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己の魂を越えてゆけ
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【愛情】
霧生 渚砂
が部屋の片付けを済ませ、ケーキ作りに没頭していたその時。
ドッペル渚砂が現れ、キッチンで格闘になった。
「さぁ、己の魂を超えてみろッ!」
ドッペルが叫ぶ!
「ちょっと待った!」
それに渚砂が制止を訴えた。
ドッペルは怪訝な顔で訊ねる。
「は? 何言ってんだ?」
「やっぱり暴力は何も生まない! 喧嘩はやめよう!」
渚砂は先程の深雪のやりとりを見て確信していた。
大切な人を支えたり守りたいのなら、誰も傷付かないに越したことはない。
「どうしても自分に勝ちたいのなら、もっと平和的且つ生産的な方法があるぞ?」
渚砂は胸を張って告げる。
「ケーキ作ろう!」
「……は?」
ドッペルの目が点になった。
「初めて深雪に褒めてもらったパインケーキを作って、深雪に食べてもらうんだ! 審査役の深雪に選ばれた方が本物! どうだ?」
「どうだ、と言われても……」
「拒否したら敵前逃亡で負けだからな! それとも、自分のドッペルなのに料理が苦手なのか?」
「馬鹿にするな! コテンパンにしてやる!」
渚砂の挑発にやすやすとドッペルは乗っかってしまった。
ほくそ笑む渚砂は、まずは床を指差す。
「よし、それじゃまず、前哨戦として床掃除対決だ! 拒否したら……」
「敵前逃亡、だな? やってやる!」
2人はこの調子で家中の片付けをこなしていってしまうのだった。
甘いの香りが、深雪の鼻をくすぐる。
「いい匂いだな……。これはパインケーキか?」
深雪が上体を起こしてキッチンを見遣る。
するとそこには、2人の渚砂がキッチンで火花を散らしていた。
深雪は顔を覆ってしまう。
やっぱり渚砂にも現れたか、と。
「でもなんで料理対決? まぁ、渚砂らしいけど……」
しばらく邪魔をせずに見守ることにした。
渚砂は作業中、一方的にドッペルへ話しかけていた。
「正直、自分のドッペルは怖い。自分がレプリカと呼ばれるのがとてつもなく怖い。時々、夢に見るんだ。自分よりも優しく強く心が綺麗な青年を」
ドッペルのようだ、と心の中で呟く渚砂。
「音楽も仕事もできない自分が料理を作る事がこの家にいる理由、深雪に美味しいものを食べて幸せになってほしいから。深雪の弟も本土からやってきたし、家族が増えて賑やかになったんだ」
ドッペルは黙々と作業をこなしている。
それでも渚砂は話題を振り続けた。
「本物は自分であることは深雪にだけはわかってほしい。自分はそう願う。だから全力を尽くすんだ」
ドッペルは言葉を発しない。作業が滞ると言いたげに渚砂を睨む。
(自分はそこら中が欠けてて醜い面もたくさんある。夢の青年に遠く及ばない劣化品だ。それでもそれなりに前に進んでるんだ。ドッペルみたいに攻撃的な一面も実はあると思う。だから、倒すんじゃなくて受け入れて一緒に変わっていけたらいいな)
愛情を込めて作業を進める渚砂。
(視野も狭くて心の底では様々なことに怯えてばかりな自分だけど、大切な人を思う気持ちは絶対に負けたくない。……負けないぞ!)
「深雪! パインケーキが出来たぞ! どちらが美味しいか、審査してくれ!」
渚砂とドッペルが同時に深雪の前にパインケーキを置いた。
「俺が審査していいのか? まぁ、どっちが本物の奴か、想像つくけどな」
そう言って、まずは右側のケーキを口に放り込んだ。
「……すげぇ美味い! 売り物にできるぜ、コレ!」
深雪の嬉々とした反応に右側の渚砂が胸を張る。
「当然、頑張ったからな!」
「馬鹿な、って、うわぁ……」
左側の渚砂も試食、その出来に絶望した。
「なんでだ? 同じ材料と機材を使っているのに?」
「勝ちたいっていう意欲が足りないんだ」
右側は誇らしげに言った。
「まぁ、勝負あったな。念のため、こっちも食べておくか」
左側のケーキを試食する深雪。
そして頷いた。
「うん、フツー。すげーフツーの味。美味いけど、別段驚く程じゃないな」
「そ、そんな……」
がっくりと膝を折る左側の渚砂。
「深雪、聞くまでもないが判定はどっちの勝ちだ?」
右側の渚砂が尋ねた。
すると深雪はすぐに指差した。
「左側のケーキだな」
2人の渚砂は愕然とする。
「なんでだっ? 自分のケーキは美味しいと言ったじゃないか、深雪!」
右側が詰め寄る。
「あんなに美味しかったのに、なんで自分のを選んだんだ、深雪?」
左側は首を傾げた。
それに深雪はきっぱりと答えてくれた。
「確かに右側のケーキは美味い。でも、俺には少し甘すぎる。くどいんだよ」
右側の顔が曇った。
「左側はいつもの味だ。俺の好みの甘さ加減を知ってる。……愛情が篭ってるのが分かる」
左側の顔は一気に輝いた。
「深雪ー! お兄さんのケーキの味を覚えていてくれたのか?」
「当たり前だろ、って抱き着くな!」
ハグを強要する渚砂を鬱陶しそうに押し退ける深雪。
「……ここまでか」
右側――ドッペルの体が透けていく。
「待ってくれ! 行く前に自分のパインケーキを食べてくれないか?」
渚砂はドッペルにケーキをひと切れ差し出した。
それを素直に口にへ運ぶドッペル。
「……美味しいな」
安らかな顔のまま、ドッペルは秋の風とともに消え去った。
<
霧生 渚砂
:優しさとは、強さ>
<了>
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あとがき
担当マスター:
焼きスルメ
ファンレターはマスターページから!
ご参加いただきましてありがとうございました。
サンマ賞記念シナリオでシリアスを担当した焼きスルメです。
……シリアスって言ったじゃないかぁ!?(白目)
でも、魂にカオスが刻み込まれていると言い張られたら仕方がないね……。
ガチでシリアスアクション送っていただいた皆様、本当に申し訳ありませんでした。
乾物の業の深さをまざまざと思い知らされました……。
というわけで。
前半はカオス、後半につれて絶望の色が濃くなり、最後はほっこりと仕立てました。
ドッペル消滅の目安は以下の通り。
★明確に勝敗の旨がアクションに明記されている
★明記されていなくても、熱い心情アクションを添えている
この2点のどちらか。
ただし、今回は物理的な共存は難しいと判断しております。
心情アクションを満たしつつ、ドッペルゲンガーへの攻撃若しくは打倒の意思が見られない方は、
『フツウ死守のためドッペルの自死』という措置を取らせていただきました。
何卒、ご了承下さいませ。
このシナリオが、皆様の転機になることを願っております。
ロマンスも芽生えているようですし……?
ろっこん進化も実装されて、心境新たに日々の騒動に関わっていただきたいです。
あと、白いアイツが関わりすぎてて驚きました。
諸事情でぼかさざるを得なかったですが……!
それでは、今回もコメントページ及びダイアリーへの激励叱咤や感想をお待ちしております。
皆様の言葉が、乾物の執筆パワーとなります!
お待ちしております。
今回の個別コメントは、誠に勝手ながら称号のみとさせていただきます。
それでは、またお会いしましょう。
乾物こと、焼きスルメでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
焼きスルメ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月05日
参加申し込みの期限
2014年10月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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