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満月の夜に
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原稿用紙につけた万年筆のペン先からインクが小さく滲む。頭に浮かんだ情景を文字にして紙に書き出して、
「……」
山野 無花果
は小さく息を吐く。原稿に並べた文字に線を引いて消す。主人公の行動も主人公を取り巻く景色も、どうにもしっくり来ない。
随分と長く原稿を睨んでいた気がして眼鏡を外す。疲れた目を固く閉ざし、眉間を揉む。それでも離さずにいた万年筆の先に、
「にゃあ」
原稿執筆に耽って知らぬ間に机に乗ってきていた愛猫の前肢が触れた。ペン先に戯れかかる猫の小さな頭を撫で、万年筆をペン立てに挿す。椅子の背もたれに凝り固まった背中を押し付け伸びをして、窓の外、裸眼の眼に満月を見つけた。
(寝子島神社でお月見音楽会、だったか)
在学する木天蓼大学までの道程で偶然見たどこかの店に貼られていたポスターを思い出す。
(月がきれいですね、なんてことを言うような古風な恋人たちは居ないだろうが)
少女向け小説レーベル『ニャーンズハート』の看板作家である九太郎先生は、和装の腕を組む。
中秋の名月は、白銀に眩しく美しい。
満月に誘われて浮かれてイベントに繰り出す者は多そうだな。そう思えば、ふと唇に微かな笑みが浮いた。
(ひとつ、現地取材と洒落込むとするか)
主人が仕事を切り上げることを見て取ったのか、愛猫が尻尾を一振り、身軽に机から飛び降りる。窓辺に座り月を仰ぐような仕種を見せる猫を視線で追いつつ椅子から立ち上がって、着物の足元や肩先に触れる空気の冷たさに肩を竦める。夏の単衣では少し肌寒いかと思い、実家の呉服屋で仕立てたばかりのすすきの羽織を着物箪笥から取り出し肩に引っ掛ける。
玄関で草履を履き、一人暮らしの平屋を出る。月に照らされた道を歩きだせば、足取りは思いがけず軽い。
どうやら僕も、と気難しく結んだ口元が淡く緩む。
(少し月に浮かされているようだな)
どこからか聞こえる虫の声を耳に、月光の路地を抜ける。
星の光を圧倒して空に満ちる月の光を見上げて、道路沿いに店を構える自転車店の二階の窓辺に人影を見た。月見だろうか、と見当を付けながら道を過ぎる。
窓際に背を預け瓶入りの酒を傾けながら、
フィーリクス・C・柚瀬
は窓のかたちして床に落ちる大量の月光に空色の瞳を向ける。
髪と同じ銀の色した顎鬚を指先で擦り、月の光を辿る。二階の窓から外を見遣れば、満月の光が旧市街の夜を白々と明るく照らし出している。
色素の薄い眼には眩しくも感じる月を仰ぎ、酒をあおる。
故郷のフィンランドに比べ、日本の地の四季の差は驚くほどに激しい。観光に訪れた際に今の妻に惚れ、ほとんどそのまま寝子島に住みつき幾年か。 結婚し、サイクルショップを構え、子を授かるほどの時間をこの地で過ごしても、未だに折々の変化は新鮮に感じる。
(オーロラのある夜みたいだな)
視線を巡らせる。窓の下には階下に営み、先ほど店仕舞いして電気を落としたばかりの自店。店先に飾る自転車も全て仕舞いこみ、店内の片付けも全て終わらせた。のんびりと酒を口にしながら、月の光を浴びる。
(そういえば)
一瓶が空くほどの頃になって、ふと思い出した。
(なにかイベントやってるんだったな……)
山の中腹に位置する寝子島神社に目を上げる。月とは違う人工の光に淡く照らされた神社に耳を澄ませば、秋の風に乗って音楽が聞こえる。
秋の夜に満ちる虫の声と混ざり合う人の奏でる音楽に、フィーリクスは瞳を細める。しばらくの間、じっと聞き入る。
(お月見音楽会、だったか)
回覧板で知った寝子島神社のイベントの名称を思い出す。見に行くのも悪くはない。
顎鬚の頬をちらりと笑ませ、瓶の底に残った酒を飲み干す。月光と秋風が流れ込む窓辺を離れ、台所に立つ。空瓶を捨て、財布をポケットに突っ込む。
「ちょっと神社のイベント見てくるぜ。こんないい夜だしな」
出かける準備を簡単に済ませ、居間で寛ぐ家族に出かけることを告げおいて、階下に降りる。灯を落とした店内を通り抜け、店の前を横切る道に出る。登山道入口駅にまで続く広めの道路にいつもより人通りが多いのは、
(ああ、燈籠だな)
寝子温泉から九夜山展望台までの道に、今日限りに燈籠が並べられるからだろう。
駅周辺に貼られていた燈籠灯しイベントのポスターを思い出しつつ、フィーリクスは寝子島神社へと足を向ける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月01日
参加申し込みの期限
2014年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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