あ　そ　ぼ　？｜リアクション

あ　そ　ぼ　？

　気が付くと、屋敷にいた20人全員は、古ぼけたミニシアターにいた。
　自分たちが出演した短編ホラー映画の試写会途中、あまりのリアリティに自分がその場にいる様な錯覚をしていた。
　エンドロールが終わると、20人は席を立つ。
　彼らは口々に、映画への感想を述べだした。

　すごかった、生々しかった、と絶賛する者。
　火事の話は聞いてなかったと愚痴る者。
　みんな演技が上手だった、と感心する者。
　まぁ、様々いたけれど。

　なぜか、この映画の撮影当時の記憶が、全員すっぽ抜けていることに疑問を抱かないのであった。

　フツウならば誰か１人、気が付いていいはずなのだ。
　おかしい！　ありえない!!
　間違いなく、たぶん、彼らは別の世界軸で凄惨な目に遭っているのだ。
　では、ここにいる彼らは、どうして五体満足でいられるのかって？

　あれ？　もしかして気付いちゃった？

　だって、このミニシアター自体が、

　この世のもんじゃぁ、ないからだよ。

　――また、あそぼうね？

　――うふふふふ……、あっははははは……！

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あとがき

担当マスター：焼きスルメ
ファンレターはマスターページから！

ごきげんよう、這い寄る乾物こと焼きスルメです。
ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

◆結局どういう結末？
この物語は、真夏の夜の悪夢だと思っていただいて結構です。
幽体離脱に近い現象がPCの皆様に発生、精神だけこの世ならざる場所へ踏み入れてしまったわけです。
館内で死亡しても、『ゲーム』に皆様が勝利した特典で全員復活しています。
現実世界では30分ほど気絶してたくらいで済みますのでご安心下さい。
（ただし、なんか頭が痛い、妙にあのシーンだけは覚えてる、などと自由に設定していただいて構いません）
自己PCの掘り下げや、「あの人、夢であったような？」というきっかけに使ってもエニシングオーケーです。

◆リアクション内の死傷について
死は平等です。人間、誰でも死にます。
アクションで「死にたくない」と書かれていても、付け入る隙があれば重傷ないし死亡と判断しております。
一切優遇しませんので、あしからず。
生存希望の一文を添えただけで生存するようでは、死傷の判定にMSは不要です。
純粋にアクションの内容で「隙があるか、ないか」を判断させていただいた結果です。
故に、全員負傷ないし全滅の可能性だって否定できないシナリオでした。

◆全体的な傾向について
脱出：討伐＝４：６ほどの比率でした。
皆さん、とても勇敢でした。
ただ、呪符を手に取る際に、心情アクションがない方は失敗しております。
ガイドでも「人形に戻したくなる衝動」があると書いております。
このあたりで討伐の成否の明暗が分かれたのではないでしょうか。
しかし、例え心情アクションが強力でも、所持を続ければ呪われるのは必然。
自我があろうがなかろうが、その行動は亡者たちの傀儡に成り下がるほかありませんでした。

また、館に火が放たれた影響で、難易度に影響が出ています。
（手強い　→　難しい　へ上昇）
猫のぬいぐるみが捕食されたことも、のちのちの行動に変化が生まれています。
（特に猫に遭遇する予定だった人は、対策が通じない場合もありました）
指定したターンの行動のアドリブは、そういう兼ね合いだとご理解いただければ幸いです。

◆最後に
これを書いていた夜中の３時頃、風や地震があったわけでもないのに、
本棚のひと棚から数冊、いきなり本が飛び出してきました。
あれはなんだったのでしょうか……？

ともあれ、このリアクションを読んで真夜中に行くトイレを少しでも躊躇する人がいたらいいなぁ。
そんなことを思って執筆したホラーシナリオでした。

感想、叱咤激励などはコメントページ、またはダイアリーにお気軽にお寄せ下さい。
乾物は皆様の声を励みにして執筆しております。
（不明な点は問い合わせフォームからお願い致します）
友達設定の更新もお忘れなく。

それでは、また次のシナリオでお会いしましょう。
焼きスルメでした。

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