに残ることにした。船が岩山を離れることがあれば、自身のろっこん<イマアイニユキマス>が役立ちそうな気がしたのだ。
ここまで乗せてきてくれたラクダたちは果物と水で労って解放した。
それから短い休息を取り、コウたちは岩山めざし出立する。
疲れはたしかにある。だが足取りが重くなることはない。
みんながそれぞれ出来ることをしてくれているという確信が、胸に火を灯してくれる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月11日
参加申し込みの期限
2015年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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