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今宵の夢を召し上がれ
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佐藤 タカシ
は白い影のようだった。白い無地のTシャツに同色のスラックスを穿いて、白っぽいスニーカーで街中をひっそりと歩く。
目的がないのか。交差点では決まって迷子の状態となり、青信号に吸い寄せられるようにして進んだ。
日曜日の街はとても静かであった。歩いている人がいない。信号機は動いていても肝心の車が走っていなかった。街並みに特段の変化は見られないが、どこか現実離れした感を受ける。
「……夢なのか?」
タカシは目に付いた駄菓子屋に入ってみた。棚に細々とした駄菓子が並んでいる。壺の形をした透明な容器には紙のように薄い串カツがぎっしりと収まっていた。奥で店番をしていたふくよかな女性が、いらっしゃい、と声を掛けてきた。
軽く頭を下げたタカシは冷蔵ショーケースから缶ジュースを取り出した。丁度の金額を払って帰り際に、ありがとう、と声に出して言った。
ジュースを飲みながら通りを歩いていると、一匹のトラ猫を見かけた。赤い郵便ポストの上に陣取って頻りに前脚で顔を撫でていた。
タカシはそっと近づいて顔を寄せる。
「可愛い」
トラ猫はタカシに気付いて動きを止めた。じっと見つめたあと、徐にポストから飛び降りた。間延びした声で鳴いてタカシの脛の辺りに頬を押し当てる。手を伸ばすと、するりと躱されて狭い路地に入っていった。
「気紛れだね」
タカシは思ったことを口にした。視線を広い範囲に向けると、一人の人物が目に留まった。
紫紺の甚平に身を包んだ
骨削 瓢
が車道の中央を陽気に歩いていた。まともに正面を見ることなく、千鳥足にも似た足取りで近づいてくる。タカシは歩道から身を乗り出した。
「車道を歩いて危なくないのかい?」
「こりゃ、驚いた。夢の中でクラスメートの佐藤はん」
驚いた様子を微塵も見せず、瓢は軽い雪駄の音をさせてやってきた。
「さっきの話だけどねぇ、車の走らない道路は広い歩道と同じだよぃ。歩き易くて気持ちがいいってもんでさぁ」
「そういう考え方もあるのか。それできみは夢で何をするつもりなんだ」
「目的は特にないねぇ。夢とは深層意識の表れ。あっしが身近にあるものを、どんな風に解釈しているのかを勝手に見せていくだけさ。フツウのようでフツウでない寝子島の歪み加減が愉快な喜劇に仕上げてくれるはずだよぃ」
瓢は両手を広げて見せた。
「ぼくは夢の中だから話ができる。あとに残る面倒がないからね」
「旅の恥はなんとやらと同じで、夢の恥は掻き捨てってことだねぇ。おっと、話し込んでる間に何か混沌の音が聞こえてきたねぇ」
瓢は耳に手を当てて聞き取った方向に走り出した。佐藤はん、という声に急かされてタカシも後を追い掛けた。
十字路の右を曲がったところで二人は立ち止まった。瓢はにんまりと笑ってガードレールに腰を下ろした。最高の見物席と言わんばかりにタカシに隣を勧める。
あれは? とタカシは少し緊張した声で囁いた。隣では瓢が堪え切れずに笑い声を上げた。
「あっしを取り巻く日常が、混沌という最上の喜劇になって練り歩いてるんでさー。寝子島版百鬼夜行のおなーりー」
瓢は手を叩いて右手からくる行列を迎えた。
三次元のスーツを着た二次元の魚拓が極端な撫で肩で風を切って歩いた。
顔色の悪い蜘蛛が臆病な様子で付き従う。
「女、怖い。童貞じゃねえ。女、怖い。童貞じゃねえ」
その隣では義足が単独で跳ねていた。重々しい愛の言葉を呪詛のように垂れ流している。
「美味い、最高。豆腐、美味い」
皿に乗った豆腐を座敷童が歩きながら箸で掻き込む。無くなればどこからともなく追加され、無心で豆腐を貪った。
リーゼントはブッシュドノエル。耳や鼻は焼き菓子の不良が丸いボタンの目を方々に向けながら歩いていた。
目の前に差し掛かった時、タカシは大きく息を吸い込んだ。
「甘い匂いがするね」
「甘くておかしく滑稽で、実にあっしらしい島民の見え方だねぇ」
蹄の音が近づいてきた。突然、一角獣が眩い光を全身から放ち、二人は反射的に瞼を閉じた。
視界が改善される頃、二人の前を耳栓以外に特徴のないナマケモノがのろのろと横切った。
続いて大柄の熊がやってきた。人間と同じ二足歩行で呟いた。
「……完全に迷った」
落ち着きを欠いた動作で通り過ぎていく。
最後は鴨がペタペタと歩いてきた。ネギは背負っておらず、マイクを羽に包むようにして美声を披露した。
「上手に歌えているね」
「締めは鴨のアイドルかい? 誰が誰やら~」
見世物は終わったという態度で瓢がガードレールから、ひょいと降りた。そこに地響きが聞こえてきた。
左斜め上の車道から動物の群れが現れた。先頭をいく象の背には修が乗っていた。二人の姿に気付くと、片手を上げて叫んだ。
「皆、止まってくれ!」
動物達が整然と動きを止めた。タカシは動物達の様子を感心したような目で眺めた。
「一斉に止まった。まるで人間の言葉がわかるみたいだ」
「この世界ならわかるんだよねぇ。これがおたくの深層意識なのかい?」
瓢は象に跨っている修に如何にも楽しげに話し掛けた。
「それはわからないが、現状を楽しんでいるのは確かだな。これから皆を引き連れて海に行くのだが、よかったら君達も一緒に来ないか」
「こんなとんでもないお祭り騒ぎ――」
神妙な顔で言葉を切った瓢が笑みを深くした。
「あっしは嫌いじゃないよぃ。どうせなら動物の背中に乗って移動したいもんだねぇ」
「ぼくもお願いしていいかな」
「ああ、頼んでみるよ」
修は上体を捻って動物達に事情を説明した。黒豹が金色の双眸で吠えた。巨大な白熊が立ち上がる。その横ではゴリラが鋭い歯を剥き出しにした。
タカシは強張った表情で瓢の側に寄った。
「この話し合い。かなり迫力があるんだけど、どう思う?」
「そうだねぇ。手足を噛み千切られるよりは、一思いに頭から食われたいねぇ」
「そんな話なの? 冗談だよね」
「悪い冗談だ」
修は苦笑いを浮かべて言った。
その後、二人は好きな動物の背に乗った。タカシは肉食獣を避けてカバを選んだ。瓢は雄々しい鬣のライオンに遠慮なく跨った。
目で確認した修が動物達に向けて声を張り上げる。
「海の到着は昼頃だと思う。食料は海の家で調達するから安心して欲しい」
「イキの良い食料は砂浜を元気に走り回っていると思うがねぇ」
「それこそ、悪い冗談だ」
修と瓢は顔を見合わせて笑った。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月08日
参加申し込みの期限
2014年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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