【結果発っ表！！！！】

　どんどん、ぱぱん！　どぱぱぱぱーん！！
　一日を経て再び打ち鳴らされる白い花火は、祭りの終わりを告げる合図。
　審査のために設けられた短い時間を、観客たちは、そして参加者たちは、どんな気持ちで待っていたことでしょう。
　コンテストは今、ここに……クライマックスを迎えます！



「おっまたせーっ、しましたーっ！　『第３４回　寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト』の結果発表、そして受賞式を行いまーす！」
　再びステージへ姿を現した、ハルさんこと司会者の坂井 晴香。
　次いでやってきた、主催者の中沢 リッカルド町長、実行委員長である寝子 サンマさん、そして初代ビーチ☆スターこと白沢 絢子先生が、ずらりと壇上へ勢ぞろい。
　全員で一礼してから、リッカルド町長がマイクを受け取ると、
「皆様、お疲れ様でした。全ての審査結果が出揃いましたので、順次発表をして参りたいと思います。……今回は、前年にも増して本当に素晴らしい参加者さんに恵まれ、審査は実に難航しました。私としましては、どなたも甲乙つけがたく、いっそ全員に何らかの賞を差し上げては！　という素晴らしい案も実行委員からは飛び出したものの、そこは水着コンテスト。涙を呑んで却下させていただいた次第です」
　審査タイムの間にも色々あったようですが、ここではそのあたりは割愛しまして。
　続いてマイクはサンマさんへと渡り、
「代わりと言っちゃあ何だが、今回は特別賞を大幅増量！　加えて、審査員賞なんてものまで新設してみたぜ。さーて、それじゃ発表していくとするか！」
　サンマさんに促されて、マイクを手にした白沢先生が、にっこり。
「はい、それでは結果発表です～♪」
　明るい声は少々間延びしておりましたが、会場へ、ぴりりと走る緊張感。
　さあ。まずは、常設賞からの発表です！

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◇◆ビーチ☆プリンセス賞◆◇
●エントリーNo.37───桃川 圭花さん！
「ありがとう、でもまだまだ！　私は立ち止まらないわよ！」「凛とした佇まい、圧巻のパフォーマンス。高みを目指すその信念に、敬意を表します。頑張ってください、私も応援していますよ」

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◇◆ビーチ☆プリンス賞◆◇
●エントリーNo.24───伊織 源一さん！
「……本当に、俺は何をしているんだ……」「鍛え抜かれたド迫力の肉体！　惚れ惚れするほど研ぎ澄まされた技！　お見事だったぜ！」

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◇◆ビーチ☆カップル賞◆◇
●エントリーNo.04───鬼崎 つくしさん！
●エントリーNo.05───矢萩 槇さん！
「やったね、つくしちゃん！　お姉ちゃん、みんなー、見てるー！？」
（お姉ちゃん……お兄ちゃんも、見てくれてるかな……？）「背の高さはでこぼこでも、とっても仲良しなお友達同士。これからも、末永くずっと良いお友達でいられたら、素敵よね！」

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◇◆ビーチ☆アスリート賞◆◇
●エントリーNo.08───鏡箕 萌さん！
「えーっ、あたし！？　ありがと……でも、ほんとにあたしなんか見て、楽しいの？」「スポーティな水着に、健康的な肌のコントラストが眩しい鏡箕さん。これぞまさに、アスリートの水着姿！　と言えましょう」

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◇◆ビーチ☆キャット賞◆◇
●エントリーNo.17───神薙 焔さん！
「ネコミミシッポをつけてもらったおかげね、ありがとう♪」「浜辺の猫さんは、とってもチャーミング。似合ってたわよ！　ネコネコダンスも可愛らしかったわね」

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◇◆ビーチ☆ドレッサー賞◆◇
●エントリーNo.52───志波 拓郎さん！
「……お、俺が……賞を……！？」
「やったね、拓郎！　おめでとう♪」「運動能力はもちろん、水着とパーカーのナイスな組み合わせが目を引いたぜ。彼女と仲良くなッ！」

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◇◆ビーチ☆ファニー賞◆◇
●エントリーNo.38───新井 すばるさん！
●エントリーNo.39───神野 美野梨さん！
「神野さんのセクシーさ、ちくわくんの愛らしさの勝利だね！」
「恥ずかしい……けど、頑張った甲斐があったかしら」「水着に、ちくわ！　かつてこの二者を組み合わせようという者があったでしょうか？　まさにファニー賞にふさわしいアイディア、そして完成度でした」

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◇◆ビーチ☆セクシー賞◆◇
●エントリーNo.40───夕鈴 翼さん！「ふふっ。お兄さんたち、ボクにドキッとしちゃいましたか？」「トランジスタグラマーっていうのかしら？　とっても可愛らしい表情とのギャップには、うふふ。男の人は、イチコロよね！」

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　続いて、突発的に新設される、特別賞の発表っ。
　今年は選出者大増量でお届けします！

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◇◆ビーチ☆アクロバティック賞◆◇
●エントリーNo.22───北 玄さん！
「I'm backですよ！　でも、僕は北なんとかじゃなくて角端(ジャオドゥァン)ですよ！」
「おめでとうございます、玄さん」「すごい運動神経だったよな！　多彩な技も圧巻だったぜ、こりゃあもう、アクロバティック賞を作るしかねえ！　ってことで、お見事だぜ！」

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◇◆ビーチ☆パフォーマー賞◆◇
●エントリーNo.28───天満 七星さん！
●エントリーNo.29───夢宮 瑠奈さん！
「やりましたわね！　瑠奈さんのおかげですわ！」
「ううん、ななちゃんと一緒、二人で頑張ったからだよ！」「美しい舞と、心に響く歌のコラボレーション。そのどちらからも、私は『本物』を感じました。本当に素晴らしいパフォーマンスでしたよ」

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◇◆ビーチ☆フンドシスト賞◆◇
●エントリーNo.34───御剣 刀さん！
●エントリーNo.35───逆巻 天野さん！
「やったぞ逆巻、食い放題ゲットだ！　あれ？　違うの？」
「……………………（ばたーん！）」「褌スタイルの出場者さんの中でも、その迫力が好評だったみたい。それにしても、二人ともとっても似合ってて、先生びっくりしちゃったわ。クラスの皆にも、教えてあげなきゃね♪」

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◇◆ビーチ☆ブラジリアン賞◆◇
●エントリーNo.42───ルーシー・R・マクミランさん！

「うむ、我のブラジル水着姿はこの世の至宝であるし、当然であろうな♪」
●エントリーNo.43───矢萩 咲さん！
「あああ、またこんな恥辱を……咲は、咲は……ッ！」「素晴らしきプロポーション、惜しげもなくさらした美しき肢体。それ以外にもはや、野暮な言葉は必要無いでしょう！」

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◇◆ビーチ☆ロッカー賞◆◇
●エントリーNo.51───雨寺 凛さん！
「やったね！　楽しかったよ、みんなありがとー！」「唸るエアギター、アツいロック魂！　燃え上がるようなステージに、思わず興奮しちまったぜ！」

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◇◆ビーチ☆エンジェル賞＆ビーチ☆エスコート賞◆◇
●エントリーNo.30───橘 明里さん！
●エントリーNo.21───八十八旗 信彦さん！
「ほぇ？　なんで明里は、また運ばれてるなの？」
「天使だからさ！」「橘さんの可憐さはまさに、海辺の天使。満場一致でのエンジェル賞新設でした。八十八旗さんのエスコート賞には、多くの魅力的な女性をステージへ導いてくれたことへの、私の感謝を込めて」

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◇◆ビーチ☆ユニゾン賞◆◇
●エントリーNo.59───市橋 奏楽さん！
●エントリーNo.60───市橋 誉さん！
「今日は、良い日だ。来てよかったな、誉」
「……ああ。演奏、楽しかったな、奏楽」「ご兄弟どころか、まるで双子みたいに息が合ってたわね！　ジャズピアノの音色も、何だかじんと来てしまって。とっても素敵なステージでした。お揃いの水着も、似合ってたわよ？」

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　続いては、各審査員が独断と偏見で選び出す、審査員賞の発表！

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◇◆中沢 リッカルド賞◆◇
●エントリーNo.01───城山 水樹さん！
「驚かないわ、自分のことは良く分かっているから。
……でも、ありがとう。嬉しいわ」「トップバッターを飾ってくださった城山さん。これぞまさに、正統派水着美女！　その後のコンテストの流れを作っていただいた城山さんに、私からリッカルド賞を贈らせていただきます」

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◇◆寝子 サンマ賞◆◇
●エントリーNo.56───雨崎 荒太郎さん！
「やったよーっ、かなたーんっ！！」
「さっすが、うちのこーたん！　カッコええよー♪」「やっぱり愛だよな、愛！　これ以上にアツいもんはないよなっ。二人の前途を祝して、俺からサンマ賞を贈らせてもらうぜ。末永く幸せにな！」

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◇◆白沢 絢子賞◆◇
●エントリーNo.33───畑中 華菜子さん！
「やっぱり、ラーメンに不可能は無かったアル！？」「白沢賞は、畑中さんに贈らせていただきます～。だってね、さっきから、あの歌が頭から離れないの。ラーメンです♪　ラーメンです♪　今日の晩御飯は、ラーメンにしようかしら。うふふっ」

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「受賞者の皆さん、おめでとうございますーっ！　さあさあさあ！　最後はいよいよ！　最優秀賞の発表っ！　サンマさん、お願いしまーーーすっ！！」
　実行委員長、サンマさんが一歩、ずいと前へ進み出ると。
　短い手に握ったマイク、拳にも力が入る彼の口から。
「……『第３４回　寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト』、最優秀賞！　３４代目の寝子ヶ浜ビーチ☆スター、その栄誉に輝いたのは……！」
　紡がれる、その名前とは……！
「寝子ヶ浜ビーチで最も輝きを放つ一番星は、この人だーーーーーーっ！！」
　ドラムロール、スタート！　だららららららら…………。

















　…………らららららら…………


















　…………らららららら、じゃかじゃん！！



◇◆◇◆◇◆第３４代　寝子ヶ浜ビーチ☆スター◆◇◆◇◆◇
●エントリーNo.44───哀坂 子夜さん！！！！
「……私、が……？　よく、解らない……けれど……。
……ありがとう。と、言っておくべき……かな」「完璧なスタイル。神秘的なまでに荘厳な、和の佇まい。洗練された殺陣のパフォーマンス。
　全身の傷痕はもはや、哀坂さんの美を引き立てるものに過ぎず……これこそが、彼女自身の姿。全てを含めた上で、哀坂 子夜という女性の誇るべき、この美しさであるのだと！　我々は考えるのです。
　哀坂さんには応援メッセージも多く寄せられ、堂々の受賞となりました。おめでとうございます！！」



「Congratulationッ！！　というわけでー、今年のビーチ☆スター賞は、哀坂 子夜さん！　となりましたー。哀坂さんには、賞状、トロフィー、そして副賞の『サンマさんフィギュア』が贈られまーす、おめでとうございましたーっ！
　今年はほんとにもーっレベルが高い！　ってことで各賞ともに、審査員の皆さんも、随分悩みながらの選定だったみたいだけど。皆には予想通りだったかな？　それとも意外な受賞だったかな？
　でもねえ、お姉さんは思うんだ。今日、このステージへ上がってくれた皆は、誰もが輝いてたって！
　水着に身を包み、ひとたび浜辺に降り立てば、誰もが誰かにとってのビーチ☆スター！
　ってなところで、今年のビーチ☆スターコンテストを締めくくらせていただきます。皆様、お付き合いどうもありがとうございましたっ！　楽しんでくれてたらコレ幸いってことで、また来年のコンテストでお会いしましょー！　See you again♪」
　ぶんぶん、力の限りに手を振るハルさん。再び一礼して去っていく、審査員たち。
　今年も様々なドラマが産まれた、このステージ。
　次にここへ立ち、ひときわまぶしい輝きを放つのは……あなたかもしれません！