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花火大会、夏の思い出
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【手をつなぐ帰り道】
エノコロ岬からの帰り道。
うっかりキスをねだってしまった
上穗木 千鶴
の顔は、今も変わらず真っ赤だった。
「ううう……、ぼくは、ぼくは……っ」
うつむいたまま歩く千鶴の手を、
八十八旗 信彦
が引いている。
「ちーちゃん、前を見ないと危ないよ。もっとも、俺がついているけどね!」
千鶴はもはやまともに、信彦に返事を返すことも、顔を見ることもできずにいた。
それでも、帰路につく人で混雑する道路を、はぐれないようにと、握った手には力をこめた。
はぐれないようにつないでいるだけだと自分に言い訳しながら、手の温もりを感じている。
「うっ、ううぅ……」
己の先ほどの振る舞いを思い返すと、穴があったら入りたいほど恥ずかしかった。
それでも、実際に穴があったとして、落ちるときにもこの手だけは離したくないと感じていたのだが。
「ほら、ちーちゃん。段差があるから気をつけて」
「うううー……」
うめきながら、信彦の注意をうながす声には、素直に従う。
言葉があふれそうで、けれど、ひとつもまともに形にならないまま、千鶴は信彦とともに歩いていった。
【静かな帰り道】
「……終わっちゃったね」
静まりかえった海岸線に目を向けて、
塔尾 松生
がつぶやいた。
「そうですね。送っていきますよ、夜道は危ないですからね」
歩き出しながら、
日向 透
が語りかけた。
「塔尾さん、花火は楽しかったですか?」
「うん、とても。きれいで、きらきらしていて、花火はすごく楽しいよ」
そう答える松生の顔は、物憂げだ。
「それならいいのですが、少し、元気がありませんね」
「うん……」
歯切れ悪く、松生は言った。
「終わっちゃったことがもったいない、のかな。花火って、終わったあとに、寂しいの」
「そうですね」
決して声を荒げることなく、穏やかに透は同意を示した。
「きれいで楽しいから、反動で余計にそう感じてしまうのかも。それでもやっぱり、花火は好き……」
「反動ですか、なるほど、そういうものですよね」
そう返す透だったが、楽しいことはともかくとして、このところ寂しさなど感じたことはなかったと、ぼんやりと考えた。
素直な感情に左右されて、松生は惜しむように背後を振り返る。
「あたし、花火大会って、ちっちゃい頃に家族で行って以来かも。……だから今日は、余計に嬉しかったよ、日向さん」
「それはよかった。きっとまた、すぐに楽しいことがありますよ」
「……そうだよね。ありがとう」
お礼を言いながら、松生は隣を歩く透を見ていた。
もうすぐ、楽しかった一日が終わる。
こうして過ごす時間もあとわずかだと思えば、惜しむ気持ちがわいてくる。
胸をひたす切なさも、花火だけのせいではなさそうだと考えながら、松生は歩いていった。
【過去は消せない】
何度目かの重いため息を、
市橋 誉
はついていた。
「まだ落ち込んでるのかい、誉」
すっかり立ち直った様子の
市橋 奏楽
が、軽く笑い声を漏らす。
「言うな」
エノコロ岬での、自分とは思えないような甘えた言動の数々が、頭に焼きついて離れない。
奏楽と共に木天蓼市の中央にある実家へ向かいながら、苦々しげな声で誉は言った。
「奏楽。父さんと母さんにさっきのこと離したら、タダじゃすまさないからな」
「わかってるよ、大丈夫」
軽く流されて、歯がみした。
「絶対に、絶対だからな……!」
「平気平気」
そういなしながら、奏楽も、誰かに話すつもりはなかった。
あの一幕は、諸刃の剣だ。
余計なことは言うまいと心に決めて、夜の町を歩いていった。
【これからの気持ち】
「花火、終わっちゃいましたね。……帰ろうか」
終了のアナウンスとともに、海岸にいた人々がいっせいに移動を始めた。
「人が多いから……、はい、先輩」
はぐれないようにと、
新井 米太郎
が
霧切 翠子
の手をとる。
「家まで、ちゃんと送っていきますね」
「うん。ありがとう、こめ君……」
つないだ手を、翠子はきゅっと握りしめた。
人波におされて、米太郎との距離が近い。
心臓が音をたてて鳴っていた。
全身が緊張でこわばっているのは、米太郎に伝えたい気持ちがあるからだ。
「……あの、ね。こめ君。少し、静かなところでお話しがしたいな……」
「霧切先輩? えーっと、それじゃあ、駅じゃなくて海岸の端のほうに行きましょうか」
「うん、お願い」
人気のないほうを目指して進みながら、息苦しさがどんどんと増してくる。
「霧切先輩、大丈夫……? 人が多くて、疲れちゃいましたか?」
硬い表情の翠子に、米太郎が気遣わしげな視線を向ける。
「ううん、違うの。こめ君と、もう少し一緒にいたかったから……」
「そっ、そうか」
「うん。そうなの! こめ君、そこの木陰で、休憩しよう……?」
人もまばらな夜の浜辺で、足を止めると、翠子はつないでいた手をそっと放した。
「あのね、実はね……、聞いてほしいんだけど……」
油断すると、昂ぶった感情のせいで涙がこぼれてしまいそうで、翠子は自分の頬をぱんと叩いた。
「きっと、こんなこと言ったら、こめ君は困惑すると思うの」
「……うん」
真剣に耳を傾けてくれる米太郎の顔を見つめて、翠子は勇気をふりしぼった。
「私、ずっと前から変わりたいって思ってたのに、結局色々、間違って……。でも、こめ君は、それでも一緒にいてくれて……」
「うん。霧切先輩」
「……だから、今度こそ、私は変わるよ。もう、後悔したくないんだ」
痛くなるくらい力をこめて、翠子は拳を握りしめた。
震える唇を意志の力でこじ開けて、一番伝えたい気持ちを、言葉にのせた。
「あなたを……、米太郎君のことを、私は愛してます」
米太郎は息をのんで、翠子を食い入るように見つめた。
「……先輩」
翠子の灰色の瞳が、溢れ出しそうな感情に潤み、揺れていた。
「僕、先輩を守りたいって、ずっと思ってたんだ」
動揺を押し殺して、米太郎は翠子を抱きしめた。
ふわりとした抱き心地の良い感触とかすかな震えが身体に伝わる。
間近に感じる翠子の鼓動は速く、そして同じくらい、米太郎の心臓の音もやかましかった。
「先輩……、僕、自分でもどうしてかわからないけど、先輩のことになると、何でも出来るような気がしてた」
目の覚めるような思いとともに、米太郎は告げていた。
「ようやく、理由がわかったよ。僕、先輩のことが大好きなんだ。誰よりも、大切な人なんだ……!」
米太郎は上体を離すと、翠子の両手をしっかりと握った。
これまで、米太郎はずっと自分の気持ちに気づかないふりをし続けていた。
大切な人を作るのを恐れて、自分からも彼女からも、目を逸らしていたのだ。
けれど、そんな自分に翠子はぶつかってきてくれた。
もう逃げるのはおしまいだと、米太郎は心に決めた。
「先輩、僕も君を愛してる。だから、僕と、……ずっと一緒にいてください」
まっすぐでひたむきな言葉を受けて、翠子は真っ赤な顔で何度もうなずいた。
米太郎の目が、翠子をとらえて離さなかった。
「う、うん! 私も……! ずっと、この先ずっと一緒にいてほしいよ!」
気持ちを伝えようと決心しながら、これまで翠子は、二人の関係が変わってしまうことを恐れていた。
けれど、はっきりしている自分の気持ちを伝えられずにいることのほうが、よほど怖いと感じていたのだ。
「こめ君、あなたの側にいたい。二人で、支え合っていけるかな……」
翠子は、守られるよりも守りたいし、愛されるより愛したい。
けれど、そんな気持ちも一方通行ではなくて、互いに支え合えるのなら、……まだぴんとこない響きだけれど、それが恋人というものなのかもしれなかった。
大好きな人に愛を告げて、同じ気持ちを返してもらった。
そう実感するにつれて、翠子の頭はくらくらしてきた。
「こめ君……、これまでずっと、ありがとう! こ、これからも、よろしくね!!」
「僕も、ありがとう。先輩、大好き……」
二人は熱のこもった眼差しで、互いの目を見つめあった。
喧騒は遠く、互いの他には何一つ、視界に入ることはない。
つないだ手や眼差しから、言葉にならない感情の隅々まで、伝わればいいと願った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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