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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~ニャルカトラズの罪人
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【日の光、夜の影】
「ふふ……」
柔らかく頭と背を抱く両手。くるりと絡めた足。ふわりと心地良い胸の柔らかさに包まれながら、
戌井 創
は目覚めました。
「ふわぁ……えへへ。おはよー、先輩……♪」
「うふふ。おはようございます、創君……♪」
鼻先がくっつく程の目の前に、
添木 牡丹
。大好きな女の子の顔。
二人、抱き合って毛布にくるまったまま、ちゅ、と目覚めのキス。気だるい朝の空気に、まどろみながら。しばし、微笑みを浮かべてお互いを見つめ合い、
「……ん」
もう一度、キスを。
過酷な囚人生活。厳しい刑務やもたらされる痛苦にあえぐ人々がいる中で、創と牡丹はどこ吹く風。お互いがいればそれで良いのだと、全く応えるそぶりもありません。
「オッハヨーーー! お二人さん、昨夜はお楽しみでしたね? なんつって、そんでもって今朝も見せ付けてくれるじゃなーい、いやぁ妬けちゃうネ! ねえ棗君?」
応えないと言えば、
志波 武道
もまた、朝から元気いっぱいです。彼の底抜けの明るさ、軽口は衰えることなく、話を振られた
来栖 棗
は、
「……知るかよ」
と、同房の彼らに辟易としたように、簡素なベッドへ投げつけるようにシーツを放りました。
囚人カップルは、互い以外は目に入らないとばかりに、毛布の中でいつまでもイチャイチャとしていましたが、やがて。
がん、がんがんがん! 警棒が鉄格子を叩くやかましい音が響き、ニャルカトラズ監獄の一日が始まります。
囚人たちには、例外なく厳しい刑務作業が義務付けられています。それらは全て、罪人である彼らへと、苦しみを与えるためだけに課せられたものなのです。
創、牡丹、武道、そして棗に本日割り振られた作業は、穴掘り。作業場の片隅にある倉庫から引っ張り出してきたシャベルやツルハシを使って、掘って、掘って、掘りまくった後、再びそれを埋める作業を繰り返すという、何の意味も無い、ただひたすらに無益な労働です。
「くだらねェ……」
ざくりとシャベルを硬い土へ突き込み、かきだしながらも、棗はぶつくさとしきりにつぶやきます。
割に合わない、と彼は考えていました。
犯した罪によって投獄されたというなら、彼に思い起こされるのは、夜の街をさすらう日々。数々の盗みや、暴力行為。
ついこの間も、タチの悪い不良連中に吹っかけられたケンカを快く買ってやり、残らずのしたばかりです。確かに、どこかの骨にヒビの一つも入ったかも知れませんが、それとて、こうして塀の中へ落とされるほどの罪では無いだろうと。彼は、そう考えているのです。
「……痛ッ」
ずきりと痛んだ手のひらを見れば、潰れた豆から噴き出た赤い雫が、つつ、と腕を伝い落ちていきます。
ごしごしと囚人服の袖で拭ってから、再びシャベルを手に、ざくり。
鬱屈した思いは、彼の身の内、心の内へと、徐々に蓄積されていたのでしょう。
それが少しばかり弾けたのは、直後のことでした。
「よいしょ、よいしょ。ふー、先輩、大丈夫ー? 疲れてない?」
「創君と一緒なら。ふふ、楽しいくらいですよ」
「えへへ、良かったー。一緒に頑張ろうねっ! ……んーっ」
ちゅっ。刑務作業においても、二人仲良く、隙を見てはいちゃいちゃ。
そんな二人を、看守がいつまでも放っておくわけもなく。
「あうっ……!」
「創君!?」
が、と鈍い音に棗が振り返れば、倒れ込んだ創を庇うように覆いかぶさる牡丹。警棒をこれ見よがしに掌へ叩き付けて見せる、看守の姿がありました。
「……刑務作業なら、こうして甘んじて受けているでしょう? 放っておいておいてくれませんか、私は創君をぎゅーしたり、ちゅーしたりで忙し」
牡丹は、二の句を告げませんでした。こめかみに叩き込まれた一発が、目の前を真っ白にしたのに続いて、頬、背中。腰。めきりと鎖骨が嫌な音を立てるのを聞きながら、看守は警棒を振るうのをやめません。
ぴたりと看守が動きを止めたのは、どさどさと、頭の上から降り注いだ土砂のため。
「ああ、悪ィな。手が滑った」
「あっ、俺も俺も! 手ェ滑ったゴメーーーンッ☆」
と、棗に続いて武道までもが、スコップですくった土の塊を、看守の顔めがけてぶちまけたもので。
警棒の乱打は、棗の目の上へ。武道の喉元へ、牡丹の痛んだ肩へ、とっさに掲げた創の腕へ。
「せ、先輩は……僕が、守ってあげるんだ……!」
「い、痛っ、ちょっと待って痛い! ぎゃーっ!」
「…………ッ!」
一方的な暴力が終わったのは、四人がぴくりとも動かなくなってからでした。
「はい、創君。あーん」
「あーん……んむ! あはは、まずーい! 次は~、はいっ先輩。あーん!」
今日の夕食のメニューは、カレーライス。監獄カレーと言い習わされるそれは、えもいわれぬ妙な匂いのするルーの中に、筋張って噛み切れないほどに固い肉がちらほらと放り込まれている、筆舌に尽くしがたい代物です。
傷だらけの囚人カップル、ぴたりと寄り添うその姿は、どちらも包帯まみれではあったものの。昼間に受けた懲罰の痛みも感じさせず、彼らはしたたかに、この状況を楽しんでいるように見えました。
向かいの席では、
「い、いてててて! 口の中切れちゃって、あはは、もー痛いのなんのって。食べるの大変だわーコレ」
顔をしかめながらも明るく言って笑みを浮かべる武道に、棗も少しばかり、救われているところはあったかも知れません。
「……それにしても、不味いな。何の肉なんだろうな、これ……囚人の肉だったりしねーだろうな」
「ちょ、やめて棗君、それコワイ!」
と。
「……あァ? 何だ、てめぇら」
囚人たちがほっと息をつく、一見和やかな食事風景に見えて。精神をすり減らし荒み切ったような囚人たちも、中には当然いるのです。
棗に絡んできたのは、虚ろな目の中にぎらぎらと飢えた獣のような剣呑な光を宿らせた、疲れた囚人たちのグループでした。
食事の量とか、具の大きさがどうとか、そんなつまらない言いがかり。理由などどうでも良かったのかも知れません。
一人が棗のカレーの皿をひっくり返して見せたところで、ゆらり。しばらく耐えていた棗は立ち上がり、
「そうかい。ちょうどいい、買ってやるよ、そのケンカ。こちとら、最高に機嫌が悪ィんだ……」
言うが早いか、正面の男の鼻先へ、拳を一発。更に隣の男を張り倒してから、更に別の男の鳩尾へ一撃。
「おーっ、ケンカかい!? こりゃ乗らなきゃソンってね☆」
愉快犯を気取る武道も彼らをはやしたて……やがて、テーブルは蹴倒す、カレーは飛び散る椅子は砕ける。食堂で起きた乱闘騒ぎは、小さな種火が次第に赤く燃え上がっていくように広がり、看守たちが大挙して押し寄せ鎮圧に取り掛かっても、収まる気配は無く。
「……上等だッ! 来いよ、全員叩きのめしてやるぜ……!!」
「いいねイイネー! 派手にやっちゃおうぜー棗君!」
羽交い絞めにされてもなお吠え立て、暴れ倒した末、看守の手にした拳銃型のスタンガンから伸びたワイヤーを通じて流された電撃が、棗と武道の意識を消し飛ばし、ようやく騒ぎは収束しました。
「いやあ、フザケが過ぎちゃったネ、マーイツモノコトだけど!」
独房に放り込まれ、がちがちに拘束された武道の口から漏れる笑いは、いつもより、いささか乾いていました。
今夜もまた。監房棟に満ちる闇は、頑なな囚人の胸に潜む不安を煽り、少しばかり素直になった彼らへ、心の内を語らせます。
「……いい事なんて、何も無かったな。最悪の人生ってやつさ」
日々肉体を、精神を苛む囚人生活が、棗を少しだけ、感傷に浸らせているのかもしれません。壁の向こうにいる武道へ、そんなことを話して聞かせるなど、彼自身思ってもみないことでした。
「アイツは……お袋は。俺が死んだって聞いたら、泣くんだろうか? ……いや、まさかな。男でも作って、ころりと忘れるだけだ。そうに決まってる……」
いつも諍いが耐えなかった家の中。女手一つで棗を育てることに、母親は、疲れ切っていたのかもしれない。棗はそう、今更ながらに思うのです。
「……俺が、いるから。お袋は、幸せになれねーのか……?」
「そんなことは無い! ……って、言ってあげたいけどねぇ。はは、偉そうなことは言えないよな」
苦笑い。いつもテンションの高い武道の声へ、どこか自虐のような響きが混ざっているのに、棗は気付きました。
「あんたは。何でここに? 心当たりがあるのかよ?」
「……俺? 俺の罪か……」
壁を挟んで届く棗の声。武道にとっても、顔を合わせてから日も浅い、年下の少年に語って聞かせようとしている自分に、奇妙な感覚を覚えながらも。
「なんだっけな……今じゃもう、ぼんやりとしてて、思い出せない。けど、直感で分かるんだ。この程度じゃ……許せないんだって」
搾り出すような、言葉。
「つまらない作業を繰り返したり、殴られたり。そんな程度の罰じゃ、俺自身が納得できないんだ。それだけは……分かるんだ」
大切な兄弟のこと。遠い日の友人たちとの記憶。数え切れないほどの、幾つもの小さな罪の意識。それらのいずれか、あるいはその全てなのか。
囚われた理由を、武道はそれ以上、深く考えることはありませんでした。
「……多分。外に出るのが、怖いのかもな……」
それすらも、おこがましい気がして。
「ああ、それにしても……痛いなぁ、くそう、ははは! 痛いな……ハハハハ……!」
「……くく。そうだな。痛ェな、こいつは……」
彼らはそれ以上、深く考えることはありませんでした。
傷の痛みか、心の痛みか。胸を苛んでいるのがどちらなのか、彼らにはもう、分からなかったので。
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月27日
参加申し込みの期限
2014年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月04日 11時00分
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