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辻投げじゃ! 辻投げ!
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市橋 誉
はピアニストです。
格闘技の心得はありません。体は鍛えていますが、それは普段、ジョギングを日課としている程度のことです。知識的にも、格闘関係にはそれほど詳しくありません。
けれどもこの夜、誉は辻投げの話を聞いていてもたってもいられなくなり、夜のジョギングがてら落神神社に足を向けていました。
――出会った相手を投げ飛ばすって、迷惑な話だな……放っておけないぞ。
誉の正義感、いえ、そこまで書くとまた意味合いが異なるでしょうか。いうなれば彼の中にある、他人の不幸を黙って見逃せない感情が、誉を走らせたのでした。
辻投げと渡り合って、叩きのめすなんてことはおそらく誉にはできないでしょう。
捕まえて警察に突き出すようなことも、難しいとは誉自身よくわかっています。
けれども自分にできることはある――そう思うからこそ、誉は行動に出たのです。
「……」
神社のある山を見上げて息を吸います。
風は生温かく、ざわざわと不均衡に荒れており、気のせいか不穏な耳鳴りもします。
これで誉の決心は鈍ったでしょうか?
いいえ。
――胸騒ぎがする。噂は本当だ。今なら確信できる。
むしろ固い決意をもって誉は、最初の一歩を踏み出したのです。
ジョギング用のジャージ、良く慣らしたスニーカーで、いつも使っているリュックを担ぎ直し、山への階段を登っていきました。
神社の周辺まで来たところで、誉はリュックからマーカーを取り出しました。これを使って手早く慣れた動作で、自分のジャージに鍵盤を描き入れます。
「さてこれで……」
呟いて彼は、マーカーをしまってまた歩き出しました。
この行動は、わずか数分で効果を発揮しました。
暗闇の中、
「!」
驚いたのはむしろ不意打ちをかけた側でしょう。
なぜって手を伸ばしてつかんだ誉のジャージの袖が、突然ピアノの音を立てたのですから。
「なんだ……携帯?」
「電話やスマホじゃない。この服にこめられた『音』だ」
相手は辻投げに違いありません。噂に聞いているような大男ではなく小柄なようですが、それでもこの闇の中、突然袖を掴んでくる人間がまともな相手とは思えない。
「最近このあたりを騒がせている『辻投げ』だな?」
「くっ!」
相手は反射的に逃げそうになりましたが、その前に誉は攻撃に出ていました。
といっても痛みを与えるのではありません。
与えるのは、音です。
マーカーではなくチャコペン(裁縫の時に布に直接印を付けるペンです。消せます)を用いてさっと、相手の道着に鍵盤をひとつ描きこんだのです。
そう、相手は道着でした。
「何をした!?」
「触ってみればわかる。音が出るはずだから。これで今夜は、他の人を襲いづらくなったはずだ」
誉の言葉を裏付けるように、ポーンとドの音がしました。辻投げが道着を触って確認したのです。
このとき月が射し、辻投げの姿をその銀の光にさらしました。
黒く長い髪、健康そうな褐色の肌、やや吊り目でシャープな顎のライン、そして、はっとするほどの美少女……読者の皆さんは彼女をご記憶でしょう。
そう、詠宏美(うたい・ひろみ)ですね。
七峯亨に逃げられ、シダ美穂戸に叩きのめされて帰路につく途上、宏美は誉の姿を見て反射的に襲いかかってしまったのです。
実は尾鎌蛇那伊と伊織源一の姿も見かけたのですが、宏美は二人をやりすごしました。器量体力充実している時点ならまだしも、現状ではあの二人には勝てないと思ったのでしょう。
しかしそれでも誉には挑んでしまった。もう帰るつもりだったのについ――それがなぜなのかは、宏美自身わかっていないようです。
「女の子!?」
「悪いかよ!」
いまにも牙をむきそうな顔をする宏美です。誉は当然知りませんが、彼女にとってはこのやりとり、本日はもう二回目なのですから。
「お前も不思議な技を使うのか……お前らは、なんなんだ!」
「待って。俺は一人だ。それに、戦う気はない」
「だったら何しにきたってんだ」
「話をしにきた。辻投げ……きみと」
「問答無用だ!」
宏美は飛びかかって誉の襟首をつかみましたが、
ピロ、ポロ。
と、なんとも闘志を削ぐような音を聞いて、力なくその手を下ろしました。
「俺は武道の心得はない。こういう手品ができるだけだ。そういう相手を倒して、きみは満足なのか? 違うだろう」
「う……」
気圧されたというのでしょうか、じり、と宏美はすり足で後退しました。
「どうしてこんなことを? 逃げたら追ってこないとか、武道の心得がないと言えば引き下がるとか、そうした態度は立派だと思うが、なかにはプライドが高く逃げられない人もいるだろう。その人がもし、大事な大会などを控えていて、もし、投げられた際に怪我をしたとして……きみに責任が取れるのか?」
「うるさい! こういうことをはじめた格闘団体がいる。俺はそこに厄介になっているだけだ。連中のような考えはなにもない。戦うことができればそれで良かった」
「だったらなお悪いと思わないか」
「く……」
「もっと他に試合をする方法はない? 俺でよければ、相談くらいには乗る……あいにくと、格闘関係には全然詳しくないのだけど……」
「いちいち正論ばかり言われてもムカつくだけなんだよ! テメエやっぱり叩きのめして……」
ぐっと腰を落とすと、少女は空手の構えになりました。けれども誉は構えるどころか、戦う様子すら見せません。
「悪かった」
「え!?」
宏美にとって誉は、いちいち調子の狂う相手のようです。彼女は目を丸くしました。
「確かに、こっちの持論ばかり聞かせてしまったかもしれないな。今度は、きみの話を聞こう。俺は市橋誉、高校一年だ。きみは?」
「……詠宏美。歳は、同じだ」
ふてくされたような表情で宏美は言います。ですが空手の構えはもう解いていました。
すると誉は破顔して、リュックからサンドイッチの包みを取り出したのです。
「ああ、そうだ。お腹が減らないか? 食べてくれよ、夜食のサンドイッチだ。大丈夫、変な者は入ってない。よく弁当に作ったりしてるんだ。これを食べながら聞こう」
食べ物で釣る……というのは言い方が悪いでしょうが、こうやって打ち解けるのはいい方法かもしれません。
「もらう」
差し出した誉の手から、宏美はひったくるようにして包みを受け取りました。
「夕方作ったものだから新鮮だと思う。嫌いなものが入ってなければいいのだけど……あとは、お茶がリュックに……」
と誉はリュックを見て、そこから魔法瓶を取り出しました。
「ほらこれだ。アールグレイのミルクティーでサンドイッチとの相性は最高……?」
誉は、リュックから顔を上げて溜息をつきました。
宏美は姿を消しています。まんまと一杯食わされた格好です。でも、それほど悪い気はしませんでした。
「サンドイッチ、気に入ってくれればいいが」
肩をすくめると誉は、元来た道を戻っていくのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月23日
参加申し込みの期限
2014年11月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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