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想いが籠ったお弁当
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白いシャツに青色のパーカーを着た藤吾が砂浜を歩いていた。その横を杏子が膝を伸ばした歩き方で付いていく。黒い軍帽にグレーのスーツを着て短めのスカートを太腿で元気に撥ね上げた。
歩を進めながら藤吾は周囲に目をやる。
「夏よりは静かだが、今の俺にはそれでも眩しく映る」
「もう少し静かなところに行くでありますか?」
「どうせなら、行けるところまで歩いてみるか」
「行軍演習でありますねっ!」
敬礼する杏子に藤吾は呆れたように返した。
「ただのピクニックだ。背中のリュックを落とすなよ」
「わかったであります!」
やはり敬礼で答えるのであった。
西に向かって二人は歩いた。ある地点から砂浜は雑草に塗れ、極端に細くなる。直進が難しい岩場が続いて、遂には崖に張り付くような事態に変わった。
目で足場を確保しながら進んでいた藤吾が足を止めた。
「小倉、ちゃんと付いてきてるか」
「もちろんでありますっ!」
溌剌とした声の方に向くと、興奮気味の杏子の顔があった。引き離されることなく、しっかりと付いてきていた。
「やるじゃないか」
「やるであります」
元気に答える杏子には余裕が見て取れた。
多少の対抗意識が芽生えたのか。藤吾は少し速度を上げた。楽しいであります、と嬉々とした声が間近に聞こえる。
最難関の崖を通り過ぎると、岩場に戻った。その先に小さな坪庭のような開けた場所があった。
「ここで弁当にするか」
「するであります」
即答で息の乱れも感じられない。藤吾は苦笑して小さな砂場に腰を下ろした。杏子は寄り添って座ると急に大人しくなった。
藤吾は背負っていたリュックサックから包みを取り出した。結んでいた部分を解いた。
「これが俺の作った弁当だ」
弁当箱の蓋を開けると杏子の瞳に輝きが戻る。
「タコさんウィンナーでありますか! 卵焼きに唐揚げまであります!」
「ベタなおにぎりは、まあ、気にするな。それで小倉の弁当はどうなんだ」
「これであります」
しんみりとした声を出した。杏子は膝の上に楕円形の弁当箱を置いた。蓋に手を掛けると、強い視線で藤吾を見た。
「覚悟はいいでありますか」
「なんの覚悟だ? 早く開けてみろよ」
杏子は思い切って蓋を開けた。藤吾の反応が僅かに遅れた。未知の物体を見るような目付きで指差した。
「……黒くて細長いのはなんだ?」
「ササミの照り焼きで、その横が卵焼きであります」
「この角張った物体か」
杏子はこくりと頷いた。銀紙の器には黒に近い葉物があった。
「銀紙のは、ほうれん草のおひたしか」
「そうであります」
「……確かに覚悟が要りそうだ」
藤吾は角張った卵焼きを箸で摘まんだ。口元まで運ぶと意外な顔をした。
「なんて甘い香りなんだ」
口の中にゆっくりと押し込む。味を確かめるような動きが急に早くなった。
「どんな奇跡の技なんだ!? 小倉、これうめぇぞ!」
「えー、本当でありますか!」
同じ卵焼きを口にした杏子は瞬く間に涙目となった。その様子に藤吾は満足そうに頷いた。
「な、感動する味だろ!」
「衝撃的な味なのであります。私は荒海さんのお弁当が気になるのであります」
「俺の弁当なんかでいいのか?」
「いいのであります!」
藤吾は杏子に、悪いな、と言いながら弁当箱を渡した。
杏子は口直しも兼ねて卵焼きを選んだ。笑顔が抑え切れない。あまりの味の落差に、またしても涙目となった。
「美味しいでありますっ!」
「そうか! 俺のも、うめぇぞっ!」
称賛の嵐の中、二つの弁当箱は空になった。穏やかな海に二人の視線が向く。
「なぁ、どうして俺をピクニックに誘ったんだ?」
「最近の荒海さん、元気がないように見えたのであります。勘違いかもしれないのですが、私なりに元気付けられればと思って……」
「正解だよ。俺、幼馴染に振られて落ち込んでたんだ」
「そう、なのでありますか」
杏子は苦しそうな表情で海を眺めた。相手に悟られないように笑顔を作る。
「元気を出すでありますよ! こんな私で良かったら、いつでも話し相手になるのでありますっ!」
杏子は藤吾の背中に手を回して励ますように叩いた。
藤吾は杏子の軍帽に手を乗せた。撫でるように動かして微かに笑みを浮かべた。
「少し元気が出たよ。ありがとうな、小倉」
「えへへ、どういたしましてなのであります!」
限られた時間、二人は穏やかな海を見ながら過ごした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月26日
参加申し込みの期限
2014年11月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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