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彼岸の門のその向こう
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黄昏に染まる古びた町を行く、ひととは違う姿をしたもの達を眺め、
(またか)
深く被ったフードの下、
廻 春告
は雪雲の色した瞳を僅かに顰める。突然に不思議な世界に放り込まれて、けれど正直そう思うほど、春告は寝子島に起こる様々の変異に巻き込まれてきていた。
奇妙な町をそぞろ歩く奇妙な人々。彼らから見れば、ひとの姿した自分こそ奇妙に見えるだろうに、彼らがこちらに注目している気配はない。皆が皆、それぞれにぞれそれの道行きを楽しんでいるだけの様子。
(まあ、そこそこ楽しんだら大人しく帰るさ)
朱色石橋の欄干で酒を飲みながら忠告をくれる猩々面の男に、背中越しに片手を振り、春告はパーカーのポケットに手を突っ込んで歩き出す。
橋の下へと視線を投げ、水底にあるかのように青空を経て見える寝子島を瞳に映す。あの島には、血の繋がらぬ母親が居る。
(待ってるしな)
母一人子一人になって、それでもここまで育ててくれた義母を心配させぬよう夕飯までには必ず帰ろうと決め、厳つい外観の山門を潜る。
町を貫く大通りに視線を伸ばして、己が視界がいつもよりも広いことに気付いた。
「って、あれ、」
慌てて左眼を片掌で押さえる。いつも着けているはずの眼帯が無い。
(この世界に飛ばされた拍子にどっかいっちゃった……のか?)
太陽の光に弱い肌を守るために被った長袖パーカーのフードを深く引き下げて、この町ではもしかしたらこの眼の異常さを気に留める者も居ないのではないかとふと思う。とりあえず歩き出して、それでも、常から着けている眼帯が無い違和感が勝った。
(町にそういうものを売ってる店があるかもだし)
申し訳程度に敷かれた石畳の道を辿る。フードの下から覗けば、物の怪じみた町の人達に混じって、寝子島から迷い込んだらしい人々の姿がちらほらと見える。
隠すもののない左の眼が人目に触れることを嫌い、人通りの多い大通りを避けて細い路地に足を踏み入れる。土と木と紙で出来た民家に囲まれた路地は、大通りよりも光少なで薄暗かった。
異様に首の長い女やしゃれこうべの鞠をつくおかっぱ頭の女の子を横目に路地を進み、髪の長い女が出たり入ったりしている井戸を通り過ぎたあたりの小さな茶屋で、
「……雪?」
煤竹製の長椅子に腰掛け、ぼんやりとお茶を飲む長い黒髪の女を見つけた。春告の声に、女は肩先に滑り落ちた艶やかな髪を揺らし、白い頬を上げる。黄昏の色を雪灰色の瞳に強く弾かせ、真直ぐに春告を見、
「厨二病じゃない」
周りを物の怪が闊歩する不思議な場所の只中に在って些かも動じぬ、どこか冷たく響く声に毒を混ぜ、
雪 莉沙
は顔見知りの同学年生に呼びかける。
「こんな所で何してるのよ?」
足を止める春告の脇を、僧衣纏うた狸が酒の臭いを撒き散らして通り過ぎる。店の奥から出てきて路地の様子を窺うは、着物の裾から猫の尻尾を覗かせ金色の猫眼を光らせる娘。
目の前をうろつく妖怪たちは、けれど怖くはなかった。彼らに悪意は無い。
こちらに近づいてくる春告も、それは分かっているようだった。怯えた様子は一欠片も見せず、雪雲色の瞳を淡く細める。
(廻とは、よく珍しい場所で出会う)
何故だろうと思う莉沙を見透かしたかの如く、春告は重々しく口を開く。
「なるほどな、これもまた運命の女神(ノルン)の導きってこと――」
「運命のノルン?」
またいつもの厨二病?、と莉沙が眉を顰めた途端、春告は我に返ったように片手で口を押さえた。そっぽ向いた横顔が見る間に夕日の色よりも赤くなる。
「なんでもない忘れておくれ」
無意識のうちにうっかり発してしまった所謂厨二発言を取り消すに取り消せず、せめて早口で懇願する。恥ずかしさに内心悶えながら、何でもない風をどうにか装い、莉沙の隣に腰を下ろす。
(誰が同席してもいいなんて言ったのよ)
自然に近づいてくる春告の何気ない仕種に、莉沙はムッと顔を顰める。人に接するを嫌う不機嫌な顔で、己で己を守って腕を組む。隣の春告と視線を交わさず、頑なな態度で怪しげな人々が遊ぶ非現実な路地をしばらく見るともなしに見ていて、
(……今度は少しぐらい話してもいいかも)
ふと、気紛れに思う。
雪灰色の瞳を瞬かせ、傍らの少年を見遣る。
そうして、路地へと視線を向ける少年の、いつもは眼帯で覆い隠されている左の瞳が、今日は露わになっていることに気付いた。
黄昏の光を受ける毎、瞬く毎、瞳が動く毎、少年の左の瞳はまるで光を乱反射させる金剛石のように目まぐるしく色を変える。
(その目……)
聞こうとして唇を開きかける莉沙を、春告が不意に真直ぐに見る。
雪雲と金剛石、左右色の違う瞳に射られ、莉沙は唇を閉ざす。
春告は莉沙の視線受けた左眼を片手で隠す。この目に関しては、と少し困ったように笑う。
「その、他言無用でお願いな?」
いつもの不機嫌顔を崩さぬまま、莉沙は何も問わずに小さく頷く。
(だから、眼帯を付けていたのだろう)
どこか困ったような悲しいような顔をしてしまうほどに、普段瞳を隠している者には瞳の色に触れて欲しくないということなのだろう。
(触れちゃいけない)
莉沙は路地に視線を逃す。
春告は屋根に挟まれた永遠の茜の空を仰ぐ。
「しかしまあここってさ、凄い楽しそうだよな」
「楽しそう、ねぇ。まぁ、賑やかではあるんだろうけど」
視線を交えず、いつもと変わらないように会話する。
「空気に当てられて、悩み事とか普段気にしてる事とかがちっぽけに思えてくるよ」
「厨二病に悩み事なんてあるの?」
歯に衣着せぬ女子の言葉に、春告はさして気に障った風も見せずに笑う。
「未だ少しだけクラスに馴染めてない気がしてなんだかなぁとか……」
「馴染めない、か。意外だわ」
莉沙は心底不思議そうに首を傾げる。二人でこうして話をしている時は普通に会話できているように思えるけれど。
「別に身構えなくてもいいんじゃないの?」
普段は辛辣な莉沙の思いがけぬ言葉に、いらない気を遣わせてしまった気がして、春告は焦る。
「あ、いや、別に俺がコミュ障だからとかそういうんじゃなくて、今年からこの島に来たから少し慣れていないだけというか、……」
首を振り手を振り言葉を連ね、
「あー、」
虚しい言葉を重ねることに疲れて、春告は咳払いをひとつする。話題を変えようそうしよう。
「雪はこの島の出身なのか? それとも本土?」
春告が何気なく発した質問に、莉沙は感付かれぬほどにほんの少し、身を強張らせる。誤魔化すためだけの問いだと分かっているから、
「……本土だけど」
何でもないように応じる。知らず、組んだ腕に力が籠もった。この手の質問の場合、次に来る問いかけは大抵決まっている。
――どうして本土からこっちに?
(言いたくない)
もし聞かれても適当にはぐらかそうと思っていて、
「なるほど、雪もか」
春告が不意に浮かべた笑顔に虚を突かれた。
「やはりこれは運命の女神(ノルン)の導き、……いや何でもない」
例え直後に続くのが厨二言葉だとしても、莉沙はつられるようにほんの僅か、瞳の険を和らげる。
「あ、じゃあ寝子島に帰る際は一緒にどうかな?」
「……いいわよ、別に」
春告の提案を拒まなかったのは、思いがけない笑顔に驚いたのとただの気紛れ。それだけ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月20日
参加申し込みの期限
2014年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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