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壊しておくれ、誠を帯びしこの身をどうか
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楪 櫻
の場合
外よりもかなり明度が弱い蔵の中で、櫻は目を凝らしていた。
置かれてあるものを注視し、触れて、現実のものとの違いが無いか調べる。時間のかかる作業だが、異変の原因特定のためには仕方なかった。原因になったものの手がかりは、ほぼ無いに等しいのだ。
そもそもとして、ここにはないかもしれない。ただなんとなく、この蔵は怪しい感じがした。扉が大きく開いていて、しかもどれだけ力を込めても閉まらないのだ。
罠かもしれないと思ったが、とりあえず調べてみることにした。今のところ、罠の気配はない。
「楪さん、そっちはどう? 何か怪しいもの見つかった?」
一緒に蔵へと入り、中を調べている
神楽坂 澪
の声が背後から聞こえた。
「まだ、これはというものはないな。古い武器や旗など、目新しいものはあるが、どれも異変の原因とは思えない」
「そっか。こっちも同じ感じだよ。それにしても薄暗いよね、ここ」
「仕方ない。新選組の時代には電気などないし、蔵だから火で明かりをとるのも危険だしな。何かに燃え移ったら一大事だ」
「まあ、俺は薄暗いのも嫌いじゃないけどね。もしここで楪さんと抱き合うことになっても、外からは見えないだろうし。なんなら試しにやってみようか?」
「……本気で言っているのなら、軽蔑するぞ」
「はは、ごめんごめん、冗談だよ。こういう状況だけど、張りつめてばかりなのもどうかと思ってさ」
「それならいいが……あまり緩まれても困るぞ。私も意識は研ぎ澄ませているが、敵が近付いてきたとしたら、お前が一番に気付くはずなのだから」
澪は、周囲にいる人間の心を読むというろっこんを持っていた。それほど正確に読めるわけではないらしいが、近くに人間がいるかどうかの判断には大いに役に立つ能力だった。
「わかってるよ。定期的にこうやって片目に手をやって、ろっこんを発動させてるからだいじょ……」
背後から聞こえる澪の声が、不意に途絶える。
それを聞いて、どうした、と問いかけながら櫻は顔を動かした。
しかし視線は途中で止まった。蔵の入口。そこに、複数の影が見えたから。
そのうちの一つの影。人の、そして刀の影。それは澪に向かって刀を振り上げているように見えた。
「楪さん、敵だ! 三人いる!」
澪が叫ぶ。それが聞こえる前に櫻の体は動いていた。ほとんど、無意識に。
左手に握った刀の柄。手をかけ、抜いた。ほぼ同時に、感触が手に伝わってきた。何かを斬った、それはそんな感触で。
しかし影はまだ二つあった。それを認識した途端、再び足が動いた。踏み出し、右の影へと斬り下ろす。そして体を回すようにひねり、左の影を突き刺した。
「馬鹿……な……」
声。自分の声でも、澪の声でもなかった。目の前の影からの声だと、次の瞬間に気付いた。
「蔵に……こんな化け物がいるなんて……」
影がしゃべっている。それは人の形をしていて、だけど顔がよく見えなかった。
「平間……富山……すまない……。俺が蔵から銃を持ち出そうなどと言わなければ……副長の命令に従って……屋敷へ向かって……いれば……」
絶え絶えの声。最後のほうは、聞き取りにくいほどにかすれていた。
「すみ……ません……ひ……た……ふく……ちょ……う……」
そしてそういう不明瞭な言葉を最後に、影は消えた。気付くと、他の二つの影ももうどこにもなかった。
「うわぁ……すっご……」
背後からのつぶやき声。澪の声だった。
「……」
敵だということは認識できていた。澪の言葉があったから、できていたと思う。
だけど、動いたのは本当にほぼ無意識だった。影が澪に斬りかかろうとしている。それを認識した瞬間、動かそうと思っていないのに、体が動いた。
そう考えた時、ふと思い出したことがあった。以前に聞いた、祖父の言葉。
『抜刀術はそもそも、剣術とは異なるもの。奇襲を受けた時、その危機回避のための技術。不意に襲われた時に考える暇などない。感じた瞬間に動け。さもなければやられる。一瞬の遅れが命取り。それを体に叩き込め』
感じた瞬間に動く。今、まさに自分はそれをしていた。澪を襲おうとしていた敵を、考える前に斬っていた。そして別の二人も。
祖父に言われた通りに動けた。それは嬉しいことだった。だけど、素直には喜べない気持ちもどこかにあった。
祖父には抜刀術とともに、真剣でそれを使うことの恐ろしさも繰り返し教えられていた。決して無闇に使うべきものではないと、言い聞かされていた。
だけど今、自分はその真剣で、その抜刀術で人を斬った。無意識に、人に刃を向けた。
いや……違う。今斬ったのは、人じゃない。新選組がここに存在するはずないんだから。
それだから、なんの躊躇もなく斬れたんだ。普段なら、真剣を人に向けたりはしない。決してしない。
それでも、かすかに嫌な思いが湧いているのもたしかだった。あれは生きた人ではなかったけれど、少なくとも……人の形をしていたから。
「いやぁ、すごいね、楪さん。一瞬で三人も倒しちゃうなんて」
「……別にすごくなんてない」
「いやいや、すごいって。思わず見とれちゃったもん」
「からかうな……躊躇なく人を斬る女なんて、見とれるどころか恐ろしいだろう」
「そんなことないよ。むしろ、惚れちゃいそうなくらい」
「……からなうなと言っている」
「いや、からかってないってば」
「……もういい。それより、探索を続けるぞ」
刀を鞘におさめて、再び蔵の中へと目を凝らす。
「うーん……本当にからかってるつもりはないんだけどなぁ……」
そんなことをつぶやきながらも、澪も探索に戻ったようだった。
「……」
刀をおさめても、まだ嫌な気持ちは胸の中でくすぶり続けていた。
(気に病む必要はない……味方を守れたのだから)
蔵を調べながら、繰り返しそう自分に言い聞かせる。
そうすることでようやく、胸の中の嫌なくすぶりは小さくなっていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月10日
参加申し込みの期限
2014年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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