this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
壊しておくれ、誠を帯びしこの身をどうか
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
16
つぎへ >>
・
矢萩 咲
の場合
刀を振り上げた敵の動きが、咲にはよく見えていた。
ほとんど同時に、こっちからも斬り上げる。上下から打ち合わされた互いの刀が甲高く鳴り、その音はその後、二度、三度と続いた。
そうして三度打ち合った後、咲は相手の勢いに押されたように、わざと次の動作を遅らせた。その隙を見逃さずに、敵が動く。片手平突き。思った通りの動きだった。
その敵の突きを、咲は後ろに跳ぶことでかわした。そしてかわすと同時に駆け出し、突撃するような勢いで敵へと近付く。
「ぐふっ……!」
そのまま勢いを弱めず、刀の切っ先をぶつけるようにして敵の体を突く。一度だけでなく、二度。二度とも、刀は敵の胸に突き刺さった。
「そんな……今のは……流星……?」
突かれた敵が、驚いたように目を見開いている。
「貴様まさか……天然……りしん……」
しかしそのつぶやきは途中で途切れた。言葉を発していた体が、消え去ったからだった。
「……ええ、そうよ。咲は、天然理心流の剣士なの」
すでにそこにはいない敵に向かって言う。意識せず、口調に少しとがりが混じった。
(あんな誘いにまんまと乗るなんて、新選組が聞いて呆れる……)
尊敬する新選組。自分の中での、最強の剣客集団。だけど案外、手ごたえがない。
(不謹慎だと思うけれど……敵が新選組だと聞いた時、正直少し嬉しかった。新選組との死闘。思い浮かべただけでわくわくした。……だけど、こんなんじゃ期待外れね)
「きゃあっ……!」
その時、不意に女性の悲鳴のような声が聞こえてきた。
「……今の声、あっちね」
仲間のものだと思って、咲は駆け出した。廊下を走り、音の出どころだと思われるほうへと向かう。
そうして、やがてたどりついた一室。そこには
伊織 源一
、
藤堂 月乃
、そしてもう一人、得体の知れない戦隊ヒーローのような衣装を着た人間がいた。
「……ん? 矢萩先輩か?」
こっちを見て、戦隊ヒーローが言う。その声を聞いた瞬間、彼が
風雲児 轟
だと気付いた。そういえば、自分のろっこんは変身タイプだと轟は言っていた。どう変身するのかは問いかけても答えなかったけれど。
「四人目か……」
それから聞こえた別の声。三人の向こうに、新選組隊士がいた。
「む……」
その隊士を見た瞬間、妙な重圧感を咲は感じた。
(この人……間違いない……)
顔を見て、近藤勇だと直感的に理解した。そして同時に、緩み始めていた自分の心を咲は引き締めた。
(期待外れなんてとんでもない……。この人から受ける威圧感……そして気合い……並じゃない……)
裂帛の気合いとはよく言ったものだった。鋭く、まるで身を引き裂かれるような圧迫感。これぞ本物の武士たる者がまとう気だと、咲は思った。
「助かったぜ……四人ならなんとかなるかもしれねえ」
轟が言う。四人ならということは、三人では勝てる見込みがなかったということだろうか。
「……」
咲は、ちらりと部屋の天井に目を向けた。気配はない。音も聞こえない。
だけど……。
(子夜さんと別れてから、もうだいぶ経つ……。子夜さんなら、たぶんもう……)
「皆、聞いて……」
咲は、敵に聞こえないように小声で、三人へとつぶやきかけた。
そのつぶやきで告げたのは、頭の中にある作戦。
「……おい、マジかよ。そんな卑怯な手を使うのかよ」
「咲だって、個人的には新選組は尊敬してる。尊敬してるから、その恐ろしさもよく知ってる。天然理心流も同様。だからこそこっちも全力を尽くす。使えるべき手は使い尽くす。そもそも、死地に入るなら覚悟はしなきゃ。生き残る覚悟を。どんな手を使っても勝つ覚悟を」
「それは……そうかもしれねえけどよ……」
「……いや、まさにその通りだ。俺はその作戦に同意する」
「私もです……。勝てる方法があるなら、それを採るべきだと思います……」
源一、月乃の作戦に同意する言葉に、轟が小さく唇を噛んだ。
「……くそっ、わかったよ。俺もそれに従ってやる」
「よし……じゃあ、すぐにやるわよ」
それから、すぐそばに立つ敵を咲は見つめた。体に叩きつけられる圧迫感に耐えながら。
「作戦は決まったか?」
静かに、近藤が言う。その言葉には咲も、他の三人も何も返さなかった。
精神を集中させた。握った自分の刀。敵の姿。それに意識を集中し、研ぎ澄ませる。
「やぁっ!」
そして、敵に向かって踏み出した。突き。渾身の力を込めて、敵の胸を目がけた。
キン、という金属音。咲の刀が弾かれた音だった。それも、大きく。
でも反撃はされなかった。次の瞬間、轟の拳と月乃の刀が近藤を襲ったからだった。
しかし、そのどちらも近藤には当たらなかった。近藤は自分の刀で月乃の斬撃を弾き返し、ほとんど同時に蹴撃を放って轟の体を壁へと吹き飛ばした。
「うおぉぉっ!」
源一の声が部屋に響き渡る。それが聞こえた瞬間には、源一は近藤の体目がけて刀を振り下ろしていた。
しかし、すんでのところで受け止められる。刀同士が触れ、すぐに源一が押されて体勢を崩し。
その時、不意にガタンという音が上からした。そして次の瞬間に見えたのは、天井から降ってくる暗い色の着物と、鈍く光る刀だった。
血しぶきが、咲の目の前に映り込んだ。
「な……に……」
つぶやいた近藤の背中が、ばっさりと斬られていた。その背中のそばには、血に濡れた刀を握った子夜がいる。
近藤が、ひどくゆっくりとした動作で子夜を振り返った。
「一人……天井に潜んでいたか……」
絶え絶えの、消え入りそうな声。
「私としたことが感じ取れなかった……目の前の敵に意識を向けすぎたか……。いや、向けざるを得なかった……だな」
かすかに自嘲するような笑みを浮かべ、それから近藤は体をぐらつかせた。そしてすぐに、その体は畳の上にうつぶせに倒れた。
「ここまでか……。歳……総司……皆……すま……ない……」
そしてそんな謝罪の言葉を最後に。
新選組局長、近藤勇の体は消失し、咲の目には見えなくなった。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
壊しておくれ、誠を帯びしこの身をどうか
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月10日
参加申し込みの期限
2014年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!