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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~ニャルカトラズの罪人
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【罪のありか】
「ぐ」
めり込んだ靴のつま先に胃を押し上げられ、倒れたドラム缶の横へ、ついに
屋敷野 梢
は倒れ込みました。
「……ちょっと、倒しちゃっただけじゃないですか。ほら、すぐに元に戻しますしー……」
こみ上げる吐瀉物を喉の奥へと押し返し、ぐぐ、と顔を上げれば、横面へもう一発。ぐわんと揺れる頭。
ここまで日々淡々と、大きな失敗もせず、当たり障り無い毎日を過ごしてきた梢。作り笑いは慣れたもの、心の中はひた隠し、良い子を演じてきた彼女ですが、日を経れば、疲労は溜まるものです。
うっかりと倒してしまったドラム缶の口から、ざらざらと無機質な砂が流れ出ていくのを、倒れた梢は何とはなしに眺めます。
自覚する罪は、ありました。それも、大罪と称して良いほどの、重い罪が。
友人を……死へと追いやったこと。
(……でも)
再び、ぐ、と四肢に力を込め。起き上がろうとする梢へ、看守は警棒の一撃をその側頭部へめがけ……。
「よぉ。悪いな看守サン。俺も倒しちまったよ」
蹴倒されたドラム缶が立てた大きな音に乗せて、看守の背中へ声をかけたのは、
如月 庚
です。
すかさず、矛先を変えた警棒が彼の肩を、眉間を、脚を打ち据え、がくりと膝をつき……それでも、庚の表情が変わることはありません。
彼は、そうしてひたすらに己を殺すことで、備えているのです。消耗を抑え、来るべき時に、自分の全てを発揮するために。あらゆる理不尽が満ち満ちたこの監獄から、抜け出るその時のために。
止まない殴打は庚を、そして梢を打ち、看守が肩を荒く上下させるようになるまで続きました。
そして、その様の全てを、
「……よくやるぜ。ガキども」
ジニー・劉
は、冷めた目付きで横目に眺めつつ。ドラム缶にもたれて、深い息をつきました。
ぱさりとカードを投げ出せば、5ハイストレート。
「あー、やられちゃったよぅ」
「よしよし。ほら、そいつをよこしな」
短い余暇の時間に行うポーカーは、囚人たちの数少ない楽しみの一つです。
賭け好きな囚人が四人、腰を据えた卓には、ジニーと
呉井 陽太
の姿もありました。
少し黄ばんだ煙草の箱を開けると、ジニーは早速取り出したそれをくわえて火をつけ、久方ぶりの煙草を堪能します。
「……ふぅ。そういや、陽太。こいつと同じ銘柄を、看守の一人が吸ってるのを、さっき見かけたんだがな」
「へぇ? それはまた、偶然だねぃ」
陽太が軽口を叩けば、ジニーだけでなく、居合わせた他の囚人たちも笑い声を上げました。皆、それがどういうことなのかは、分かっているのです。『調達屋』の腕は確かでした。
ただ。ジニーの手にその煙草が渡ったのは、偶然ではありません。
シャッフルしたカードが配られ……次のゲームは、陽太が無難なツーペアで勝ちをもぎ取り、
「ちっ、仕方ねえ。持ってきな」
ジニーが腕を振って何かを投げ渡すと、ちらりとはだけたシャツの胸元に覗く、蜘蛛の刺青。
彼が投げたのは、何の変哲も無い、ちっぽけなキャラメルの箱。陽太はその箱を受け取り、軽く振って感触を確かめてから、
「それじゃ、オレはこの辺にしておくよぅ。またねぇ、劉さん」
「何だよおい、勝ち逃げか? 仕方ねえな、まったく」
カードをかき集めるジニーの口元には、薄い笑み。恐らく、陽太も同じ笑いを浮かべていることは、想像に難くありません。
夕食のカレーは相変わらずひどい味、不快な臭いが漂ってはいましたが、それももう、梢には気にならなくなりつつあります。
「それにしても、昼間は助かりましたよー如月君。おかげで殴られる数も半分こでしたし……いやー、監房に男と一緒なんて、どうなることかと思いましたけどー。役に立つこともありますよね!」
「そいつはどうも」
あっけらかんと笑う梢に、昼間の殴打が響いているようなそぶりは見えません。向かいに座る庚にしても、傷の痛みに顔をしかめるでもなく、ただ黙々と臭い監獄カレーを頬張るだけ。
「……だめだよ、そんなの!!」
唐突に、食堂内へ響き渡った声。
梢たちのテーブル、その隣の隣。立ち上がり、幼い声を上げたのは、
小島 海美
でした。
若干7歳。彼女は、この監獄内へと囚われた人々の中でももっとも小さな、実に最年少の囚人です。
「おかあさんがね、前に、『いつも笑顔でいたら、きっと良いことがあるよ!』って言ってたの。でもね、わたし、それを疑っちゃったことがあるの。そんなことないって、信じてなかったの。だからわたし、きっと、その罰を受けてるんだと思うの……だって、それ以外に思いつかないんだもん!」
悲壮な顔を浮かべた彼女を、並んだ卓の間をゆっくりと巡回している看守たちが止めようとしないのは、まだ幼い彼女の言葉など、取るに足らないものだと歯牙にもかけていないのか。それとも、何がしかの反応を周囲の囚人たちから引き出そうという、そんな思惑があったのかもしれません。
「みんなだって、そう。わるい事しちゃったから、罰を受けてるんだよね? だから、その罰から逃げるのは、とってもわるい事。もっともっとわるい事だよ!」
見れば、彼女のテーブルの隣に座っているのは、あの陽太も参加する、脱獄組たち。彼らが密かに進めている計画については、庚も梢も、同房のジニーから届く情報によって知ってはいました。
「だから、みんな、そんなわるい事は……」
「分かったよ。その話は、こっちでゆっくり聞かせてくれ」
席を立った
赤羽 勇樹
が、海美を誘って自分の卓へと連れて行ったものの。彼女の表情は冴えず、最後まで納得が行かない様子でした。
わずか、数分の出来事。
海美の叫びは、核心に迫るような言葉では無かったにしろ、巡回する看守たちへ、何かしらの疑念を抱かせるには充分だったことでしょう。脱獄組の彼らに走った緊張は、遠目に見ている梢たちにも、それとなく伝わってくるようでした。
「お前らもだぜ。ガキども」
振り返れば、つまらなさそうにカレーを口へ運ぶ、ジニー。
「馬鹿なことはやめとけよ。塀の中も外も、そう変わりゃしねえ……それにここの暮らしだって、慣れちまえば案外、悪く無いもんさ」
今度は二人が、納得の行かない表情を浮かべる番でした。
監房の天井を見上げる庚が見ているものは、何もそこに染み付いた、黒ずんだ汚れではなく。
彼が見つめているのは、その向こうに広がっているはずの、雄大な星空。
誰しもが、ことに囚人であるならば特に、夜空で自由に瞬く星たちの姿を夢想するものでしょう。そして庚にとって、それは大きな意味を持つ行為なのです。
いつか再び、訪れるはずの夜明けを迎えるため。
「……ジニーさん。俺は、あんたの罪を知らねぇ」
「あん?」
自堕落に寝転ぶジニーへ、あえてそんなことを言ったのは。再び誰はばかることなく、あの蒼穹の下に立つため。
「あんた、言ったな。自分には待ってる人間も、居場所もねぇと。こんなクズには、行く所なんてねぇんだと。だが、本当にそうなのか? あんたはここで、そうして腐ってるのを、本当に良しとしてるのか?」
ジニーは、答えず。黙したまま、紫煙をくゆらせるのみです。
「あんたにも、罪があるんだろうさ……だがそいつを償うべきは、ここじゃねぇ。『外』だ。あんたの罪を知る人間のいる、外に出てから償うべきだ」
「そうそう、そうですよー!」
梢。彼女もまた、胸の内に秘めた罪は語らずとも、今こうして囚われているこの監獄が、それを償うべき場所だとは考えていないのです。
「確かに。私は、罪を犯しました。でも、それをあの看守たちが知っているでしょうか? 目の前の囚人を何の罪で罰しているのか、彼らに分かっているでしょうか?」
何も知らされないまま、突然に押し込められたこの監獄が、彼らへと下す罰。それを正しい裁きとして受け入れるか、あるいは跳ね除け、反逆の心を抱くのか。
「私を裁けるのは、私自身です。何も知らないナニカになんて、裁かせはしません」
その選択は、囚人たちへと許された、たった一つの自由であるのかも知れません。
若い二人の言葉に、しばし、ぷかり。吐き出した煙の輪を見上げ、ただそれを見つめ続けていた、ジニー。
「…………で。どうやって出るつもりだ?」
「え?」
「脱獄するなら、プランが必要だろ。考えてんのか?」
唐突な返しに、思わず顔を見合わせた、庚と梢へ。
ものぐさそうにジニーが投げて寄越したのは、ちっぽけな紙箱。それは陽太から受け取った、あの煙草の箱でした。
ただ、その中に収められているのは、幾本もの煙草では無く……くしゃくしゃに丸められた、紙屑。梢がそれを取り出し、広げて見ると、
「……これって!?」
「脱獄を考えてるのは、お前らだけじゃねぇ。なら俺たちは、連中が事を起こすのに乗じて動くのが得策ってもんだ」
看守たちの巡回ルート。その頻度。警備の手薄な場所など……それはジニーが陽太から買い取った、貴重な情報の数々でした。
彼は、何かしら理由をつけて他の房の囚人たちと接触するたび、情報を集めてはそれらを収束し、監獄内にあって、その実情をかなりのレベルで把握しているのです。
目印は、蜘蛛の刺青。ニャルカトラズの『情報屋』、それが
ジニー・劉
という男でした。
「ジニーさん、あんた……」
「てめえらだけじゃ、失敗は目に見えてる。こういう時ゃ、素直に先輩の知恵を借りとけ」
若者たちの眼差しを受けながら、ジニーは少し照れたように、それにな。とこぼして、
「……俺も、娑婆でこいつを吸いたくなったんだよ」
くわえた煙草から白くたなびく煙が、監房の中へふわりと広がりました。
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月27日
参加申し込みの期限
2014年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月04日 11時00分
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