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●
再び舞台を寝子島総合病院に移そう。
壁そのものをキャンバスに絵を描こうという
綾辻 綾花
に、
御剣 刀
と、様々な美術に通じており道具への造詣が深い
旅鴉 月詠
が付いて来て、意見のすり合わせを行っていた。
「壁にトリックアートで、猫の絵を描こうと思うんです」
図書館で借りてきた、トリックアートに関する本を ろっこん【読破】で内容を頭に叩き込んできたから、理屈は完璧なはずだ。
技術まで習得できるわけではないものの、普段から大好きな猫をスケッチしている綾花。
描こうとしているのも猫だから、作画もきっと問題ないだろう。
ただ持って来た水彩絵の具は、月詠に駄目出しをされてしまったが。
「水彩は駄目ですか? 触りたくなるような毛並みにしたいんですが……」
「すぐに落ちてしまうだろうね、アクリル絵の具にしてみてはどうかな?」
「アクリルですか?」
「そう。私が持っているから、貸してあげるよ。大丈夫、慣れればすぐに上手くなる。
ふむ……これは下地を塗った方がいいかな? 手間をかけておけば、丈夫なウォールアートになるよ」
コツコツと壁を叩きながら、若き芸術家は逡巡する。
「御剣、悪いが、どこかから脚立を借りてきてくれないか? それと下地塗りを、手伝ってもらえるかい?」
会話についていけなくて、手持ちぶさたの刀も、その言葉で奮起した。
「任せろ! 俺で良ければ何でもする、こきつかってくれ」
「頼もしいですね」
「本当に。頼りにしてるよ」
女の子達に口々に誉められ、刀は舞い上がった。
「えっ!? いや、そうかな? ハハ……あ、脚立だったな、借りてくるぜ!」
足の捻挫も忘れて勢い良く振り返った瞬間、閉まったドアに激突したのは、ご愛嬌。
「だ、大丈夫ですか!?」
床に伸びた刀に、綾花が慌てて駆け寄る。
「痛いですか? 冷やしましょうか?」
「一瞬、星が見えたけど大丈夫……」
心配そうな綾花をいなして部屋を出れば、月詠の「廊下は走るんじゃないよ?」との忠告が追い掛けて来た。
「とほほ……」
刀の後姿を見送って、綾花は天井を仰いだ。
「星……それも素敵ですね」
道具が揃って、三人は丁寧に下地を塗る。
「高い所は塗るぜ」
「助かります」
全て塗り終わったところで、三人は一旦カルチャーセンターに移動した。
●
「皆、やってるな! お疲れ様、腹ごしらえしないか?」
差し入れの入った包みを高く揚げて
御剣 刀
が言えば、皆は作業を中断して輪を作った。
「御剣が作ったのか? 気が利くな」
刺繍を手伝っていた
八神 修
も、たくさんの素材の中から自分のスペースを見つけて、腰掛けた。
はたから見ればハーレム状態の彼だったが、皆の身長に合わせて屈み込んでの作業を長く続けていたから、もう腰が痛くて。
刀の気遣いが、素直にありがたい。
「俺も、持って来たぞ。これを食って作業を頑張ってくれ」
毒島 林檎
も憮然とした態度で、包みを解いた。
その後で、「差し入れと言ったら、やっぱりおにぎりだよね!」なんて楽しそうな声を小さく上げながら。
誰よりも色々な具の入った おにぎりを用意した林檎は、きっと随分早起きしたのだろう。
そんな様子を微塵も見せない健気さがまた、林檎の可愛らしいところであった。
「オレ、シーチキンのおにぎり~!」
曖浜 瑠樹
が、はむりと頬張る。9歳の彼が持つと、おにぎりは巨大サイズに見える。
「瑠樹くんは、コーヒーはまだ早いから麦茶がいいか。貰うぜ?」
すっかり瑠樹のお姉さんと化した、
吉祥寺 黒子
は せっせと世話を焼いている。
「ありがとなぁ」
「作業はまだ数日かかりそうですし、皆さん他にも飲みたいものや、食べたいものがあったら作りますよ……?」
「十分よ、ありがとう御巫さん」
御巫 時子
が申し出、
蒼澄 永姫
が同じ姿勢で酷使した首を、軽く撫でながら礼を言った。
「そうですか……遠慮しないで下さいね……?」
この時だけクーラーを止めて、カラリと窓を開け風を入れる。
吹く風からは、夏の盛りのような湿気は、すでに感じられない。
「だいぶ急ピッチで作業しているようだね。良かったら、こちらもどうぞ」
旅鴉 月詠
が用意したお茶と、クッキーを振舞った。
「丁度いい甘さでスゲー美味いのだ!」
後木 真央
は手と口が、止まらない。その勢いに瑠樹は吃驚して、口を半開きにして真央の胃袋にクッキーが消えていくのを見ている。
「それは良かった。坊やも遠慮せず食べるといい、このままではみんな真央が片付けてしまうよ?」
「ふふ。でも本当に美味しいですね」
サクリと歯ざわりの良いクッキーを齧る
綾辻 綾花
に、月詠は微笑で応える。
彼女はいつもこのように、小柄な体躯に似合わず、どこか超然とした様子を見せるのだった。
「お茶はカモミールかしら?」
皆の輪の中で食事をする穏やかな時間の中で、永姫もまた柔らかな香りを楽しんでいる。
集中して作業をして、強張っていた筋肉が、ゆっくりほぐれていく。
「おお、おかかチーズおにぎりもあったのだ? そっちの肉巻きも美味しかったのだ」
真央は全制覇するべく、更に食べている。
「明太子もあるぞ」
「林檎ちゃん凄いのだ、いただきますなのだ♪」
「凄い食欲だな」
月居 歩
は、ただ言葉を失う。
「ビバ炭水化物なのだ♪ カロリーはいずれお猫様ウォッチングで消費するのだ」
「どれも美味しいわ」
「そういや、菜々緒も結構食ってるよな?」
親友の元気な姿が嬉しくて、何気なく言った黒子だったが、
芽森 菜々緒
は一寸動揺して喉に詰まらせた。
「大丈夫か? ほら、飲めよ」
歩からお茶を受け取って、菜々緒はありがたく飲み干すと、ホッと一息。
「私は、ほら……胸に栄養がいかないから、太らないのよ……」
まさかの自虐ギャグであった。
気付けば菜々緒の視線は、周囲の豊満な女性達の胸に注がれていた。
「な、なんだよ、そんなこと気にしてんのか?」
目を泳がせる菜々緒の背中を叩く黒子の後ろで、フォローの言葉が見つからず歩は小さくなっていた。
「サンドイッチも、食べやすくて美味しいね」
マイペースに
遠野 まほろ
が言えば、
宮祀 智瑜
も頷く。
「具はハムとレタスと卵ですね、レタスが新鮮で美味しいですっ!」
「ところで、皆に頼みがあるんだけど」
会話が落ち着いた頃を見計らって、刀が切り出した。
「実はプレイルームに、今回関わった皆の手形とメッセージを残したいんだけど、どうかな?」
手に絵具を塗り、紙に判子のように捺しつける。
そしてメッセージを書き添えようと、彼は言う。
「皆がそれぞれ一生懸命、自分の出来る事をやっている。それは病気の子供達の為だ。
皆が作った物、成した事は結果だけが残って、それが誰の手によるものかを子供達が知る事は恐らくない。
だから、何か残せないかと思って……どうだろう?」
「いいんじゃないか? 俺は賛成だ」
修がまず、同意を示す。一人が同意を示せば、残りの皆も異を唱える事はなかった。
「私も構わないわ」
菜々緒も承諾した。
ただ、シスター見習いの
キリエ・オーラティオ
だけは、自分の名を残す事に戸惑いを覚えたようだったが。
「栄光は、主にのみ帰すべきなのです。
けれど……これは実名を書く事で、実際に応援している人が居る事を肌で感じて貰って、子供達を励ますのが目的なのです?」
白い髪をさらりと肩から零して、首を傾けるキリエに刀は頷く。
「そうだな。えっと、俺は、誰でもその手は何でも掴めるのだと、誰かを助け救う事が出来るのだと、そう示したいんだ」
だから掌のスタンプを捺した絵を病室やプレイルームに飾り、そこで過ごす人たちの安らぎを得るための手伝いを、少しでもしたい。
「もし出来たら、でいいんだけど……」
ポリポリと後ろ頭を掻く刀に、キリエは漸く頷いた。
「わかったなのです、きっと主も喜んでくださるなのです。協力してやるのです」
こうして刀は、絵の具と判子、筆記具を持って作業中の皆の間を行き来する事になった。
「女王(菜々緒の事)も頼む」
「ええ、わかったわ。でも……メッセージには何を書こうかしら……」
作業を中断し、しばし考え込む菜々緒。
「あまり難しく考えず、『頑張れ』でも『応援してる』でも、菜々緒の素直な気持ちを書いたらいいんじゃないか?」
歩は一言だけ助言すると、再び製作中の絵に没頭しはじめた。
水彩画では菜々緒の先を歩く彼の描いた絵は、風景画でありながら何か語りかけてくるような、導くような、そんな印象だ。
「そうね……」
菜々緒はまだ、思案している。
ずっと陰ながら二人を見守っていた黒子は、そっと歩み寄る。
「入院生活が長引くと、どうしても燻って自暴自棄になる奴が出てくる。生きる希望ってやつが、欲しくなるんだ」
「希望……」
(……そういや今年の4月までは、人生のどん底で、芸術なんか考えて無かったな……)
黒子は自身の入院体験を、思い起こした。
仲の良い同級生の友人達は高校を卒業し、それぞれの夢に向かっているのに、自分だが身動きも儘ならず、取り残される焦燥感。
全てが中途半端なまま、強制終了――死を迎えるかもしれない、絶望。
度重なる不幸に、神を憎んだりもした。
(癒しの曲……っていうのも良さ気だな)
黒子は手形を捺す菜々緒に背を向けると、自宅に戻っていった。
悩んだ末、捺した手形の上に、菜々緒は
『人間は誰だって違う自分になれる、だから前を見て進め!』と書き綴っていた。
「これでいいかしら?」
「ああ……ありがとう」
受け取ったメッセージに束の間、見入っていた刀だったが、額に入れて大事に包んだ。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月15日
参加申し込みの期限
2014年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月22日 11時00分
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