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◯夢の館の続きには
目をつむってしまえば、ほんの少し気を抜けば、自分の身体がバラバラになってしまうんじゃないか。空気の、酸素の粒に混じってどこかに飛んでいってしまうんじゃないか。
雨寺 凛
はそんな不安に襲われる。
「凛さん、」
そんな凛の存在を確かなものにしてくれるのは、アリーセのそのやさしい声だった。ふんわりと舞い降りるその声が、凛の輪郭をなぞり、凛の胸を撫でてくれる。
「……バス、駄目だったんだね」
「ごめんなさい」
バス停のベンチに身を預けて、もうずいぶんと長い時間が経過した。バスを見送ったのは二度、三度ではきかないだろう。
「どのバスも凛さんと同じような方でいっぱいで」
申し訳なさそうにアリーセの大きな目が伏せられた。夜空のような輝く瞳に差した影はほとんど黒に近い色をしていて、見ている凛の胸にまで侵食してくる。
「アリーセちゃんのせいじゃないよ」
その影を振り払うために、凛は精一杯の笑顔を浮かべる。アリーセはそれでも申し訳なさそうに目を伏せたままで、凛は動けない自分がどうしようみなく情けなかった。
「ありがとうございます……でもいつまでもこのままというわけにはいきませんし」
「……うん」
「やっぱりここはお姫様抱っこ……!」
「え!?」
思わぬ展開に素っ頓狂な声が飛び出た。
「任せて下さい」
アリーセは凛を落ち着かせようと思ったのか、伏せた目をしっかりと開いて微笑みかけてくれる。
「わっ、だ、大丈夫?」
けれど、いくら声で強がっていても凛を抱え上げる細腕はぷるぷると震えていて――
「ちょっと厳しかったかな」
凛はすぐにベンチに逆戻りする羽目になった。
「な、なんかごめんね、」
ダイエットとか考えた方がいいのかな、なんてちょっぴり傷ついた凛だったが、よくよく考えなくても痩身のアリーセが、いくら小柄とはいえ同じ年の女性を抱え上げるなんて事自体無理なのだ。
「男の人って凄いのね……」
そう言うアリーセの笑顔は、なにか思うところがあるのか苦笑と一概には言えなようなものだった。
「ごめん、凛さんおんぶでいいかしら?」
「う、うん」
どうしたんだろう。そんな疑問はすぐに気恥ずかしさの奥に追いやられてしまう。
「なんだかちょっと照れるね……」
アリーセの背中は細くて、小さくて、それでも芯の通ったとでもいうのだろうか。きれいな背中だった。アリーセがバレッタで髪をまとめているためよく見えるうなじは、黒い洋服と対照的で真っ白。同性でも、緊張してしまう空気が彼女の背中にはある。
(でも)
漂ってくるのは、somniumの香りと、シャンプーの優しい香り。気恥ずかしさと、安堵と。凛の胸に広がるのはそんな感情だった。
「あのね、凛さん」
辛いだろうに。それでもそんな素振りは微塵も見せず、凛を背負って歩きながらアリーセは口を開いた。
「昔ね、私が怪我したとき、パパがずっとおんぶしてくれてたの」
それは誰もが一度は似たような経験をしただろう。そんな懐かしい家族の話。
「そのときにね、私、言ったの。たしか重たくない? 落とさないでね?……そんなようなことを」
凛は黙って耳を傾ける。
「そうしたらパパ、胸を張って答えてくれたわ。『男には隠れた力、見栄と意地があるから大丈夫だ』」
背負われているため、アリーセの顔は見えない。けれど彼女の表情は背中にもしっかりと伝わってきて――凛にも響いてきた。
「私もちっちゃい頃、歩き疲れたらぐずったなぁ。それでパパにおんぶをおねだりしてたっけ……」
パパのおっきい背中、あったかかったなぁ。
当然のことながら、アリーセの背中の温もりとはまったく違う種類の暖かさだった。
「そう、凛さんもなの……」
アリーセの声色はやさしい。
「じゃあ女の子には、どんな力が隠れてるのかしら?」
そのやさしい声色のまま、アリーセは何気なくそんなことを言った。
(女の子に秘められた力、か……)
凛が考えこむのと同じように、アリーセは言葉に詰まる。きっとなにを言いたいのか、それをなんと言えばいいのか、じっくりと考えているのだろう。だからこそ凛も真剣に言葉を紡ぐ。
「アリーセちゃんの場合はさ」
今まで重たかった口が、滑らかになる。
「こうやって私のことを助けようとしてくれる……『優しさ』が、力なんじゃないかなぁ?」
そして言い終わると。
背負われる立場にありながら、その時、アリーセの背中がすぅっと軽くなったような気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月21日
参加申し込みの期限
2014年07月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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