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▽モユルソラ
仕事もひと通り終えて、
伊予 祐
は窓の向こうに視線を流す。窓から差し込む光が、白から赤に変わったことを知って、祐は屋敷の外へ足を向けた。
屋敷の中にいる時から、鈍く響いていた虫の音が鋭くなった。もうセミはいない。スズムシかヒグラシか。秋の気配を色濃く感じる。
そして赤く焼け焦げるような空を見て、殊更に祐は秋を感じた。
昔の人だか頭のイイ先生だかが決めた『キゴ』では、夕焼けは夏のものだと決まっていたが、祐にはそんなもの関係ない。
(あー……いい眺めだな)
星ヶ丘の小高い丘から眺める夕日は、格別だ。
けれど感動よりも、もっと身近な感情がこみ上げてくる。懐かしい、温かい。そんな気持ち。
(そう思うんだけどな……)
同時に、胸がじんじんと痛むのは、きっと涼しくなったせいだけじゃない。
十年ほど前の、はっきりと告げられなかった想いが蘇ってきた。
お袋。白い病院。屋上。赤いベンチ。少女。燃える夕焼け。
風が吹いた。
サラサラと耳に心地が良い音を奏でている。
その音色はあの人の、丁寧な言葉遣いも思い出させた。
(……丁寧だけど、距離を置かれているような感じはしないんだよな)
思い出せば、ふっと笑みが溢れる。
あの時の少女は今も生きている。
生きていると知って、と祐は――
(思い出した。初めて人を好きになった時のことを)
その好きの中にはすべてがあった。
(いつか失う恐怖も、大切に想う気持ちも、我執も愛欲も自尊心もすべて……すべてがあったんだ)
それはまるで炎のようだった。揺れ、震え、消えかけ、かと思えば燃え上がる。
不安定で強い。
時に恐ろしい。
そんな炎のようだった。
(今も……)
炎は揺れている。けれどたしかに祐の胸の内で燃えている。
(俺は、彼女のことを)
その時、祐の横顔に、茜が差した。
当然、熱さは感じない。けれどその赤から逃げるように、祐は俯いた。
(俺は、本当は強くなんてない……信じてもらいたかったから、強がったんだ)
それはあの時の懺悔だろうか。それとも単なる自己嫌悪なのだろうか。あるいはもっと別の――いずれにしても、口に出さない言葉に答えるものはいない。
(俺は、ただ、不安に苛まされる君の、ヒーローでありたかった)
だからこそ、祐は笑っていた。あの時も、今も。そしてきっとこれからも。
(本当は弱っちいことくらい分かってたはずだった)
強がりで塗り固めたところで、本質は変わらなかった。
(でも寂しいから……寂しくてたまらないから、俺は、明るいフリしてた)
むしろ、塗り固めれば固めるほど、その本質が自らの中で鮮明になっていく。
でもその弱さを知られれば、あの人は悲しむかもしれない。自分はこんな弱い人間に惹かれ、生きる希望を抱いたのか、と。
だがそれは建前だった。
(俺自身……傷つくのが怖くて、自信がなかったんだ)
懺悔めいたなにかを終えて、祐は再び空を見上げる。
もしかすると、今も変わっていないのかもしれない。そう思いながらもそれを口に出すことはできなかった。
「……恋ってなんだろうな」
表には出せない本質を誤魔化すように、祐は呟いてみた。その小さな呟きは星ヶ丘の広い空に消えていく。
「って、なんかクサイか」
表面上は誤魔化したこと自体を誤魔化してはみたが、けれどそれは祐にとって大きな疑問だった。
愛おしいと思えば思うほど、心臓が高鳴る。そんな己の鼓動に耳を澄ませてみると、あの人が近くにいるような気持ちになれる。
思うのは側にいたい、支えたい、一緒になりたい。そんなことばかり。
これが本当に恋なのだろうか。下心なのだろうか。祐にはわからない。
ただ、一つわかることは――あの時の少女は今も生きている。
そして、今、幸せだと言っていた。
祐は手を握って確かめる。
なにを?
自分の温度と記憶の中の温もりを。
そうして確かめれば、肌と肌が、お互いの熱を与え合い、奪い合った。
そして祐は祈る。どうか消えませんように、と。
胸の中で、炎が揺れていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月18日
参加申し込みの期限
2014年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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