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秋の夜長は一回休みなのさ
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「……」
歩きながら、
桜 月
は夜空を見上げる。
続いて自然と、視線は下に。そこには、眩しい月に照らされて落ちる自分の影が。
「……」
その気になれば、その影が形をとって自分の手足のように動き出すことを彼女は知っている。
けれど、今夜はそんな気にはなれなくて。
じっと影を見つめた。
「……私の姿をした……君は誰だ」
誰にも聞こえない呟きは、冷えた空気を伝わって地面に飲み込まれていく。
何かの不安を見透かされたような気になって、彼女は空の月を見上げた。
夜空から降り注ぐ月の光を全身に浴びると、言い知れない不安が和らぐのを感じる。
その光があんまり柔らなものだったから。
「……あ」
まるで、ベルベットのようだと彼女は思った。
そこに、一匹の猫が通りがかった。
「やぁ、いい夜だね。君もあの月に誘われて散歩かい?」
月の呟きに、その白い猫はにゃあと一声鳴いて、まるで先導者のように歩き出した。
「ふむ……いいドレスのイメージが浮かんだところだったが……まあいい、帰ったらさっそくノートに書き残そう」
月は歩きながら、浮かんだイメージをメモに書き残す。そして、歩いていく猫の後姿を追った。
「どれ、もう少し行ってみるか」
と、自分の影と並んで歩きながら。
☆
「……ふぅ」
風雲児 轟
は日課のパトロール兼ロードワークに一息ついて立ち止まった。
「今日はずいぶん走ったな」
寒くなってきた空気に負けじと走っていた轟だったが、ついつい熱が入ってしまったようだ。
「んと……高校の近くか」
ちょっと物思いに耽りながら走ったものだから、自分がどの辺を走っていたのか記憶が曖昧だ。周囲を見渡すと見慣れた交番がある、帰る分には問題ない。
「遅くなっちまったな」
時間もだいぶ遅い。もう日は落ちて夜、秋の夜の空気はより一層冷えて徐々に体温を奪っていく。
「……変身すれば少しは暖かくなるかな」
轟のろっこんは変身能力だ、それを使えば全身スーツのオリジナルヒーロー『ザ・ストレイト』に変身できる。そうすれば少しは暖かくなることは予想できるのだが。
「いやいや、いかんいかん!」
しかし轟は一人首を横に振る。特撮ヒーローに憧れる彼は日々の修行のつもりで島内パトロールに勤しんでいるのだ、ここで楽をしては意味がない。
「これはそんなことに使うための力じゃないだろが!!」
弱気になった自分を鼓舞するように再び走り出せば、また先程から脳裏に浮かんでは消える疑問が頭を支配していく。
変身する力――ろっこん。この力を使ってこれまでこの島で過ごしてきた。最近はこの力がパワーアップし、新たな力に目覚めたが、それも確たる理由はない。
つまるところ、この力がなんなのか何も分からない。
「――」
ふと、この力のことに詳しそうな無愛想な猫の顔が頭に浮かぶが、それこそ聞いて答えるような相手でないことも分かっている。
「……けど、これはもともと神様の力なんだから、俺が考えて分からないのも当然だよな」
そう考えると腑に落ちた。突然降って湧いたように使えるようになったこの力。いつまで使えるのかの保証もない。
「そうだよな、神様から借りてるんだ。いつかは返さなきゃいけない力なんだ……それなのに、いつの間にかまるで自分の力のように考えちまってる」
この力をもらった時、肝に銘じたはずなのにと、轟は歯噛みした。
「たるんでる! これじゃいかん、俺の精進が足りないせいだ!! 今日はこのままぶっ倒れるまで走ってやる!! 朝まで走ってやるぜ!!」
気合を入れなおし、ロードワークを続ける。
その轟に、道端から声を掛けるものがあった。
「あ、猫だ」
道端に佇んだ白い猫が、じっと轟を見つめている。首輪はしていないが美しい毛並みをしている。飼い猫ではないのだろうか、それとも迷子の猫の首輪が外れただけかもしれない。
「よぉ、何か用かい?」
軽く返事をした轟、しかし白猫は最初に一声鳴いただけで、すぐにそっぽを向いてしまった。
「……無愛想な奴だな……ある意味、猫らしいが」
轟はその猫に少し興味を引かれた。猫は猫で轟の考えを知ってか知らずか、またひと声鳴いて道路を走って行ってしまう。
「……よし、どうせアテもないんだ、ひとっ走り付き合うか」
その後を追って、轟はまた走り出した。
☆
「……」
山野 無花果
はふと、愛用の万年筆が白い原稿用紙の上を小気味よく走っているのを止めた。
珍しく原稿の進んだ夜、気がつけばもう日はとっくに落ちて夜中、むしろ真夜中と表現する方が適切な時間帯であった。
無花果は大学3年生でありながら小説家である。普段はむしろ原稿が捗らず、彼の特殊なろっこんを発動させてしまうこともしばしばなのだが、その日は妙に調子がよく原稿に没頭できた。
集中が途切れたその一瞬、彼の鼻先をムズ痒さが襲う。
「……っくしゅん」
軽いくしゃみひとつで現実に戻ってきた無花果は時間を改めて確認した。書き始めてからそれなりに時間が経っているであろうことは予想していたが、思いのほか夜が更けていることに驚く。
「夜更けというか……むしろ夜明けも近い、かな」
独り言を呟いて座椅子の背にかけておいた羽織をすっと羽織る。秋も半ばの夜はさすがに寒く、夜中特有の静けさも相まって、無花果は肌寒さを今さらながらに感じた。
「……?」
しかし、肩口から寒さを感じるというのに、膝元だけは妙に暖かい。さて、と視線を座った足元に落とせば、そこには一匹の猫。
「……なんだ、お前か」
それは無花果の白猫で――名前はまだない――放っておいたら、いつの間にか住み着いてしまったものだった。
原稿を書いているうちに膝の上に乗っていたのだろう。おかげで本格的に寒さを感じることなく、この時間まで原稿に集中できた。
「……ふ」
だが、いくら集中していたとはいえ、膝の上に猫が乗ったらその時点で気付きそうなものだ。自分がいつになく原稿に集中していたことに自分でもおかしく、軽く笑みを浮かべる。
なんとなく万年筆を離した手は、膝の上の猫の額に伸びる。軽く親指で額を撫でてやると、まるで甘えるように首を振って親指に額を擦りつけた。
「そういえば、お前がうちに来たのもこんな季節だったか……?」
おぼろげな回想。この古い家で一人暮らしをしていたところに勝手に住み着かれた時には正直迷惑にも感じたものだが、慣れてくれば猫との暮らしも存外悪くない。
「……ん」
軽い眠気に襲われた無花果は軽く伸びをした。ずっと座っていたせいで膝が痛い、一度立ち上がると膝の上の白猫が窓の方へと歩いていく。
「どれ、少し空気を入れ替えるか」
無花果が書斎の窓に手をかけると、庭先に一匹の白い猫がいることに気付いた。
「ん? 初顔だな……どうした、うちのに会いにでも来たのか?」
窓を開け、軽く声を掛ける。庭先にいた白い猫は返事をするかのようにひと声鳴いて、無花果の家の猫を呼び寄せるようにくるりと回った。
その動きにつられるように無花果の家の白猫が庭を横切る。
「……ん?」
その様子を見て無花果は眼鏡を外して眉間を軽く揉んだ。黒縁のセルフレームの眼鏡を掛け直して、もう一度白い猫を見る。
どうにも、その白い猫の輪郭がぼやけて見える。確かに長時間原稿に没頭していたが、そこまで視力が落ちるほどではないと感じていただけに、無花果は違和感を覚えた。
「……視力が落ちた……わけではなさそうだな」
ふと興味を引かれた無花果、部屋を振り返って原稿用紙の束を見遣る。一瞬の逡巡。
「――よし」
だが結局は、好奇心には勝てない。それが物書きの性というものかもしれない。
秋の夜、猫との逢瀬。そんな題材でひとつ話を作るのも一興かもしれない、などと思いながら。
無花果もまた夜の旅に出るのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月21日
参加申し込みの期限
2014年12月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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