秋葉原に行こう！｜リアクション

秋葉原に行こう！

＊　＊　＊

　――某日・神奈川　寝子島

　静寂のなか１人カードを操る旅鴉月詠は黙々とテーブルに向かっていた。タロットカードを使い、占いをしているようだ。
　カードを並べ、次々に開いていく。その結果を見た彼女はふと、呟く。

　『自ら波を起こしてみるのも一興』、か……。

「ん？」
　その時、丁度ドアをノックされる。入室を促すと、メイドの１人である檜扇舞華であった。
「……わくわくしているね」
「ええ。実は唐突に【魔都】へ行きたい気分になりまして。お休みを申請したく思い参りました」
「【魔都】ね」
　月詠は舞華が言った【魔都】がどこなのか、直感でわかった。そして、占いの結果を踏まえた上で……ぽん、と手を打つ。
「ならば共に行こう。休暇といってもちょっと遠出するみたいなものだが、楽しそうだ」
「ついて来るとは思いませんでしたが、どういう心境で？」
　そそくさと用意を始める月詠。舞華が不思議そうに問えば、月詠は悪戯めいた笑みを目に浮かべ、口元を綻ばせた。
「タロットの導き、かな？」
　その顔には、正に『若き魔女』に相応しい表情が浮かんでいた。

　そして数時間後、舞華はねこったーにこう記す。

〈　あきはばらなう　〉

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