フリマっ！｜リアクション

フリマっ！

　フリーマーケット日和というのがどういうものなのかは、作者にもちょっと、わかりませんけれども、少なくともいい天気がその条件のひとつというのは、まちがいないのではないでしょうか。
　本日、空は青くさわやかに澄みきって、白くなった月もうっすら見えている……そんな秋の快晴でございます。
　朝八時ごろから、のそのそと集まってくる人たちがおりました。
　彼らは区割りされたスペースにゴザを敷いたり椅子テーブルを揃えたり、さらにはそれらを飾り付けるなりして、てきぱきと準備を整え始めました。
　椎名あさひも準備組のひとりでした。出店登録者は彼女のお母さん、あさひは手伝いです。
「よいしょ、よいしょ」
　あさひは張り切ってお手伝いします。ブースに着くと持ってきたシートをしいて、組み立て式の棚とかハンガーに、売り物を見やすくディスプレイしていくのです。
「うーん……どっちを前に置く方が見やすいかなぁ……？」
　やっぱり見ばえは大切にしたいもの、配置には頭を悩ませました。
　手にしたのは昨年夏に買った、淡いブルーのワンピース、
「これお気に入りだったんだよねぇ……目立つところに置いちゃおう！」
　自分にはもう、サイズが合わなくなってきたので手放しますが、つぎのの持ち主にとってもお気に入りになってほしいと、あさひは願いを込めるのです。
　手作りのグリーティングカードも見つけました。
「あれ？　このカード、あさひが撮った写真で作ったの？　お母さんすごーい！」
　夏の思い出がつまった写真です。カードにはまだ夏が、いきいきと息づいているように見えます。買った人、さらには送ってもらえた人にも、喜んでもらえたら嬉しいのですが。
　さてそうこうしているうちにもう十時、この頃にはもう会場は、すっかり賑わっております。
　そうです。フリーマーケット略してフリマ、ちょっと気合いをいれて『フリマっ！』が始まったのです。
　なお、この「フリーマーケット略してフリマ、ちょっと気合いをいれて『フリマっ！』」というのはこのフリーマーケットの公式名称だったりするのですが……どうでもいいことですね。

このページにイラストを設定する