this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
撮影隊がやって来た!
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
12
つぎへ >>
【5】休憩時間
落神神社に到着すると、エキストラたちはそれぞれ、スタッフからメイクを施され、髪を結われたり、カツラをかぶせられたりして、すっかり古代人らしい姿になった。
そうして、撮影が始まる。
落神神社での撮影、とは言うものの、実際には神社そのものは使われず、その周辺の草地が撮影現場だった。
その少し開けた場所に、発砲スチロールで作った丸く平たい石が据えられ、そこが落神の落ちた場所という設定だ。
その上に、落神役の栗原ひよりが立つ。エキストラたちは、その石の周りを、輪になるように取り囲んだ。
落神の伝説は諸説あるようだが、ドラマのスタッフが選んだのは、一般的によく知られている筋書のものだった。ドラマではそこに、神が島民の男と恋に落ち、その間に生まれた子供を祖先とするのが落上家の者たちだという伝説にはない設定が、付け加えられている。
やがて、すっかりあたりが暗くなったころ。
「お疲れ様です。お弁当、持って来ました」
別の現場に行ったはずの綾花が、姿を見せた。るちる、士、真央、真理の四人も一緒だ。全員、弁当の入った袋を提げている。
「これから一時間、休憩にします」
それを受けて、前島が全員に伝える。
「これがいわゆる、ロケ弁か」
弁当を受け取り、修が呟く。そして、弁当を渡してくれたるちるに尋ねた。
「もう一方の撮影は、順調なのか?」
「それが、あんまりうまく行ってないです。あとから到着した俳優さんが、NG連発で、監督さんがすごくイライラしてるです」
「そうなのだ。おかげで、現場はぴりぴりしてるのだ」
弁当を配り終えてやって来た真央も、横から言う。
「ふうん。……それで、真央たちは弁当を運ぶ係に任命されたのか」
修は、他のスタッフがバイトに気を遣ってくれたらしいと察してうなずいた。
日は落ちているが、撮影用の照明が照らしているせいで、あたりは明るい。その中で、皆、思い思いの場所に腰を下ろして、弁当を口に運ぶ。
「木サス好きで、毎週録画してますー。サスペンス、大好きなんですよー」
スタッフと、そんな話をしているのは、梢だ。
一方。
「エキストラの撮影で大変なことって、どんなことですかぁ?」
ちゃっかりスタッフの女性の隣に腰を下ろした美咲紀は、世間話でもするように、そんなことを尋ねた。
「そうねぇ。……いろんな人がいるから、言うこと聞いてもらうのが、難しいかな」
女性は、箸を止めて考え込みながら答える。
「全然何も知らない素人さんより、中途半端に知ってる人の方が、面倒っていうか……大変ね。あの現場ではこうだったとか、あそこではこんなことはしないとか、監督やスタッフの指示に、反論したりしてね」
「そうなのですか。……人数とかは、どうですかぁ? やっぱり、多い方が大変ですよね」
「そうそう」
美咲紀が相槌を打って水を向けると、女性はうなずいて、更に大人数のエキストラで撮影した時のことを話し始めた。
そのころ。
すでに弁当を食べ終えた圭花は、他の者たちとは少し離れた場所で、市子を相手に演技の勉強中だった。
といっても、素人である。まずは形から――ということで、台本を手に、俳優たちと同じ場面を演じてみることにした。
渋る市子に西脇役を押し付け、自分は鳴神ひよりを演じる。
「『どうして、彼は殺されなきゃいけなかったんだと思う?』」
「『どうして? そりゃあ、落上愛美(まなみ)をストーキングしてたからじゃないのか』」
西脇のセリフを読む市子は、面倒くさがって、完全に棒読みだ。
「獅子島さん、真面目に付き合ってよ」
ムッと眉をひそめて、圭花は相手を睨む。
「オメーだって、大根じゃん」
平然と返す市子を再度睨み据え、圭花は更に続けた。
一カット分の場面を演じ終えると、圭花は呟く。
「……最初は、こんなもんよね。テイク2はきっと、うまく行くわ」
「それ、本気で言ってんのか? ジョーダンだろ」
市子は笑った。
実際、彼女の演技はお世辞にも上手いとは言えなかった。けして棒読みではないが、感情表現が薄っぺらい感じがするのだ。型にはまっているだけというか、上っ面を撫でているだけというか。
だがそれは、当人も薄々気づいていることではあった。
市子の言葉に、圭花の顔が強張る。
「……桃川?」
それに気づいて、市子は一瞬、心配げな顔になった。やがて、小さく溜息をつくと、言った。
「……代われ。見してやんよ、拝み屋の手口。気は進まねーけど」
そうして彼女は、『鳴神ひより』を演じ始める。
(演技とは即ち、追体験。対象と同調し、然れど委ねず、自らの意を以て為す。同調するには、深く知ること。知るには、数多の事象に触れ、感じ、悟り、修むること)
胸の内に、そんな言葉を呟きながら。
それは、時に拝み屋の真似事もする彼女が、口寄せを行う時の応用だった。
もとより演劇は、神をその身に下ろすことから始まったもの。己の内に役の人格を引き寄せ、重ね、己の口で、己の肉体で、その役柄の言葉を語り、動きを表現するものだ。
市子は、今まで見たシリーズを思い出し、鳴神ひよりの仕草や表情、視線、思考と感情の流れを意識し、自らの内に宿した。
そして、心を込め、熱を入れ、言葉を紡ぐ。
ひよりのことが、そして己の技が、圭花に伝わるように。
演じ終えて、市子は笑う。
「こーするんよ。ナンなら、技のウンチクも教えなくはねーけど」
だが、圭花からの応答はない。
彼女はただ、呆然と市子の方を見つめているばかりだ。
やがて、小さく一つ吐息を落とすと、口元をゆがめた。
「……考えてみれば、当たり前よね。寝子高に入って、いろんなことが動き出すまで、ずっとラクをして生きて来たんだから。私にできることなんて何もないって決めつけて、『どうでもいい』の言葉で、なんでもかんでも塗り潰して。『醒めてる私』にはまり込んでた」
自嘲するように言って、彼女は唇を噛む。泣き出しそうなのを、必死にこらえた。
「……ヘコんでんの? ダッセー。全然似合わねーし」
それへ容赦なく言って、市子はがっしとばかりに圭花の肩を抱く。
「聞け。一回しか言わねーかんな」
そう前置きして、言った。
「オメーが銀幕に飛び込んだら、その瞬間、オメーのコト知らんヤツはいなくなる。あたしが保証する。だから、こんな初っ端で、石みてーに突っ転がってんじゃねーぞ。わかったか、桃川圭花!」
「獅子島さん……」
圭花は、驚いたように市子をふり返る。その彼女の肩を、市子は軽くどついてから離した。
小さく笑って、圭花は目尻の涙をぬぐう。
「……ありがとう」
「ふん。礼なんて……」
言いかけて、市子はスマホのアラームが鳴り出したことに慌てる。休憩終了時間に合わせてあったのだ。
「わー! 弁当食いっぱぐれるじゃんか!」
叫んで、脱兎のごとく駆け去って行く。
その背を見送り、圭花は小さく笑った。そして暗い空をふり仰ぐ。
「……自覚しちゃうと、さすがに落ち込むけど。でも、きっとどうにかできる。これから、人よりもっと、私は泣いたり笑ったりしよう。そして今は、夢を持つことの甘さも苦さも、じっくりと味わうわ。とっておきのチョコレートみたいに」
呟いて、彼女は手の中の台本をぎゅっと握りしめた。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
撮影隊がやって来た!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月16日
参加申し込みの期限
2014年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!