フリマっ！｜リアクション

フリマっ！

　御巫時子と海原茂、そして鷹取洋二の三人は、ベンチにならんで休憩しています。
　手にはそれぞれジュースがありました。一日あちこち回って、ちょっと歩き疲れたのです。
「茂さん、ありがとうございました」
　ぺこっと時子は頭を下げました。メタルプレート製の根付けについては、茂の巧みな交渉によってぐっと値下げに成功したのです。やはり生徒会長、その交渉術にはなかなかのものがありました。時子は値段の直接交渉などはしたことがないので、茂の話術にしきりと感嘆したものです。
「なに、これくらいお安いご用だ」
「先輩、ナイスでしたよ」
　洋二はもじゃっとした頭をかきあげて、ニヤッと先輩に笑いかけたのでした。
「本日のミッション達成といった感じで」
「ミッション？　なんのことだ」
　などと口では言いながらも、一瞬ちらっと茂は時子のほうを見ました。ですが時子が気づくより早く、彼は正面に向き直っていたのです。
　ぴょんと飛ぶようにしてベンチから降りると、洋二は爽やかに言い放ちます。
「さて最後は、相原先生のところでも見て帰ろうよ。先生、出店してるって聞いたんでねえ」
「そうですか。先生となら私、サイズが同じくらいかもしれませんね」
「先生の大人っぽい服をきた御巫くんも見てみたいよ……って、ほら、海原先輩もなにかコメントコメント」
　またまた急に話をふられたので、茂は例によって言葉に詰まって、
「うん。それは……結構なことだな」
　と、例のごとく気が利いているのかいないのか。よくわからないコメントを返すのでした。
　
　大きな事件はなかったものの、それでも楽し、それが楽し、のフリーマーケット。
　あなたの心には、なにが残りましたか？

『フリマっ！』　了

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あとがき

担当マスター：桂木京介
ファンレターはマスターページから！

　マスターの桂木京介です。ご参加ありがとうございました。

　今回は疲れました！　けれど充実した疲れかたです。
　フリマ百景と申しますか、皆さんそれぞれのキャラクター性が出ていて、いずれも楽しいアクションでした。
　楽しみかたもそれぞれ、興味の対象もそれぞれ、それがいいんですよね。
　個人的にはここ数年フリーマーケットには行っていないので、なんだか行きたくなってきました。近所でやっていないかなあ……。

　それではまた、新たなシナリオでお目にかかれる日を楽しみにしております。
　桂木京介でした。

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