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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~ニャルカトラズの罪人
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【芽生え】
時の流れが人の心を緩やかに癒すこともあれば、いびつに歪めてしまうこともあります。
少なくとも、この監獄に流れる時間は、残酷なものです。
「ああ……そうか……これは、夢。悪い夢なんだ……」
この息苦しい空間に押し込められるようになってから、幾日が経ったのでしょうか。囚人たちの中には、徐々に心のバランスを欠く者も出始めて、元々ネガティブなタチであった
浅葱 あやめ
もまた、その言動には危ういものが混じりつつありました。
「そう……そうだった。このところ、脚本の執筆にかかりきりだったから。こんな風に……夢にまで見てしまうんだ……そう、これは夢。あの脚本の、夢の中……」
あやめが小さな劇団に属しているらしいというのは、同房の面々も、話に聞いて知ってはいました。
「限界だね」
部屋の隅、壁に背を預けてあやめを見つめながら、
日暮 ねむる
がぽつり、つぶやきます。
彼の頬には、テープで雑に貼り付けられた大きなガーゼ。ねむるだけではありません、あやめや同房の皆にも、青あざ、絆創膏、ぐるぐるに巻かれた包帯。
監獄では誰しもが、何かしらの傷を刻み付けられ、そしてひどく疲弊していました。
「これ以上待っていたら、心が折られてしまう。潮時じゃないかな……」
「別の房でも、計画は進んでるみたいだよぅ。合流してみる?」
呉井 陽太
が、そう言ってねむるに同意します。
のんびりとしたマイペース気質の陽太にも、疲れの色は見えました。何せものづくりが好きな彼、刑務作業であっても、苦労してこしらえた何かを逐一無に還されるのには、いい加減辟易としているのです。
そして、
恵御納 夏朝
。
「賛成だ。邪魔な看守共を出し抜くには、どうしても手が足りないからね。協力するのも悪くない」
普段の彼女を知る者は、塀の内へやってきてからのその瞳の冷たさに、違和感を覚えたかも知れません。
ともかく。彼らの意見は、一致していました。
「いくらでも耐えてやるさ……この、ニャルカトラズからの脱出を果たすまではね」
夏朝がちらと、あやめへ視線を流せば。
彼もまた、決意は固まっているようでした。
「これは、夢……僕の夢。なら、僕でも……脱獄だって、出来るかもしれない……きっと、出来るはず」
計画は、密やかに動き始めました。
がらがらがら。崩れゆくレンガの塔を、陽太は細い目を更に細めて横目に眺めつつ。
「ああ……あれがツライんだよねぃ」
心底うんざりとしながらも、向かうのは、目の前の倉庫。
陽太たちに割り振られた午前の作業は、穴掘り。彼はその、必要な用具を取りに行くところです。
倉庫の見張りに立っている看守に声をかけると、無造作に取り出した鍵を扉へと差し込み、陽太は中へ。と。
「あら、呉井先輩。そっちも穴掘り?」
「やー圭花ちゃん、ご苦労様だよぅ」
ちょうど
桃川 圭花
が、スコップやらツルハシやらをひとまとめにして抱え、出てくるところでした。
彼女のかけているメガネは、レンズの片方にヒビが入り、フレームは歪み。顔にだって、いくつもの打撲痕が刻み付けられています。
それでもなお、したたかな彼女の表情には、まだまだ生気が溢れているように見えました。
軽い挨拶を交わしつつ、二人は狭い倉庫内をすれ違い……一瞬。潜めた声で、
「四人。合流するよぅ」
「了解、夕食時に詳細を」
入り口から覗き込む看守の脇をすり抜け、圭花は揚々とした足取りで、仲間のもとへ歩いていきました。
倉庫内には、陽太一人。
(……さて、と)
実のところ。陽太はここへ、用具を取りに来ただけではありません。
狭い通路の両側、並んだ棚へ無造作に並べられている、様々な物品たち。他愛の無いネジや釘の類から、ドライバーに金槌、ノコギリや手斧のような刃物まで……それに、針金も。必要なものを調達する役を請け負った陽太にとって、この倉庫は重要な意味を持つ場所なのです。
もちろん、危険な用途にも使えるそれらを囚人に使わせることには、看守たちはこれ以上に無く警戒しています。
一度にあれこれと持ち出すわけには行かず。陽太が手を伸ばしたのは、まずは針金一本。さりげなく袖の中へ落とし込んでから、人数分のスコップとツルハシをがしゃりと抱え、陽太は外へ。
(他にもいろいろ欲しいけど……今はまだ、これだけ)
どの道、この先何度も足を運ぶことになるでしょう。
慌てず、騒がず。看守たちをつぶさに観察しながら。彼は、実に慎重でした。
日に一度は出てくる監獄定食。もはや食べ慣れた、安定の不味さは良いとしても、このばりばりのフライに使われている魚が一体何なのかは、日々疑問に上るところです。
とはいえ、そんなフライをもそもそと食べ切った後に残る骨こそが、ねむるにとっては必要なもの。口の中へとそれを隠したところで、
「さて……それじゃ、皆。聞いてくれる?」
食事中も、巡回する看守たち、そして据えつけられた監視カメラの目が緩むことは無く。話し始めた圭花の声は、ギリギリに潜めた小声です。
「あたしがここに入れられた理由は、もう、良く思い出せない。でもきっと、ここから出て行くため。脱獄するためなんだわ。だって、それってきっと、すっごく面白いもの」
傷だらけの顔で微笑む彼女は、大なり小なりしょぼくれてきている囚人たちの中にあって、輝いて見えました。
「だから、あたしたちはここを出て行く。でもそのためには、一人じゃダメ。皆の協力が必要よ、よろしくね?」
ぐるり、テーブルを見回す、『鍵屋』
桃川 圭花
。
「ああ、俺も乗らせてもらおう」
端正な顔は汚れていても、瞳に宿る意思は衰えない、『逃し屋』
八神 修
。
「こっちのプランは、既に出来てる。すぐに始めよう」
どこか眠そうな目の奥で練られる緻密な策。『仕立て屋』
日暮 ねむる
。
「こいつと鎖に繋がれてんのも飽き飽きだ。さっさとおさらばしようぜ」
「そりゃこっちのセリフですよ、先輩。俺だってこんなの、耐えられないね」
なぜか二人で鎖に繋がれた、犬猫の仲。張り合う『陽動屋』
桐野 正也
、
工藤 耀
。
「あー、早く出た~い。帰りた~い。ってことで、便乗させてもらうよぅ」
その指先で、あらゆるものを手に入れる。『調達屋』
呉井 陽太
。
「僕がこの芝居の登場人物なら、どうする……何ができる……?
……後心配なく。役割は、きっちりとこなしますから……」
未だ夢の中、けれど定まった思考は冴えている様子の、『運転手』
浅葱 あやめ
。
「制圧。脱獄。尽力するよ、今だけはね」
覗く冷徹な意思。もう一組の『陽動屋』
恵御納 夏朝
。
それぞれに役割を担う彼ら。全員が一つとなって、脱獄という目的に望む仲間たち。
うなずく彼らの瞳には、折れない反骨心、そして、あの高い高い塀の外へ出る日を思う、希望が滲んでいるのです。
時折テーブル脇を通り過ぎていく看守の動向に神経を尖らせながら、彼らは打ち合わせを進めていきました。
夜の監房。明かりも無い狭い空間で、四人が顔を突き合わせ、ひとつうなずき合います。
陽太が取り出したのは、半ば薄汚れた半紙と、木炭の切れ端。
「……うん。充分だ」
依頼していた品を調達屋から受け取ると、夏朝は木炭を手に、半紙へさらさらと可愛らしい猫の絵を描き入れ、その縁に沿ってぴりりと破り取ります。
続けて彼女が取り出したのは、夕食に出てきた麦飯を密かに紙で包み、懐へ落とし込んでいたもの。夏朝は指先で糊状に練ったそれを、先ほど切り抜いた猫の絵を裏返して塗りつけ。言わばシールのようになった猫の絵を、ぺたりと自分の胸元へと貼り付けてみせました。
「よし。僕を持ち上げてみてくれ」
「分かりました……こう、ですか?」
あやめが夏朝の脇に腕を差し込み、持ち上げて見ると……ひょいっ。彼女の身体は、まるで羽のような軽さでふわりと浮かび上がります。
「使えそう?」
ねむるの問いに、
「……少し、効きが弱い。剥がれる可能性もある……使えるだろうけど、あまり当てには出来ないね」
夏朝は少しばかり、顔をしかめましたが。使えるものは何でも用意しておくに越したことは無く、彼女のろっこんが後の役割に役立つ場面は、きっと訪れるはず。
シールを剥がし、夏朝はふいに、監房の小窓の外を眺めます。
鉄格子の向こうに、高い壁。更にその向こうに、ぼんやりと輪郭を滲ませる月。
(……そう、何だって使う。何だってするさ。『夏朝』を、ここから出すためなら)
自身の罪に、覚えが無いわけではありません。
『夏朝』の記憶、その一部を自分が奪い、封印していること。
忌まわしき中学生時代。その初頭。思い出させたくない記憶。
それを押し込めていることが、罪だと言うのなら。
(ま、償うつもりは無いけどね?)
今、ともすれば折れてしまいそうな理不尽にさらされながら、その身体を強靭な精神で動かし続けているのは、ひどく冷め切った冷徹な意思。
『夏朝』を、脱獄させるためならば。
冷徹な、僕。『夏夜』に、迷いは無いのです。
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3人まで
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推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月27日
参加申し込みの期限
2014年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月04日 11時00分
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