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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~ニャルカトラズの罪人
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【無垢なる代償】
そろそろ季節が巡っても良さそうなほどの時が経っても、監獄の中は暖かくもならず、今以上に寒くもならず。
改めて、ここがどこであるのかを考える
八神 修
は、
(異世界か、夢か……なんにしろ。現実ではないというわけだ)
なら。遠慮は、いらんな。
しかし、内に秘めたその思惑を、修が表に出すことはありません……ことに、目の前のこの二人には。
「囚われてると思えば、牢。住んでると思えば、城。そう考えりゃあ、こうやって穴を掘るのも、なかなかどうして。楽しいじゃないかぃ?」
「うんっ! つらいと思っちゃうから、つらいんだよ! 楽しいって思えば、ほら!」
ざっくざっくざっく。笑顔で穴掘りの作業を進める、
骨削 瓢
。
小島 海美
。
正直に言って、瓢の内心は、修にも読めません。修の知る彼は、混沌を望むトリックスター。こうして素直に刑務作業へ従事するようなタチでは無いことは確かでした。
隣の海美はと言えば、もっと分かりやすく、そして危険です。幼く、真っ直ぐで、純真無垢。疑うことを知らない彼女は、ささやかで小さな罪悪感を過大に解釈するあまり、過酷な日々も当然の罰なのだと、そう信じ切っているようでした。
一見前向きに、己の贖罪へ邁進する二人。けれどことによっては、修たちの……いえ。修の計画に、決定的な破綻をもたらす恐れのある、警戒に足る存在なのです。
「……めんどい……だるい……きつい……つらい……」
声が聞こえたのは、穴の中。突き立てたスコップに顎を乗せた
黒兎 都
が、しきりにぶつくさとつぶやいています。
彼女は瓢や海美のように、きらきらと明るい笑顔を浮かべるでもなく。修のように、淡々と穴を掘るでもなく。あくまで適当に、何とか毎日をやり過ごす、というのがスタンスのようです。
同房の面々に比べれば後ろ向きに見える都でしたが、むしろそれが当然の反応ではありました。
「……ええい、こんなところにいられるか! うちは帰るッ!」
「だ、だめだよー、都ちゃん……!」
スコップを放り投げた都へ、海美は看守たちの目を気にしながら駆け寄ります。
「ほらっ、笑って? 笑えば力が出るんだよ!」
「はぁ、しかしの……理不尽極まりない冤罪投獄に、進んで贖罪してやるほど、うちはお人好しでも無いわけで……」
「だめだめ! みんな、わるい事しちゃったからここにいるんだもん。ほら、ね? 笑って? 楽しんでお仕事、しよっ!」
あまりにも小さな海美に、都も強くは言えず。ぎぎぎ、と口の端を上げて見せたものの、それはなかなかに歪な笑みでした。
「くっくっ。海美嬢の、あのムードメーカー振り。和むねぃ?」
ふいに瓢が漏らした、そんな言葉に。
「……ああ。そうだな」
修は、空虚な響きを感じ取りました。
「有益な提案がある」
そんなことを看守へと申し出た、修が連れて行かれたのは、看守棟。
できれば、例えば監獄の所長のような人物へと面会することができたら……という修の当ては、少しばかり外れたものの。聞く耳も持たず殴られるようなことにならなかったのは、幸いと考えるべきでしょう。
かくして……娯楽室に据えられたビリヤード台で玉突きに興じる、一回り大きな帽子かぶった、巨漢の男。看守長の前に、修は引き出されることとなりました。
この男の持つ、他の看守たちと比べてもひときわ激しい暴力性を、修は何度も目の当たりにして知っています。囚人たちに最も恐れられる看守長を前に、言葉を選びつつ、修は提案しました。
「……つまり、この監獄における刑務作業とは、囚人たちに苦痛を与えることこそが目的だ。しかし、そこに何の益も伴わないのは、あなたたちにとっても非生産的だろう。そこで、囚人たちの負荷は大きく、しかしあなたたちにとって利益になる労役を導入してはどうだろう。例えば木工作業だ。囚人たちに賃金は支払わず、成果品を売った額は、そのままあなたたちの懐へ……」
少なくとも、表向きは熱心に見える修の言葉に、看守長はしばし、耳を傾けるそぶりを見せたものの。
す、と看守長が手を振ってみせた、途端。
「……ぐぁッ!?」
背後に控えていた看守の警棒が、修の後頭部へと振り下ろされ、そのまま、何度も、何度も……しまいには、倒れた彼の横腹へと看守長の靴がめり込むと、口から押し出された多量の空気と共に、修の意識は遠のいて行きました。
ずるずる、ずるり。乱暴に腕を掴まれ、床を引き摺られていく修。
(……ここまでは、予定、通り……だが、まだ……!)
けれど。重たいまぶたを何とか押し上げ、彼は、その周囲へと視線を走らせます。
そう。提案はブラフ。修の本当の目的は、この看守棟なり、もっと重要な建物……つまりは、囚人たちが普段足を踏み入れることを許されない場所へと案内されること、そのものなのです。
(まだ……まだ、意識は失うな。この建物の構造を、全て目にして……頭に、叩き込むまでは……!)
ぐったりとした彼が、看守棟の外へと放り出されるまでに、通り抜けた廊下。部屋の数々。監視カメラの位置や角度。引き摺られていく過程で、しっかりと目に焼き付けた情報。
それらは、彼の参加する計画……そして彼自身の計画の遂行のため、大きな役割を果たすことになるのです。
その日の夕食は、いつに無く張り詰めた緊張感に包まれたものとなりました。
呉井 陽太
が取り出したのは、
「敷地内と建物の地図は、大体完成したよぅ。まだ分からない部分もあるけどね」
ジニー・劉
を通じて受け取った、
屋敷野 梢
の収拾した情報。修が、多大な痛みと引き換えに目にした情報。
浅葱 あやめ
が囚人たちを観察し続けることで収拾、分析した、彼らの挙動や巡回ルート。それらを陽太が一枚に取りまとめた、監獄内の見取り図。
なかなかに精巧な地図を、周囲を歩く看守たちの目に付かないよう、その場に集った面々がそれぞれに隙を伺いながら、回し見ていきます。
「車は必ず、ある。だが、少なくとも監獄内では無いようだ。ゲートの向こう……看守たちの使う車は、塀の外に停められているんだろう」
「先に、正面ゲートを……開ける必要が、ありますね……」
当日は、脱出のための足を手に入れる役割の修とあやめが、手短に報告を。
「ゲートは、看守棟から開ける構造なのよね。そうそう、日暮君、そっちの手筈は大丈夫?」
「うん。道具もほら、何とか仕上がったし……ちょっと、強度が心配だけどね」
桃川 圭花
の問いに、
日暮 ねむる
がちらと見せたのは、監獄定食のフライの骨を少しずつ、少しずつ集めて作った、即席のキーピック。見るからに頼りなげな代物ではありましたが、鍵開けの出来る面々と別行動を取る時には、必要になるものです。
「僕とあやめさん、呉井くんが看守棟へ……別房の桃川さんは、その場で合流。陽動屋さんのほうはどう?」
うなずいたのは、
恵御納 夏朝
、
桐野 正也
、
工藤 耀
。
彼らの行動は、計画の発動を示すきっかけとなり、そして長時間に渡って看守たちの目を引き付け仲間たちの行動を援護する、極めて重要、かつ危険な役回りです。
けれど、
「心配はいらない、上手くやるよ」
「その時が待ち遠しいくらいだぜ。早いとこ、この鎖を切りたいんでな」
「ふん。気が合うね先輩、俺もですよ」
三人も。そしてその場の誰にも、臆するそぶりを見せる者は、一人もいません。
……そして。
静かな闘志を漲らせる、彼らの姿を。
「………………」
離れた席で物言わぬまま、海美が、じっと見つめているのでした。
「うん……? 海美くん、どうかしたのかの?」
「……ううん、何でもないよー都ちゃん! えへへ、今日のごはんも、まずいねー!」
都の問いに、きゃっきゃっと、海美は明るい笑顔を浮かべてみせました。
いつだったか、静かな口調で言い含めるように、
赤羽 勇樹
が海美へと言いました。
「いいかい。確かにここは、罪を償う場所だ。俺みたいな悪人には、ふさわしい場所だろう。けど、君たちは……君は。もう十分に、償ったはずだ」
だから、許すと。『正義』の名の下に。許されるべきだ、と。
けれど……海美は、ただ。自分が正しいと感じる気持ちに、素直に従っているだけなのです。
悪いことをしたら、償わなくちゃ。幼い彼女にも、その単純な論理は身についています。
優しい大人たちに囲まれながら、ひときわに大きな愛情を注がれながら育ってきた海美。人として普遍的な価値観を、純粋に……健やかに心の内へと芽生えさせた彼女は、その正しさがゆえに、監獄というこの異質な空間においては、多くの囚人たちとは真逆の感性を発揮するに至ったのです。
幼い海美にはまだ、彼らの行動が、理解できないのです。
(……どうしてみんな、分かってくれないんだろう……脱獄なんてわるいこと、しちゃいけないのに……)
その夜も、海美は一人静かに泣いていました。
何度も、何度も、彼女は彼らに言いました。そんな悪いことは、しちゃいけないんだと。脱獄なんてやめて! と。
でも。彼らの多くは、そんな海美を邪険に扱うこともなく。ただ、静かに笑顔を浮かべ、うん。分かったよ。そう言うだけです。それが本心からの言葉でないことくらい、海美にも理解できました。
自らムードメーカーを買って出て、少しでもこの囚人生活を明るく、苦痛の少ないものにしようと、一人努力を続けてきた海美。
思い出すのは、母の言葉。いつも笑顔でいれば、きっといい事があるんだよ。
(だから。どんなにつらくたって、笑顔でいられれば……わたしの勝ち。ちゃんと罰を受けて、ちゃんと終わらせて……みんなで、笑ってここを出ていくの)
海美はぎゅっと、両手を握り締め。
(……みんなのために。わたしが、何とかしなくっちゃ……!)
彼女の後の行動は、その小さな胸の中へと、この時既に……きっと。定まっていたのでしょう。
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月27日
参加申し込みの期限
2014年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月04日 11時00分
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