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七峯 亨
が会場を訪れたのには、特に明確な理由はありません。
特にあてもなく、強いていうなら冷やかし気味にぼちぼち、賑わう会場を歩くのは楽しいものです。
今日の亨には連れもありません。それゆえに気ままに、見たいものだけ見て聞きたいものだけ聞いていきます。
そろそろ空腹を感じてきたのでぶらりと、会場を出て屋台を探すべく移動した頃です。
「……なんだか騒がしいな」
不協和音を亨の耳はキャッチしていました。
がやがや言う喧噪は彼の聞きたいものではなかったのですが、どうしても耳に入ります。
「上等だコラ」
「ヤンのか、ああ!」
犬が吠えるのと大差ない、実にありきたりな脅し文句ではありませんか。
のぞいてみれば案の定、ガラのよろしくないのが数人、一人を囲んでいるのでした。なんとなく会場から死角になっていて、他に人の姿はないようです。
ところがこのとき、
「……うるせえ」
囲まれている側の少年はたった一言こう告げて、すっと空手の構えを取ったのでした。
途端、その身より立ち昇るのは圧倒的な気合い。気合いの塊だけで、砂袋みたいにどすんと相手を殴れるような。
その姿、その構えに、亨は見覚えがありました。
間違いありません。
詠 寛美
です。
今日の寛美は薄手のジャンパーにジーンズ、目深にかぶったベースボールキャップという格好、相変わらず少年のように見えます。健康そうな褐色の肌をして、刃の視線で周囲を睥睨しているところも、先日見た彼女そのものなのでした。
たとえていうなら野犬の群れに、飢えた虎が飛び込んできた風。寛美は単身、されど四五人いる若い男たちは、彼女が放った目に見えぬプレッシャーに気圧されているようです。半歩後退した者もあります。
一騒動勃発寸前の状況です。ですがそうそう、勃発させていいものではない。
「おーい、よっちゃん」
ともかくこのままじゃいけない、と亨は飛び出して寛美の手首をつかむと、
「すまねえ遅くなって。さあ行こうぜ」
そのままさっさと歩いて、人通りのあるところまで引っ張っていきます。
「お、おい!」
寛美は当然怒りますが、それは聞こえないふりをしておくのでした。案の定、柄の悪い男たちは追ってきませんでした。きっと寛美の視線に怖れをなしたのでしょう。うまく水入りしたので、そのまま終わることに決めたと思われます。
「おい! 聞いてるのか!」
「聞いてるって」
ぱっと手を放して亨は笑いました。
「久しぶり。また男とまちがわれたまま揉め事になったって感じか? 足を踏んだだの肩がぶつかっただの、そんな安っぽい発端だろ? よせよせ、あんな連中叩きのめしたところで何の役にもたたねーし、通報されたりしたらオオゴトだ」
ふん、と寛美は鼻を鳴らして腕組みしました。図星のようです。整った顔立ちだというのに、やることに品がありませんね。
「ていうわけでよっちゃん、ここで会ったのもなにかの縁だ。せっかくだから俺と買い物でも……」
「おい待て。七峯……だったな」
じろっと険しい目をしで寛美は言いました。
「その『よっちゃん』ってのはなんだ」
「愛称。可愛くていいだろ?」
「よくねーよ! 俺は『うたい・ひろみ』だ! どこに『よ』が入ってんだ! あの場でとっさに考えた偽名かと思ったのに本気だったのかコラ!」
「うわツッコむのそこなんだ!?」
寛美の拳が、亨の腹部にぴたりと当てられました。
豪速の正拳突き……の、寸止めです。
当たっていたら、ちょっと笑えないことになっていたことでしょう。
「一応、礼は言っとく。たしかに、あんなザコ叩きのめすのわけないが、その後のことは考えてなかった」
「お……おう……」
「だから今日は、こないだの技について訊くのもやめといてやる」
「そりゃ助かる。あれは奥義だからまだ秘密、でも実は単純で……」
「もういい」
とん、と寛美はもう一方の手で、亨の肩を押して距離を取りました。
「七峯亨、てめーとは必ずこないだの決着をつける。でもそれは今日じゃない」
それと! と、亨の返事も聞かずに、ぼそっと寛美は付け加えました。
「そんなに俺って男っぽいかな……今日は普通の格好したつもりなんだけど……」
彼女は野球帽を脱ぐと、くしゃっと折り曲げてポケットに入れました。髪も解き、前より少し伸びたセミロングにして二三度振ります。絶対そっちのほうがいい、と亨は思いました。
「あ、さっきは『男みたい』とか言って、すまん……」
「構わねぇよ、もう」
でも寛美の語尾には、あまり力はありませんでした。
それだけ告げると、彼女は背を向けて行ってしまったのです。
……もしかしたら、いくらか傷つけてしまったかもしれませんね。
ポケットに両手を入れたまま、詠寛美はフリマ会場を歩きます。
うつむき加減に歩いて、どんなブースにもあまり興味を示さない様子でした。なんだか機嫌も悪そう。
「……」
ところがふと彼女は立ち止まりました。
ファンシーな感じのブースです。
ポケットティッシュカバーにペットボトルカバー、スマホケース、エコバック……いずれも手作りの品が売られています。すべて安い。
「おい」
寛美は不躾な口調を、ブースの売り子に投げかけました。
座っているのは青年、あるいは少年のようです。サングラスをかけキャップを目深にかぶっていますが、無理に丸めたような姿勢からしてかなり不自然な印象があります。
「お前、知ってるぞ」
寛美に声をかけられ、びくっと彼は反応してしまいました。
「
市橋 誉
だろ。こないだの」
返事する代わりに、彼はサングラスを外して寛美を見上げます。
「……久しぶり」
誉も、先日の辻投げ事件で寛美とは奇縁がありました。あのときは誉が寛美をあしらったものですが、本日、リードしているのは彼女のようです。
「意外なところで会ったな」
「売れるかと思って……」
と一瞬口ごもりましたが、誉はすぐに諦めたように言ったのでした。
「いや、その……実はこういう可愛いの、好き……嫌いじゃないんだ」
なんだかおどおどしている様子の彼を見て、寛美はぷっと吹きだしました。
「別に堂々としてりゃいいじゃねぇか。もしかして、可愛い布地ばっか使ってるから、気恥ずかしくなったってか?」
「そういうわけでも……すまん、その通りだ。バレてもいいとは思うが、やはり俺のイメージが……」
ところがこれを聞くと、なぜか寛美はむっと眉間にシワを寄せ、「じゃあな」と立ち去ろうとしたではありませんか。
「待てどうした突然ヘソを曲げて? 腹でも減ってるのか?」
誉は立って追いすがりました。伸ばされたその手を払うようにして、
「減ってねーよ!」
つかつかと寛美は早足になります。誉も歩調を合わせて、
「そうなるとますます気にかかる。もしかして、イメージ云々で気に入らないことでもあったのか?」
「詮索すんじゃねえ! あと、ついて来んな!」
「ついて行ってるんじゃない。俺も今から昼飯だ。『昼休憩』の札を残してきた。腹が減ってないことはわかったが、屋台のラーメンでも付き合わないか。付き合わせて悪いから、おごるぞ」
「また俺が食い逃げするかもしれねえぞ」
「だったら」
と誉は楽しげに言いました。
「また一人で苦笑いするさ」
前に寛美が、誉のサンドイッチを手にして逃げたことを言っているのです。
少し驚いた風の彼女でしたが、
「なら付き合ってやる」
と、プライドの高い野良猫みたいに胸を反らせて言いました。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月30日
参加申し込みの期限
2015年01月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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