【体育祭】熱闘！　寝子高伝統の騎馬戦！｜リアクション

【体育祭】熱闘！　寝子高伝統の騎馬戦！

　ふわり、と虹色のショールがたなびく。
　チーム【ツバサ】の恵御納夏朝の虹色のショールが太陽光を反射して輝いた。

「組んでくれる皆の為にも、白猫組の為にも……、僕、頑張るよ！」
　普段から無表情の恵御納の目に光が灯る。
　寝子高へ入学して初めての体育祭、いろいろな出来事があったけど、いよいよ大詰めの騎馬戦。
（なんとしても勝ちたいな……！）
　恵御納は静かに闘志を燃やしていた。
　チームメイトの橘勇はおもむろに呟いた。
「誘われてホイホイ騎馬になったのはいいが……、馬が４人なのは初めてだな」
　直前に練習をしてみたが、まだ慣れない様子。
　そんな橘に鴇波羽衣がエールを送る。

「大丈夫！　勇君やみんなをあたしは信じてるから！　精一杯頑張って、騎馬戦をめいっぱい楽しむよー！」
　まっすぐな彼女の声援に、橘の表情に迷いがなくなった。
「そうだな……。騎手の鴇波を落とさず他の馬の面々共々怪我させずに乗り切りたいところだな。勿論、俺も楽しみながら臨もう」
　そういうと橘は口元を少し緩めた。
　塔尾松生は小さくあくびをすると、ぐっと背筋を猫の屈伸のように伸ばした。
「運動は好きじゃないし正直かったるいけど、燃えてる皆をみてたら、あたしも何だか燃えてきたっていうかさ。せっかくなら楽しみたいし、勝負は勝ちたいじゃない？　ゲーマー的に」
　このチームに勧誘された塔尾。いつもはヘタレ属性がぬぐい去れない彼女だが、今日ばかりは違う。
「やるだけやってやろうじゃないの。でも一番のもっとーは楽しむこと！　スポーツマンシップにのっとて頑張りましょうか！」
　体育祭特有の熱気が塔尾を覚醒させた。
　寝不足仲間（？）の日暮ねむるも準備体操を入念に行うなどやる気は充分のようだ。
「参加する以上、きっちりと結果を残したいよねぇ」
　一見、やる気のなさそうな口ぶりだが、内心、日暮は怪しくほくそ笑んでいた。
（まぁ……、僕としては手段を選ばずダーティーにやらせてもらうよ）
　どうやらこの男、何か企んでいるようだが、果たして……？