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<三羽烏の襲撃1>またたび市動物園が火事です
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●終わる世界(1)●
【ふれあい広場】
火の粉散る空に、蝶の翅が幻想的だった。
猫島 寝太郎
はふわりと近づいた1匹を、その両手を伸ばして捕まえてみる。
本物にしか見えなくて、綺麗だなぁとその蝶をまじまじ眺める。
「……うん、いや、周りの物が全部蝶になってく事への
現実逃避じゃないんだからねっ!」
世界が、崩壊を始めていた。
目の前で、施設の外壁がぷつぷつ泡立ったかと思うと、その毒々しい泡の中から、次々に蝶が羽化して飛び立っていく。遠くの建物が、砂の城のように呆気なく崩れていくように見えるのは、あれもその表面で、蝶化が進行しているためだ。
「……って、うわわ、地面まで蝶になってきてる!?」
花厳 望春
がその地割れの1つに足を滑らせそうになり、
澪乃 澄佳
が慌ててその望春を抱きかかえて、後ろに引っ張る。その足許の断層から、ブワッと蝶の群れが吹き上がるのを見て、
「な、なしてこんなことに? 望春くん、おっかねえよう……」
と澄佳はただ呆然とするばかり。地割れの断層はすでにびっしりと極彩色の羽根に覆われ、まるで異星の鉱床のようだ。園内の空っぽの檻の鉄格子も、島民の憩いの場だった芝生や木々の枝葉も、そんなふうにすべてが蝶という単位に分解されて、崩壊していく世界。
▼
屋敷野 梢
ろっこん【胡蝶の詩】
☆進化能力……目視した対象物を蝶に変化させる。
↓
★暴走能力……建物や地面など、切り分けた世界内の物が全て蝶に変わってゆく。
ただし、暴走した能力であっても、火事の炎まではやはり蝶に変換されないようで、建物や木々を燃やしていた炎は、たちまち蝶の方にも燃え移っていく。ある蝶は呆気なく空中で燃え尽き、またある蝶は別の群れに迷い込んで、さらなる延焼の被害を増やしていた。
極彩色の蝶と炎に、端から塗り潰されてゆく世界。
そんな天国とも地獄ともつかぬ光景を前に、
屋敷野 梢
はただ呆然とその場に座り込むしかなかった。
「これが……私の能力? 私のろっこんがしていること?
違う……私はこんな世界、望んでなんか」
「おい! 何やってる、あんた! 早く立て、逃げるぞ!」
そこに、先ほど梢に助けられた、
新江 天懸
が走り込んできた。怒鳴りつけて彼女を立たせようとするが、梢は虚ろな目をして何事かをぶつぶつ呟いているばかりで、こちらを見ようともしない。やむを得ず、新江はその少女の身体を強引に肩に担ぎ上げる。
「屋敷野さん、大丈夫かなぁ〜?」
「ああ、少し気が動転してるだけだろ……」
こちらも心配して走って来た猫島に、気休めでもそう返事をしながら、新江は慌ただしく周囲を見回し、この3人で逃げる道を必死に探す。
「にしても、酷い有様だな……ここが本当の地獄か魔界か?」
「わっ、わー! 私のろっこんが暴走させられちゃった!」
雨寺 凛
と
白 真白
の2人も、自身のろっこんを暴走させられ、気が動転していた。
「と、とりあえず、私のろっこんは口から出るから!
勝手に衝撃波が出ないように、喋るのをやめなきゃ!」
「凛ちゃん、そう言いながら喋ってるけど……」
「わわっ、そうだよね駄目だよね、って、また話しちゃったー!」
ほんとに気が動転してる。けれど幸い、凛の口から衝撃波が撒き散らされたり、声が無茶苦茶になったりするような現象は、起こっていないようだった。
「じゃあ、私のろっこんの暴走現象っていったい……?」
▼
雨寺 凛
ろっこん【加虐的虚偽声楽】
☆通常能力……自分の声の代わりに、好きな音や声が出せる。
☆進化能力……とても大きな音を出した際、同時に音量に応じた強さの衝撃波を出す。
↓
★暴走能力……蝶が羽音で超音波や衝撃波を撒き散らす。当たると痛い。
「Σ チョウチョの方だったーー!?」
まだ崩壊が進行していない建物や地面すら、その羽から巻き起こる超音波と衝撃波で、次々に破壊していく蝶の群れ。その被害は当然のように凛たちにも及び、耳が痛いやらスカートが捲れるやらの大騒ぎだ。
「痛たっ!?」
さらに、耳を塞いで逃げ出そうとした真白の頬を1羽の蝶が掠め、その綺麗な肌が、まるで剃刀にでも切られたように、スパッと切れてしまう。
「えっ、これってまさか……私の能力!?」
▼
白 真白
ろっこん【薄いは堅い】
☆通常能力……紙や布のような厚さ5mm未満の物を硬化する
↓
★暴走能力……蝶の羽が硬化して、鋭利な刃物状になる。触れると痛い。
こりゃ堪らんと、蝶の群れから這々の体で逃げ出す、凛と真白の2人。
一方、
朝鳥 さゆる
は、破壊の限りを尽くすその蝶の大群から逃げもせず、服や皮膚を切られるがままになっている。その羽から超音波や衝撃波を撒き散らしているとは言え、蝶自身には悪意も敵意もなく、その為さゆるのろっこんも発動しないからだ。
けれども、この場に留まっているのは半ば、彼女の意志でもある。彼女の奥底に眠っていた破滅願望が、目の前の終末的な光景に、呼び覚まされてしまったのだろう。
「ここで死ぬのであれば、その時が来たと言うだけ。ただそれだけ……」
そんなふうに棒立ちで立ち尽くしている さゆるを今度こそ助けたのは、
風雲児 轟
だった。「おい、しっかりしろ! 一緒に逃げるぞ!」と自分の手を引き、有無を言わせず走り出そうとするヒーローマスクの男に、やはりさゆるが不思議そうに訊ねる。
「どうして? もうどこにも、逃げ場なんて無いかもしれないのに」
「もしそうだとしても、俺はお前を助けるぜ!
だってヒーローって奴はどんな時でも、決して諦めねえもんだからな!」
「若菜先輩! 俺の手に掴まってや!」
「柳司君? 柳司君!」
崩壊していく世界で、真っ先に探し求めたのは、大切な人の姿だった。
浅沼 柳司
は、蝶の侵食から、そこだけ島のように取り残されている地面に
十文字 若菜
の姿を見付け、上空からその手を伸ばす。
すぐに若菜は無事救出されて、
「柳司君も無事だったんだね、良かった!」
と思わず空中で抱き付いてから、ハッと顔を赤くして身を離そうとする。浅沼はそんな若菜を落とすまいとしっかり抱え直して、そしてようやく安心したように、互いの顔を見合わせる2人。
「クローネにろっこんを暴走させられてたから、すごく心配したよ。
身体は大丈夫? 何か異常はない?」
「俺自身は何ともあらへん。孔雀の復活に、
体よく俺のろっこんを使われた感じやな……」
悔しそうに浅沼は唇を噛む。その復活したヒルズと、彼のろっこんを暴走させたクローネは、いつの間にか2羽ともその姿を消していた。出来ることなら探し出して1発ぶん殴ってやりたかったが、今は若菜の身の安全の方が優先だろう。
『おい、てめえら! 聞こえてるな?』
その時、2人の頭に唐突にテオの声が響いた。「この通信は今この世界にいる全員に送っている、緊急事態だから『ひと』にもな」と前置きしてから、テオが慌ただしく宣言した。
『この世界を放棄する』
「何やて!?」
息を呑む浅沼たちに、テオの声が続く。
『手短に言う。もう、この世界の崩壊は止められねえ。
だからお前たちは全員、すぐに時空ゲートまで来い。
ここからなら、助けた動物たちも含めて全員、この世界から脱出できる。
それまでは俺がこのゲートを支えておく』
テオの声が、そこでにわかに緊迫したものになった。
『だが、いいか。言うまでもなくこれは時間との勝負だ。
この世界が完全に蝶に塗り潰されるか、炎で灰になるか、
それとも、てめえら全員の脱出が間に合うか。そのレースだ。
俺も出来る限り待つ。だからお前らも死ぬ気で帰ってこい。いいな』
テオの通信が切れ、浅沼と若菜が顔を見合わせた。脱出の方法が分かった。ならばそこまで、先輩を/柳司君を守り切るだけだ。お互いの顔に浮かぶ決意を確認し、それを若菜が口にする。
「うん、私達も行こう──テオの時空ゲートへ!」
「わーっ、サキリくん駄目だよー!」
一方
雨崎 荒太郎
は、ゲートから反対方向に行こうとする
サキリ・デイジーカッター
を、必死に連れ戻そうとしていた。
「今テオも言ってたよね? 時空ゲートに急いで行かなきゃ!」
「離してくれ雨崎、僕はヒルズやクローネとこの手で決着を付ける。
こんな屈辱には耐えられない。皆とも合わせる顔がない」
サキリのろっこん暴走を切欠に、6人もの仲間に被害が出てしまった。瞬間移動の能力さえ使えていれば避けられた筈の被害が、自分の油断で取り返しの付かない結果になった。それがサキリには耐えられないのだろう。
「悔しいのは分かるけど、ここは戦略的撤退だよーっ!」
そのクローネやヒルズは2羽とも、かき消すようにその姿を消していた。消えたのは6人の暴走直後のタイミングだったように思うが、正確なことは分からない。
このままでは帰れない、と繰り返すサキリを羽交い絞めにして抱え上げ、雨崎は強引に空を飛んでゲートのある方角へと急ぐ。
(暴走させられた仲間も、何とかして連れて帰る。
みんなで一緒に帰らなきゃ、ふつうの世界へ!)
【動物園エントランス:テオの時空ゲート】
──ありがとう
耳許で誰かにそう囁かれたような気がして、
椿 美咲紀
はそちらを振り向いた。
「あれっ? シュー君、今なにか言いました?」
けれど
八神 修
は離れた場所で携帯電話を操作しており、美咲紀は気のせいかなと目をぱちくりさせる。
ここ、テオの時空ゲート周辺は、すでに大変な騒ぎになっていた。
ここまでの道中ですでに合流を果たしていた、
おさる班の
李 小麗
、
夢宮 瑠奈
、
剣崎 エレナ
シロクマ班の
楢木 春彦
、
旅鴉 月詠
、
日月 透
ヒツジ班の
鴻上 彰尋
、
志波 武道
、
黒依 アリーセ
以上9名が、いっぺんにこのゲートに帰還してきたからだ。
もちろん、彼らが無事に連れ帰った、パンチやモン吉を含むサルたちの集団、グリフとヒースのシロクマ親子、そしてヒツジの群れとアルパカのフーちゃんも一緒で、ゲートの前は今、通過待ちの動物たちで大渋滞になっている。
さらにクローネに追われていたハチドリ班の
日暮 ねむる
も、再度このゲートに戻ってきていた。
「はるちゃんは……無事か。よかった」
まだベンチですやすやと眠っていた、
春山 小枝
の様子にほっと胸を撫で下ろす。皆がクローネを足止めしてくれたおかげで、ポケットの中のハッチも健在。これでハチドリ班も全員ゲートに帰還できる。
「携帯が……使えないだって!?」
けれども、突然そんな大声が聞こえてきたので、日暮はそちらの方向を振り向いた。
「? 八神君、どうしたんだい」
「日暮か。ゾウ班の龍目先輩と千鳥の2人、
それに猛獣エリアと水辺エリアに行った、恵御納の帰還がまだなんだ。
現在位置を知らせるよう、電話したんだが繋がらない。メールも駄目だ。何故だ」
日暮も試しに自分の携帯を取り出したが、あろうことかいきなりスパークして壊れてしまった。
「やっぱりか。無線機まで故障した。いったいどうなっているんだ……」
「ごめん……それきっと、うちの能力が暴走したせいだと思うよぉ」
こちらもひと足先に帰還し、横で話を聞いていた
壬生 由貴奈
が、おずおずと手を上げる。
▼
壬生 由貴奈
ろっこん【ヘンドリック・モーメント】
☆通常能力……周囲の電子機器の誤作動や損傷を引き起こす。
↓
★暴走能力……切り分けた世界で、携帯・無線機器が壊れて使えなくなる。連携/脱出が困難に。
それを聞かされた八神が愕然とする。
「何てことだ……密な連絡が必要なこの土壇場で、こんな障害まで」
龍目や夏朝とは緊急時には、携帯やメールで連絡を取り合おうと決めていたのに、その肝心の携帯端末が壊れて使えなくなった。最悪だ。
「うちもまさか、こんなことになるとは……(しょぼん)」
「いや、悪いのはクローネだ。壬生先輩じゃない。
龍目先輩にも恵御納にも、テオの声は届いているだろうから、
最低限の状況は、向こうも分かっている筈だと思うが……」
八神はせめてゲートの位置が分かるようにと狼煙の本数を増やし、彼らの帰還を信じて待つ。
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鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
動物・自然
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月22日
参加申し込みの期限
2016年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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