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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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幸せのブルー・ブルー・バード
【冷徹な僕と青い鳥を探す者達】
その日、恵御納 夏朝さんはのんびりと九夜山を散歩していました。
いたのですが。
（……のんびりにもほどがあるだろう？）
なんだかいつもの夏朝さんと様子が違います。
見ると、彼女の足下には靴型にヘコんだ空き缶が。
どうやらこれを踏んづけて転んだはずみに、彼女の内側に眠る別人格『夏夜』さんが表へ出てしまったようなのです。
「……まぁいい。せっかく九夜山にいるんだ。「青い鳥」を探しに行こうか」
ぶつけた頭をさすりつつ、夏夜さんは前向きに行動を開始しました。
（ないとは思うけど……夏朝や寝子島に害のある事を願われると困るから、ね）
夏夜さんは木の枝などに注意を払いながら道を進んでいきます。
と、その道中で彼女は友人の後木 真央さんの姿を見つけました。
「あ……後木さんだ。こんにちは、今日はどうしたの？」
夏夜さんは夏朝さんのふりをして真央さんに話しかけます。
「ん？ おお、夏朝ちゃん、こんにちはなのだ！ 真央ちゃんは今絶賛青い鳥を探し中なのだ！」
「へぇ……青い鳥さん探してるんだ。……もし、見つけたら何をお願いするの？」
「もちろん『宿題完了宿題完了宿題完了！』なのだ！」
「へ、へぇ……」
（まだ終わらせてなかったのか……）と夏夜さんは内心でびっくりです。
「これが今でさえなければっ……夏休みの宿題カンスト以上に大事なことがあるなら教えてくれなのだ～！？」
「あ……あはは……そ、そうだね……」
と、そこに。
「あら？」
小鳥を肩に乗せた御巫 時子さんまで姿を見せました。
「むむ？ 時子ちゃんも宿題を？ なのだ」
「……宿題？」
いきなりの真央さんの問いかけに首を傾げる時子さん。
「……御巫さんも、青い鳥を？」
夏夜さんがそう訊ねると、時子さんは静かに頷きます。
「私は青い鳥さんに会って、昔助けてもらったときに言えなかったお礼の言葉を伝えたいんです」
時子さんはそれから在りし日を思い出すよう目を閉じ、幼い頃、寝子島で迷子になっていた自分を助けて、
そのまま居なくなってしまった青い鳥の話をしてくれました。
「そして、できれば青い鳥さん自身の願いを聞いてそれを叶えてあげたいです」
「そ、そんなこと言われたら真央ちゃんの願いが叶えにくくなるのだ……」
困ったように頭を抱える真央さん。
と、そのとき彼女のスマホにお友達の八神 修くんからのメッセージが届きます。
「こ、これはっ……なのだ！」
真央さんの驚いた顔に夏夜さんと時子さんは顔を見あわせます。
「二人ともっ！ 聞いて欲しいのだ！ 修ちゃんがみんなの願いが叶う凄い作戦を考えたらしいのだっ！」
【最大多数の幸福のために】
（さて、上手くいくといいが……）
八神 修くんは胸中でそう呟き、スマホをポケットにしまいました。
現在、修くんは同じ学年の宮祀 智瑜さんと野々 ののこさんと一緒に青い鳥を探しに九夜山に来ていました。
「二人とも急いでっ！ 早くしないと、サンマさんがっ！」
ののこさんはそう言って二人を急かします。
「落ち着け、野々。そんなに焦っていたら、見つかるものも見つからないぞ」
修くんが苦笑混じりにそう呟き、
「ののこちゃんは本当にサンマさんが好きですね」
智瑜さんが微笑ましいものを見るような表情で言いました。
しかし、そんな智瑜さんの表情に、ふとかげりが。
というのも。
（ののこちゃんのお願いは叶えてあげたい。けど、青い鳥さんが消えてしまうのは可哀想……）
そんな二つの相反する気持ちが胸の内で揺れていたからです。
と、そのとき。
「宮祀、ちょっといいか」
「……あ、はい。なんでしょう、修さん？」
「青い鳥なんだが、もし見つけても野々の願いを叶えるのは少し待ってくれないか？」
「え……」
「俺に考えがある。まず最初の願いで俺達の人数＋１に同じ力を持つ青い鳥を増やしてもらう。そうすればみんなの願いが叶えられる」
「……ええっ！？」
「静かに」
思わず大きな声をあげてしまった智瑜さんに、修くんはしっと指を立てます。
「野々には聞かれたくない。ろっこんを使う必要があるかもしれないからな」
「……ごめんなさい。でも、どうして『＋１』？」
「できれば、青い鳥の願いも叶えてやりたいだろ？」
修くんがふっと微笑み、それに智瑜さんも思わず温かな気持ちに笑みが浮かびます。
「とてもいい考えですね。ところで、修さんはいったい青い鳥さんに何をお願いするんですか？」
「え……」
その瞬間、修くんは激しく動揺した様子を見せて、
「……鳥の前で言うよ」
目を逸らし、顔を真っ赤にしながら小さな声でそう答えたのでした。
その日、恵御納 夏朝さんはのんびりと九夜山を散歩していました。
いたのですが。
（……のんびりにもほどがあるだろう？）
なんだかいつもの夏朝さんと様子が違います。
見ると、彼女の足下には靴型にヘコんだ空き缶が。
どうやらこれを踏んづけて転んだはずみに、彼女の内側に眠る別人格『夏夜』さんが表へ出てしまったようなのです。
「……まぁいい。せっかく九夜山にいるんだ。「青い鳥」を探しに行こうか」
ぶつけた頭をさすりつつ、夏夜さんは前向きに行動を開始しました。
（ないとは思うけど……夏朝や寝子島に害のある事を願われると困るから、ね）
夏夜さんは木の枝などに注意を払いながら道を進んでいきます。
と、その道中で彼女は友人の後木 真央さんの姿を見つけました。
「あ……後木さんだ。こんにちは、今日はどうしたの？」
夏夜さんは夏朝さんのふりをして真央さんに話しかけます。
「ん？ おお、夏朝ちゃん、こんにちはなのだ！ 真央ちゃんは今絶賛青い鳥を探し中なのだ！」
「へぇ……青い鳥さん探してるんだ。……もし、見つけたら何をお願いするの？」
「もちろん『宿題完了宿題完了宿題完了！』なのだ！」
「へ、へぇ……」
（まだ終わらせてなかったのか……）と夏夜さんは内心でびっくりです。
「これが今でさえなければっ……夏休みの宿題カンスト以上に大事なことがあるなら教えてくれなのだ～！？」
「あ……あはは……そ、そうだね……」
と、そこに。
「あら？」
小鳥を肩に乗せた御巫 時子さんまで姿を見せました。
「むむ？ 時子ちゃんも宿題を？ なのだ」
「……宿題？」
いきなりの真央さんの問いかけに首を傾げる時子さん。
「……御巫さんも、青い鳥を？」
夏夜さんがそう訊ねると、時子さんは静かに頷きます。
「私は青い鳥さんに会って、昔助けてもらったときに言えなかったお礼の言葉を伝えたいんです」
時子さんはそれから在りし日を思い出すよう目を閉じ、幼い頃、寝子島で迷子になっていた自分を助けて、
そのまま居なくなってしまった青い鳥の話をしてくれました。
「そして、できれば青い鳥さん自身の願いを聞いてそれを叶えてあげたいです」
「そ、そんなこと言われたら真央ちゃんの願いが叶えにくくなるのだ……」
困ったように頭を抱える真央さん。
と、そのとき彼女のスマホにお友達の八神 修くんからのメッセージが届きます。
「こ、これはっ……なのだ！」
真央さんの驚いた顔に夏夜さんと時子さんは顔を見あわせます。
「二人ともっ！ 聞いて欲しいのだ！ 修ちゃんがみんなの願いが叶う凄い作戦を考えたらしいのだっ！」
【最大多数の幸福のために】
（さて、上手くいくといいが……）
八神 修くんは胸中でそう呟き、スマホをポケットにしまいました。
現在、修くんは同じ学年の宮祀 智瑜さんと野々 ののこさんと一緒に青い鳥を探しに九夜山に来ていました。
「二人とも急いでっ！ 早くしないと、サンマさんがっ！」
ののこさんはそう言って二人を急かします。
「落ち着け、野々。そんなに焦っていたら、見つかるものも見つからないぞ」
修くんが苦笑混じりにそう呟き、
「ののこちゃんは本当にサンマさんが好きですね」
智瑜さんが微笑ましいものを見るような表情で言いました。
しかし、そんな智瑜さんの表情に、ふとかげりが。
というのも。
（ののこちゃんのお願いは叶えてあげたい。けど、青い鳥さんが消えてしまうのは可哀想……）
そんな二つの相反する気持ちが胸の内で揺れていたからです。
と、そのとき。
「宮祀、ちょっといいか」
「……あ、はい。なんでしょう、修さん？」
「青い鳥なんだが、もし見つけても野々の願いを叶えるのは少し待ってくれないか？」
「え……」
「俺に考えがある。まず最初の願いで俺達の人数＋１に同じ力を持つ青い鳥を増やしてもらう。そうすればみんなの願いが叶えられる」
「……ええっ！？」
「静かに」
思わず大きな声をあげてしまった智瑜さんに、修くんはしっと指を立てます。
「野々には聞かれたくない。ろっこんを使う必要があるかもしれないからな」
「……ごめんなさい。でも、どうして『＋１』？」
「できれば、青い鳥の願いも叶えてやりたいだろ？」
修くんがふっと微笑み、それに智瑜さんも思わず温かな気持ちに笑みが浮かびます。
「とてもいい考えですね。ところで、修さんはいったい青い鳥さんに何をお願いするんですか？」
「え……」
その瞬間、修くんは激しく動揺した様子を見せて、
「……鳥の前で言うよ」
目を逸らし、顔を真っ赤にしながら小さな声でそう答えたのでした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年08月27日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年09月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年09月03日 11時00分
