こうこうと風が鳴って、アスファルトの上を空気の塊が転がっていく。
(さむっ)
まだ残暑の頃だというのに次に風の塊を顔に受けたとき、僕はピンと背筋を伸ばしたまま、首を丸めた。そんな僕の姿を気に留める人はおらず、仕事終わりなのだろうか、待ちゆく人々はただ足早に駆けていく。僕はそんな彼らの背中に「お疲れさま」という言葉を投げかけた。返事はないけれど、別に返事なんていらないのだからそれでいい。
そうして皆を見送った後に残ったのはひんやりとした風と、物言わぬアスファルトと、僕だけ。といっても、風はすぐにどこかへ行ってしまうから……僕はたったひとりになってしまったような気がした。
(……うう、冷え込んできたなぁ)
昼間はぽかぽかとした陽気で暖かかったけれど、夜になると僕の格好では寒いくらいだ。本格的な秋は、ましてや冬はまだ先だというのに、妙な寂寥感が掻き立てられる。同時にこのまま消えてなくなってしまいそうな不安感も広がってくる。
(それでも僕は夜のほうが好きなんだけどね)
うんと首に力を入れて、僕は空を見上げた。そこにはまだ帰りたくないというように駄々をこねる太陽の姿があった。最後の輝きを放って、空いっぱいをアカく染めた太陽が。けれどそれも無駄な抵抗だ。じきに夜がやってくるだろう。
とはいえ月は、まだ出てこない。
(そりゃそうだよな。まだ太陽も出ているわけだし)
ひとり苦笑しながら、未練たらしく空を見つめ続ける。見続けたところで、月がひょっこり顔を出すはずもないのに。それでも僕は空を見続ける。
こんな日は、考え事をしながら、月を待つのも悪くはないから。
月が出るまでひたすら物思いに耽るだけのシナリオです。
なんだか無性にいろんなことを考えたくなって、考えるだけ。そんな感じです。
学校のこと、仕事のこと、未来のこと、過去のこと、好きな人のこと、家族のこと。
秋の日暮れから宵にかけて。様々なことに思いを馳せてみてください。
▼アクションについてのお願い
・心理描写が中心になります。行動についてのアクションを描いて頂いても構いませんが、どうしてそんな行動を取ったのか、その行動をしてどんな気持ちに変わったのか、そういった部分を書いていただけると幸いです。
・過去のリアクションも1ページだけ(1シーンだけ)参照も可能です。その場合はURLの記載をお願いいたします。
・アクション投稿時にプロフィールに設定されている「全身イラスト、設定イラスト、ポートレートイラスト、ろっこんイラスト」は元々参照させていただく仕組みになってます。
それ以外のイラストでアクションの説明に必要なものがあれば、記載してください。
→詳しくはサンプルアクションを御覧ください。
▼注意事項
・基本的にはソロシナリオです。
すれ違ったり、挨拶をしたりすることはあるかもしれませんが、自分と向き合うシナリオですのでアドリブで絡むことは少なめになります。
・絡みたい方はGAを推奨いたします。
・NPCは登場いたしません。(名前を出すことならば可能です)