this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
今宵の夢を召し上がれ
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
がらんとしたアパートの一室。窓は開け放たれ、遠慮のない潮風が吹き込む。壁際に両足を投げ出した格好で座っていた
オーマ・トンノ
の赤茶けた長い髪を揺らした。断続的に押し寄せる風は小波のようだった。
変化に乏しい時間の中でオーマの頭が微かに上下する。ジーンズを穿いた片脚が胸元に引き寄せられ、ゆっくりと倒れ込むように膝の上に額を乗せた。
一切の寝息を漏らすことなく、オーマは彫像と化した。
旧市街だろうか。周囲には古い建物が目立つ。その一店舗の前にオーマは立っていた。驚いた表情は微塵も見せず、鋭い視線を上に向けた。過ぎ去った年月を感じさせるビニールの庇に『スーパー』の文字が見て取れた。
視線は自身の服装に移る。丈の短いデニムジャケットの中には白い半袖のブラウスを着ていた。掠れた青色のジーンズに茶色のショートブーツの取り合わせは悪くない。手にはメモ帳の切れ端が握られていて文面に目が留まる。
『ジャガイモとニンジンは大きめ。肉はあったら豚肉。カレー粉は中辛で』
特徴のある文字を読み終えると、オーマは被っていた紫紺の帽子の鍔を摘まんで顔を隠すように下げた。敵地に乗り込むような厳しい表情で自動ドアを潜った。
出入り口付近に積み上げられた買い物カゴの一つを引っ掴み、オーマは主婦層で賑わう野菜コーナーに足を踏み入れた。一際、高い位置からジャガイモやニンジンを狙い撃ちにした。見かけた大ぶりのタマネギは数瞬の間を空けてカゴに放り込んだ。
中辛のカレー粉は歩きながら手に取り、躍動する肉体は精肉コーナーで停滞を余儀なくされた。豚肉の棚が空になっていた。鶏肉と牛肉は結構な数が残っている。特売品の折り込みチラシでも入っていたのだろうか。
オーマは空になった棚を黙って見下ろす。横から細い手が伸びてきた。小さな女の子が棚に頭を突っ込んで一つのトレイを取り出した。
「はい、どうぞ」
オーマが受け取ると、女の子はスカートの裾を翻して笑顔で走っていった。
横目で見送ったあと、改めてトレイの中身に目を落とす。豚の角煮等に使われる三枚肉の塊であった。それをカゴの中に収めると、オーマは帽子の鍔を下から親指で軽く弾いた。
露わになった顔でレジへと向かった。
自室で仰向けに寝ていた
刻人・F・ミセリア
がゆっくりと瞼を開けた。上半身を少し起こして、ふっと力を抜いて倒れた。
「着替えるのを忘れたなあ」
黒いポロシャツに茶色のチノパンという服装であった。
刻人は天井にぼんやりとした視線を向ける。右手が枕元に置いてあったケータイを掴み取り、顔の前に持ってきた。デジタルの数字は午前を伝える。
「大学の講義はないし、仕事もないんだよね」
ケータイを握ったまま、刻人は瞼を閉じた。
規則正しい寝息が部屋の中に満ちていった。
目覚まし時計の代わりにチャイムが鳴った。眠りから起こされた刻人は、はいはい、と玄関に急ぐ。
ドアを開けると、そこには艶やかな花柄のチュニックを着たオーマが立っていた。買い物帰りなのか。膨らんだビニール袋を両手に提げていた。
「こんなことって現実では有り得ないよね」
刻人は笑いながらオーマの口元を見た。しっかりと結ばれて寡黙を通した。
「こんなところはオーマらしいね。まあ、せっかく来たんだから上がりなよ」
命令を待っていたかのようにオーマは無言で部屋に入った。足を止めずにキッチンに立ち入り、シンク横に袋の中身をぶちまけた。
後ろから付いてきた刻人が材料に目をやる。
「もしかしてカレーでも作るの?」
タマネギやジャガイモに混ざってカレー粉が見えた。スパイス系の調味料まで用意されていた。
「コンロの上にあるのは寸胴? 真新しいレンジがあるし、簡易ガスコンロまであるじゃないか。僕は買ってないのに、さすがは夢だなあ」
刻人の感心を余所にオーマは調理を始めた。寸胴にバターの欠片を落とし、熱で溶ける合間に俎板の野菜を包丁で手際よく刻んでいく。
後ろから寸胴を覗き込む姿で刻人は言った。
「カレーには牛肉が定番だけど、僕は豚肉を入れたカレーの方が好きなんだよね」
寸胴に野菜を入れて木べらで混ぜながら、オーマは包丁の尖端に突き刺した豚肉を刻人の眼前に突き付けた。
「用意してたんだね、ありがとう。これ以上、お喋りを続けると僕が料理されそうだから、アイスティーでも作ってるよ。こんなところにアールグレイの缶もあるし」
見つけた缶を振りながら刻人は朗らかな笑みを浮かべた。
部屋の中央のテーブルで刻人とオーマは向かい合って座る。各々の前にはコップに注がれた琥珀色のアイスティーと皿に盛られたカレーが置かれた。
刻人はカレーの皿に覆い被さるようにして大きく息を吸った。
「スパイシーでいて、濃厚な香りが本物そっくりだね。食べたら味までするのかな」
鼻で十分に味わってから顔を上げると、少し驚いた表情でオーマに目をやる。
「いつのまに着替えたの? デニムのジャケットに白いブラウスになってるよ。これも夢の影響なのかな」
指摘されたオーマは視線を方々に飛ばして立ち上がった。大股で窓に近づき、鋭い視線を外に向けた。
「オーマ、僕は先に食べてるよ。カレーの匂いだけじゃ、がまんできないよ」
いただきます、と手を合わせた刻人は手前のスプーンを手にした。白と茶色の境界を掬って口に運ぶと、笑みが零れた。
「豚肉が口の中でプルプルだよ。甘いコクが辛さに変わる瞬間が最高だね」
オーマは窓から離れ、元の位置に座り直した。手前に置かれたカレーをじっと見つめる。
その時、刻人が短い声を漏らした。オーマの視線が僅かに上がった。
「夢の中でさ、食べたりするのは縁起が悪いんじゃなかったっけ?」
オーマは口を閉ざしたまま、再びカレーに視線を落とした。
刻人は瞼を開けた。天井を目にした瞬間、起き上がって周囲を見やる。
「無事に夢から覚めたみたいだね」
ほっとした声で息を吐き、自身の服装に気が付いた。白いランニングシャツに薄緑のズボンを穿いていた。
「朝の服じゃないってことは……あれも夢なのかな?」
窓は黒い鏡のようになっていて一目で夜だとわかる。刻人は急に空腹を覚えた。早速、ケータイに文字を打ち込んだ。
『こんな時間に悪いんだけど、これから僕の家に来てカレーを作ってよ』
満足した表情でオーマにメールを送信した。数十秒で返信があり、軽やかな指の動きで画面に文字が表示された。
『それは契約外』
文面を見た途端、腹部が切ない声で鳴く。
「夢で食べたカレーは中辛なのに、コメントだけは辛口だね」
弱々しい笑みを浮かべて刻人はキッチンへと歩いていった。
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
今宵の夢を召し上がれ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月08日
参加申し込みの期限
2014年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!