【体育祭】熱闘！　寝子高伝統の騎馬戦！｜リアクション

【体育祭】熱闘！　寝子高伝統の騎馬戦！

【開戦直前（白猫）】

　こちらは白猫組陣営。
　開戦直前、嫌が応にも盛り上がっている。
　普段はローテンションの灯斗南だって、この熱気に煽られて高揚感を覚えていた。

「ま、最後の競技だし……。たまには僕だってこういうノリを楽しんでみたい気分だ」
　思い立った彼は友人の夏神零と桃川圭花に声を掛けて【灯チーム】を結成。
「騎馬戦に限ってはひょんな事から以前、斗南殿とも突発な演習の形で一緒であったな」
　先日の寝子ヶ浜の肩車騎馬戦で灯と夏神はその場で模擬戦を体験していた。
「灯君、よろしくね」
　桃川がやけにニコニコしながら語り掛ける。
「……ああ、よろしく、桃川」
「期待に応えるよう奮戦するわ。当然、みんな楽しみましょう？」
　それに、と桃川は続けた。

「……落馬した相手を見下ろすのって、きっともっと楽しいわよ？」
　サディステックな笑みに灯は首を竦めてしまった。

「拙者も手を抜くつもりはござらぬ。戦は情報収集から始まる代物……。しかるに先日の演習時のメモと、事前に他の練習様子・特徴の調査したメモを用意しておいたでござる。一部の黒猫組の情報は掴めなかったでござるが、敵味方の長所・短所はこれでバッチリでござる。予め、事前に特徴を抑えつつ策を練っておくでござるよ」
「へぇ、零、意外と策士だね……」
　灯が興味を示すと、夏神は首を横に振ってみせた。
「斗南殿、これは勝つために必要な手段でござるよ。情報を持つ者と持たざる者では、戦力が雲泥の違いでござる」
　桃川もこれに同調する。
「勝てば官軍、よ。でもよく調べたわね」
「拙者だけのチカラでは無理でござる。協力者の力添えがなければ無理でござった」
　どうやら同じ白猫組の騎馬メンバーと水面下で情報収集していたそうだ。
「……とりあえず、あと２人いないと参加すらできないんだけどね」
　灯の溜息で、桃川と夏神は置かれている現状に気が付いた。
　全校生徒参加型競技とはいえ、できれば気心知れた仲間と組みたい。
　３人はチームが組めていないメンバーがいないか周囲を見渡した。