ざーざーてるてるぴっかぴか｜リアクション

ざーざーてるてるぴっかぴか

「おうぅ……」
　思わず歓喜の声を漏らす下心。その上、ちらりとではあるが、ズボンの破れ目からまゆのショーツ（レモンイエロー）が見えていた。
「……えっ？」
　トモエが竜司を見、目を丸くする。竜司の顔が少し赤くなったかと思ったら思いっきり叫んでいた。
「まゆ先生のパンツがあああああああ！？　よっしゃあああああああっ！！」
　思いっきりガッツポーズをする竜司の体から放たれるソニックブーム！　どうやら理性が蒸発したらしいが、彼は大丈夫なのだろうか？　まだリアクションは終わっていないぞ！！
「みつけたぞ、桃坊主！」
「なんでぇ、皆も探してたのかー？」
　タイミングが悪いのか良いのかさておき、やってきてしまったルーシーと朱蘭！　

　この結果：相乗効果で全員の衣服に中～大ダメージ
　　　　　　（ただしトモエのスパッツは無傷）

「きゃああああっ！？　どうなってるのこれぇえええええ！？」
　被害が比較的少ないとはいえ、ほぼホットパンツ（ショーツが一部見えている）と化したズボンのまゆが混乱と羞恥で叫び、一番被害が小さいトモエもまた「これどうしよう……」と頭を抱える。
（あれ？　下着つけてたっけ？　つけていなかったっけ？　まぁ、いっかぁ）
　朱蘭は1人はてな？　と首をかしげる。しかしどうだったかは微妙に見えないというぎりっぎりのぼろぼろ感である。そんな具合でこの３人はまだマシだった。レオタードのルーシーもちょっとえちぃ感じではあるがまだ際どいとかのラインではない（まぁ、かえってそっちの方がそそる、とも下心は語っていた）。しかし、諸々の要因で咲と竜司は下着姿だった。
（まゆ先生、そのパンツ似合います。ちらりと見えたブラとお揃いっすね！　四葉の刺繍が魅力を引き立ててかわいいです！　あ、でも俺が作ったパンツ、使ってくれてますか？）
　なんて脳裏によぎってる竜司は虹色の褌一丁だった。なんか悦ってるけど男らしかった。引き締まった体も相俟って『漢』って文字も似合いそうな雰囲気だ。そして、ピンクのブラとショーツ姿となり中々のプロポーションを公開してしまった咲はというと……、なんか、「ふふ……ふふふ……」とダークなオーラを駄々漏れさせていた。
「これは予想外だねっ！　でも、実にいい眺めだよ……！」
「あぁ……。でも、なぁんかまずい予感」
　下心がすっごくいい顔をしている横で、顔を引きつらせる亨。それもその筈で咲はすっかり【鬼矢萩】モード降臨。竹刀を一振りすると高笑い！
「ふはははははははっ！　このような辱め、許す訳なかろう！！　全員粛清だああああっ！」
「ちょ、咲ちゃんちょっと待って！！」
　トモエが慌てて取り成そうとしたとき、何か閃いたルーシーがばっ、と手を上げる！　目に映ったのは喜ぶように空中で跳ねる桃坊主！
「活目せよっ、これが我がろっこん、『今が煌めき、輝く時』！！」
　不意に、桃坊主と他の面々はルーシーに注目する。ルーシーのろっこん『今が煌めき、輝く時！』は『ろっこん名を叫ぶ』事によって『自分の言葉を聞き、理解出来ている対象の心を惹きつける』事が出来る。
「覚悟！」
　少し離れていた為影響を受けなかった朱蘭が手持ちのろっこん水を桃坊主へとひっかける！　が、勢いあまって咲にも半分ほどぶっかかってしまった！　咲はというとルーシーのろっこんによって少し動きが止まったものの、羞恥心と怒りが勝り手に力を溜める！　おまけに例の『ろっこん水』がかかったせいかほんの僅かに酔っていた！！
「改めて……全員粛清するっ！！」
「それはこまるね！」
　咲のろっこん『メガエラ・フォース』が拳から発射される！　この黒いビーム、彼女の『不の感情が一定量溜まる』事で発動する。こんな目に遭わされたのならばなおさら……いや、皆まで言うのはやめよう。下心は桃坊主を手にした途端ビームに吹き飛ばされ、派手に廊下を転がる。咲はというと、まだまだ怒りは収まらず、ビームを乱射！！
「せ、先生こっちですっ！」
「とにかく今は逃げよう！！ほら、ルーシーちゃんと朱蘭ちゃんも！」
　派手に転んで目撃しなかったまゆを庇っていた竜司はトモエ、ルーシー、朱蘭と共に空いている教室へと避難。釈明せず吹き飛ばされた亨は下心の横に着地。そして声を張り上げた。
「俺にちょっと考えがある！　だからちょっと時間をくれ！！」
「何？　本当か！！」
　竜司の返答に、「ああ」と答える亨。ちらり、と下心と目を合わせると彼は「姐さんの暴走が納まるまでの辛抱だ」と言うと別の教室へと逃げ込んだ。
「はははははっ！　ははははははははっ！！」
　狂ったように笑い、暴れる咲だけが、廊下に取り残されるのだった。

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