【体育祭】熱闘！　寝子高伝統の騎馬戦！｜リアクション

【体育祭】熱闘！　寝子高伝統の騎馬戦！

【追撃戦・３】

　その頃、【一騎当千】はというと？
「うふふっ、これはどう？」
　騎手の朝野からセクハラという精神攻撃を屋敷野は受けていた。
「これは反則じゃないんですかー！？」
　今度は屋敷野が抗議アピール。
　だが審判の深縹も困惑顔だ。
「き、騎手は暴力振るってませんし……！　しかし行為自体はアウトのような……」
　確かに殴られていないし、騎手同士の取っ組み合いと言い張れる。
　朝野は間違いなくルールの穴を突いてきていた。
「大丈夫！　ハチマキはすぐに取らないわ！　だってあなた、全然怯まないんだもの！」
「いや怯んでますよ！？　なんで私の胸ばっか触るんですかー！？」
　まるで子兎のように恐怖で体を震わす屋敷野。
「馬の皆さんが紳士でよかったでーす！　不健全なものは見せられませんから！」
　屋敷野は思わず口走るが、後ろを支える御剣は……。
（確かに相手は御法度野郎だが……、眼福！　役得！）
　こっそり見入っていた。
「御剣君、あとで講堂裏までお願いしますね！」
「アッハイ」
　バレてた。
「なによ、あたしと楽しみましょう？」
　興奮した朝野は遂に屋敷野の両乳房目掛けて両手を押し付けた！
「きゃーっ！」
　顔を真っ赤にして屋敷野は悲鳴を上げる。
　まるで乙女だ！
　……しかし、朝野の反応がイマイチ薄かった。
「おかしいわね？　全然掴めないわ！　おっぱいというよりも、むしろ胸板……？　ハッ！？」
　殺気。
　朝野は屋敷野を見遣った。

「ノウマクサマンダボダナンベイシラマンダヤソワカ
　ノウマクサマンダボダナンベイシラマンダヤソワカ
　ノウマクサマンダボダナンベイシラマンダヤソワカ
　ノウマクサマンダボダナンベイシラマンダヤソワカ
　ノウマクサマンダボダナンベイシラマンダヤソワカ」

　屋敷野、怒りとともに毘沙門天の真言を唱え始めだす。
　なんで知っているかは、この際、気にしないでおこう。
「誰がまな板ですか！？　もう怒りましたー！！」
　烈火の如く怒る屋敷野に、朝野は思わず狼狽える。
「え、まな板じゃなくて胸板って言ったんだけど……」
「どっちでも同じでーす！　これでもくらえー！」
　屋敷野、馬に後退命令をさせたあと、すかさず突撃指示を出した。
「超スピードで突進です！」
　そのまま激突に備えて、屋敷野は騎馬に捕まって防御体制。
　……だが、彼女の顔がニタニタと不気味に笑っていた。
「って、突撃は嘘でーす！　ハチマキいただきます！」
　そのまま朝野の騎馬の横をスルーしながら、通過際に屋敷野の手が朝野のハチマキを掴んでいった。
　まさかの勝ち逃げであった。
「変態は滅べっですよー、べー！」
　あっかんべーをする屋敷野。
　こうして【一騎当千】はこのまま転戦していくのだった。

＜黒猫組：【一騎当千】ハチマキ１本獲得！＞

＜脱落：白猫組・朝野未沙チーム＞