あなたの縁、結びます｜リアクション

あなたの縁、結びます

・後木真央の場合（２）

「すぴー……すぴー……むにゃむにゃ……はっ！」
　不意に目が覚めると、真央はすぐに辺りの光景の変化に気付いた。
「し、しまったのだ！」
　慌てて跳ね起きる。周囲は、すでに薄闇に包まれてしまっていた。
「寝落ちしてしまったのだ！　お地蔵様はどうなったのだ！」
　見ると、地蔵には笠がかぶせられており、花も供えられていた。寝ている間に誰かが来たのだ。
「お参りする人を観察しそこねたのだ！　あっ、そういえばさっき会った三人にもチラシを私損ねたのだ！」
　自分としたことがなんたる失敗。でも、まだ望みはある。
　真央が召喚した猫。ちゃんとチラシを渡してくれていれば、後で新聞部に情報が届くかもしれない。
「ね、猫さん、チラシはちゃんと来た人に渡してくれたのだ？　あれれ？　ね、猫さん、どこなのだ！？　猫さ……」
「にゃむにゃむ……」
　ふとかすかな寝息が聞こえて足元を見ると、真央が召喚した三毛猫は地面に横たわって眠りこけていた。そばに置かれたチラシの数は、まるで減っていない。
「だ、大失敗なのだぁー……！」

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あとがき

担当マスター：北見直弥
ファンレターはマスターページから！

皆様、お疲れ様でした。ゲームマスターの北見です。
「あなたの縁、結びます」シナリオ、おかげさまで無事完結することができました。いかがでしたでしょうか？

お地蔵様をめぐる様々な出会い、その中で流れる時間。皆様に、良い形で味わえたと思っていただけたのなら幸いです。
もっと違う出会いを望んでいたのに……という方がいたら、ごめんなさい。
あるいは、こんな行動、心情はしないのに……という方もいたら、本当にごめんなさい。
その思いは、どうぞメッセージとして私にぶつけてください。

最後に改めて、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
次のシナリオでもご縁がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

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