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秋の日の海は、なんだかとても水色で
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白い日傘を差して歩く
塔ヶ崎 璃亜
は、空の雲より白く軽やかなワンピースを着ています。
澄んだ瞳はちょうど、今このときの海の色さながら。
くるぶしに砂がかかるのも意に介さず、波打ち際に出てきたのはほんの気まぐれでした。
気まぐれといえば、普段はアルバイトに明け暮れる璃亜が今朝、珍しくバイトのない休日だというのに早起きしてしまい、散歩がてら海岸にやってきたことも、ある種の気まぐれといえましょう。
早くに目が覚めたからといって二度寝したりせず、カーテンから差し込む陽の光に誘われるようにして、璃亜は散歩に出たのです。
最初はさしたる目的地もありませんでした。いつもは学校やアルバイトがあって急ぎ足でただ通り過ぎるだけの道も、こうしてゆっくり歩いてみると色々と新しい発見があって面白いものです。
やがて歩くうち、ごく自然に彼女は、この海岸にたどり着いていました。
早朝の海の匂いです。
閑かです。
人の姿はほとんどありません。
両足を軽く開いてたたずみます。
「ずいぶんと変わってしまって……」
寄せては返す波音と、水墨画のように遠くかすかなカモメの声を聞きながら、璃亜は感慨を口にしていました。
ほんの一か月前、いや、それどころか三週間ほど前のこの場所と、現在のこの場所とでは、受ける印象がまるで違っています。
暑い夏の盛り、ビーチ周辺は太陽が降りてきたような活気に満ちあふれていました。すべてが原色で、大きくて、分厚くて濃い世界でした。海水浴客がぎっしり詰め寄せていて、砂浜にレジャーシートを敷くのも一苦労、どこかから重低音の効いた音楽が流れて、笑顔と会話で空気は埋め尽くされていたように思います。
屋台なども大量に出ていたはずですが、璃亜はそのあたりをよく思い出せません。なぜなら彼女は、暑い夏のあいだじゅう、海の家でのアルバイトに精を出していたからです。
海と海水浴客は見るもの、店は隣り合っているもの、璃亜にとってはそれが、今年の夏のビーチでした。
「塔ヶ崎さん?」
唐突に呼ばれて急に、現実に引き戻されたように璃亜は感じました。
璃亜に声をかけてきたのは、つい今しがた美咲紀に手を振ったばかりの七夜あおいです。
透き通るほど肌の白い璃亜と比べると、あおいはずっと血色がいいのでした。ほどよく日焼けしていて、その分歯の白さがまぶしいほど。声も張りがあります。
「あっ……おはようございます、あおいさん。あおいさんも散歩ですか?」
「おはよう。うん、私も散歩!」
思わぬところで知り合いに会ったものだから、璃亜はいくらか気恥ずかしげに、
「……聞いてました? 私の独り言……」
「え? ううん……いや、うん。聞いちゃった。ごめんね。盗み聞きしてたわけじゃないんだけど」
「いえ、いいんです」
実は私、と璃亜は切り出しました。
「夏にここで、海の家のアルバイトをしていたことがあるんです。アルバイトしていたときはすごく混んでて賑やかだったのに……今は静かだな、と思って……」
「海の家のバイト!? すごーい! お嬢様の社会勉強、って感じだね」
「いえそんなわけでは……」
白いワンピースにパラソルという装いからそう判断されたのかもしれません。
家計が楽ではないので――と本当のことを打ちあけるべきか璃亜が迷っているうちに、あおいは話題を変えていました。
「塔ヶ崎さんはいつもこんなに早起きなの?」
「いえ、今朝は、たまたまです」
「私も! なんだかとってもいい天気で、また夏が戻ってきたみたいに暑くて……外に出てみたいな、って思って、それで、なんとなく浜を散歩してるんだ」
青い空に白い雲……まるで夏みたいだね、とあおいは微笑みます。
「それで、あおいさん」
ちょっとためらいましたが、思いきって璃亜は言いました。
「私のこと……『璃亜』って呼んで下さってかまいませんので」
「あ、そうか。『あおい』って呼んでもらってたね。じゃあこれからは『璃亜ちゃん』で! 私のことも『ちゃん』付けでいいよ」
「あ……はい、そうします。あおいちゃん」
「改めてよろしく」
あおいは手を差し出しました。
「はい、よろしくお願いします」
これでもう二人は、友達同士といっていいでしょう。
夏休み明けの生活や、だんだん涼しくなっていく日々などについてしばし会話を楽しんだのち、
「では私は散歩に戻ります」
「うん、私は……もう少し海を見ていくよ」
と互いに別れました。
「早起きは三文の得って言うよね。実際、今朝は璃亜ちゃんといっぱい話せて仲良くなれたんで、早起きしてラッキーだったと思うよ」
別れ際にあおいが言ってくれた言葉です。
そんな言葉が計算でもなんでもなく、さらっと出るところがあおいの長所だと、砂を踏みながら璃亜は思うのでした。
ちょっと見習いたい。
――良かった。仲良くなれて。
ぷつっ。
ところがその思いを断ち切る、小さな音がしました。
見ればサンダルの紐が切れているではありませんか。それほど古いものではないのに、これはどうしたことでしょう。
小さな幸運があおいに訪れたから、璃亜には小さな不孝が、訪れたとでもいうのでしょうか。なんだかこのところよく、璃亜の周囲ではこういうことが起こっているような気がします。気のせいかもしれませんが。
でも、だとしたら――七夜の『璃亜ちゃんといっぱい話せて仲良くなれたんで、早起きしてラッキーだったと思う』という言葉は、嘘でも社交辞令でもなかったということになるでしょう。これは、喜んでおいていいのかもしれません。
途切れたサンダルの紐を応急処置で縛りつつ、璃亜はそんなことを思うのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月12日
参加申し込みの期限
2014年12月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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