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夏のマヨイガ
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・
呉井 陽太
の場合
物置のような、大小の箱が乱雑に置かれた部屋の中で、
呉井 陽太
は物思いにふけっていた。
「噂に聞いたマヨイガに迷い込んだのはいいとして、どうすっかなぁー……。噂が本当なら欲しい物が手に入るんだろうけど、特に何も思いつかないしなぁー」
粘土細工や陶芸の道具も間に合っているし、身の回りの物も特に不足はしていない。ここで目が覚めてから10分ほど考え続けているが、なかなかこれといったものが浮かばない。
「……まあ、とりあえず屋敷の中を調べてみよっか。こんな古い屋敷に来れるなんてそうそうないだろうから、できれば成り立ちとか誰が住んでたのかとか知りたいし。そういう資料が集められた書庫みたいな場所があるんかねぃ?」
とりあえずはそこを目指そうか、と空箱に腰掛けていた体を立ち上がらせる。それから部屋を出て、その先にあった木張りの廊下を歩いた。
「おっ、床に行燈が置かれてる。風情があるねぃ。現代の家では味わえない感覚だ」
行燈の灯りを頼りに、廊下を進んでいく。途中に扉を見つけるたびに開けてみて中を調べてみたが、書庫らしき部屋は見つからなかった。
それでも、やがて調べた部屋数が5つ目を数えた頃。
「おっ、ここは」
扉を開けた先に、本棚がたくさん並べられていた。どうやら、お目当ての場所にたどり着けたようだ。
しかし、そこにある書物を片っ端に調べてみても、わかることはほぼなかった。どれも現代人が簡単に読める文字ではなく、しかも染みやらなんやらで汚れてしまっているので解読は至難だ。
「どれも読めないなぁ……。あっ、これ屋敷の見取り図っぽい。これなら文字が分からなくてもそれなりに読めそう。おぉ……やっぱ相当広いな、この屋敷。あれ、これって……?」
ふと、ある一つの文字に目が留まった。その文字は見取り図の隅の方に書かれていて。
「これ、読みにくいけど牢って読める気がするねぇ……。まさか……牢屋? いや、こんなところに本格的な牢屋があるわけないし……じゃあいわゆる座敷牢ってやつかね? うわぁ……この家、そんなものまであるのん?」
座敷牢とは、つまりは人を軟禁または監禁する施設のことだ。まあ、さすがにもう誰か閉じ込められてたりはしてないだろうけど。……してないよね?
「なんか急に気になってきたなぁ……。万が一、誰かが閉じ込められてたりしたら。うーん……ちょっと心配だし、一応、座敷牢の様子を見に行ってみるかぁ」
そう決めて、見取り図を本棚にしまう。その拍子に、何かが本の隙間から落ちた。
「うん……? これって……鍵?」
・
深縹 露草
の場合
「イヤハヤ……この屋敷に関しての噂はバイト先で耳にしマーシタが。まさか、自分が来ることになるとは……」
屋敷の入口そば。そこで、夜の闇に浮かぶ古く大きな屋敷を見上げながら、
深縹 露草
はつぶやいた。
噂に聞いた欲しい物が手に入る屋敷。おそらく、ここはその屋敷に違いなかった。正直、戸惑いは大きい。しかし、同時にワクワク感も湧いてきていた。
「驚きはタタあれど……これは願ってもないことデス。まさに古き良き日本家屋を見て回る良い機会。ちょうど欲しい物もありますし……よし、いざ張り切って探索デース!」
ワクワクを言葉にして、露草は勇んで屋敷の中へと足を踏み入れた。
「オォ……床も壁も天井もすべて木張り……! そして並ぶ行燈……! これこそまさに和の風景デス。絵か写真に収めたいくらいデスネェ……」
そんな言葉をつぶやきながら玄関から廊下へと進み、最初に行きあった扉を開ける。そこは、物置のような部屋だった。
「箱がいっぱい置いてありますネ……どうやら使わない物をしまっておく部屋のよう……はっ! あ、あれはマサカ……!」
部屋の隅、そこにあった物に目を止めた瞬間、思わず心が躍る。
「Wao、これは日本刀デース! しかも真剣……! 素晴らしく綺麗デスネ、うっとりしマー…はっ!?」
そこで、露草は自らの過ちに気付いた。これまでの自分の言動に関しての失敗を。
「いけないいけない……。そういえば、つい素の口調が出てしまっていましたね。興奮していたとはいえ、私としたことが……」
コホン、と小さく咳払いをする。それから、刀を元の位置に戻した。
「ではそろそろ、本気で探すとしましょうかね。しかし、ここは少し薄暗い……。そうだ、たしかポケットに手帳とペンがあるはず……」
いつも眠る時は寝衣に着替えているのに、今の自分は普段着を身にまとっている。
もしかしたらこの夢の中では、自分が普段、最も着る機会の多い服をまとった姿が反映されるのかもしれない。それだけではなく、普段持ち歩いている物もちゃんと身に着けている。
どういう理屈なのかはわからないが、まあ夢なので深く考えることもないだろう。
「ありましたね。それでは……」
手帳に、『灯』を模した紋章を記す。それから、心の中で強く念じた。
(私の両手の甲よ……光れ!)
心で言葉を唱える。すると両手に、手帳に描いたのと同じ紋章が光とともに現れ、辺りを明るく照らした。
しかし、その明るさの中で部屋を見回しても目当ての物はないようだった。
「……ただどこかに置かれているわけではなく、箱に入っていたりするのでしょうか? だとしたら時間がかかりそうですが……まあ文句を言っても仕方ありませんね」
たくさんある箱の一つに手を伸ばす。ふたを開けて、でも中には何も入っていなかった。
それからも箱を開け続けて、二つ目の箱には古い着物が入っていたが、次はまた空箱。その次も空だった。その次は、再び着物。
それから五つ目の箱に手をかけ、開く。しかし何も見えずまた空……と思ったが、違った。
「おや、底に何かありますね。なんでしょう?」
手を近付けて、底を照らしてみる。
「Whoo!」
その瞬間、思わず大きな声が出た。そこに照らし出されたのは、高級で知られる有名メーカの色鉛筆セットだったから。
「こ、これはまさに私が欲しかった油性色鉛筆120色セット! まさかこんなにあっさり手に入るなんて! 感激デース! これをこのまま持ち続けていれば、目覚めた時に枕元に置かれているはず! 私はなんというラッキーボーイなのでしょう。今から使う時が楽しみデース!」
「あはは、ずいぶんと嬉しそうだね」
「!」
いきなり後ろから声がして、思わず体がびくりと跳ねる。
慌てて振り返ると、一人の少年が立っていた。オレンジがかった金髪の、眼鏡をかけた目の細い少年。
「いや、驚かしてごめんねぃ。人の声が聞こえて、覗いてみたらずいぶんとはしゃいでたもんで、つい声をかけちまった」
「な、何を……私は別に、それほど喜んではいませんよ」
「そう? まあいいや。もしかして、オレと同じこの夢に迷い込んだ人ですかね?」
「同じ……では、あなたも眠りの中でこの屋敷の夢を見て?」
「そうそう。別に欲しい物はないんだけど、どうしてか誘われちまったみたいで。どうやらそっちは、俺とは違って欲しい物を手に入れたみたいですねぃ」
「ええ、見つけられました。この色鉛筆セットを」
「そりゃあよかった。じゃあ、目的は達成ってわけだ。なら、ちょいとオレに付き合ってくれませんかねぃ? これから少しいわくつきのとこに行くんで、同行者がいたほうが何かと心強くて」
「いわくつきのところ?」
「この屋敷には、座敷牢があるみたいで。万が一、そこに誰か閉じ込められてたらまずい展開なんて、いっちょ調べに行こうと思ってるんですよ」
「座敷牢……そんなものが」
「どうです? 俺に付き合ってくれます?」
少し考えて、しかしそれほど迷いはしなかった。夢の中で出会ったのも何かの縁。ここは協力してあげるべきだろう。
「わかりました。そういうことなら同行させていただきます」
「そいつはよかった。オレは
呉井 陽太
。寝子島高校の2年です」
「私は
深縹 露草
といいます。しがないフリーターをやっています。19です」
「よろしくお願いしますねぃ、深縹さん」
「こちらこそよろしくお願いします」
言いながら小さく笑いかけると、
呉井 陽太
という少年も、露草を見ながら微笑みを浮かべた。
・
桃川 圭花
の場合
「いやぁ……まいったわね、こりゃ」
扉が閉められた座敷牢の中。そこに一人立ち尽くしながら、
桃川 圭花
はため息をついた。
「まさか勝手に扉が閉まって鍵までかかるなんてね……まんまと罠にはまったわ。いったい誰が仕掛けた罠なのかわかんないけど……」
いろいろと歩き回った限りでは、屋敷の中に人はいなかった。となると、屋敷自体が仕掛けた悪戯なのか。心霊じみているけど、この屋敷ならありえる気がする。
「欲しい物なんかないって言ったから、屋敷が怒っちゃったのかしらね……」
この屋敷の一室で目覚めた後、噂のことは聞いていたから、欲しい物を考えてみた。この前なくした携帯ストラップ、今後に向けての秋物の洋服、テレビで見た人気のアクセサリー……。
だけど、どれも本気で欲しくなんてなかった。そんな、少し頑張ればいつでも買える物なんて全然欲しくない。むしろこんな場所でそれを願うなんてくだらなくて、馬鹿馬鹿しい。
それならと、物を貰う代わりに、新鮮な楽しさとスリルをもらうことにした。
言い方を変えれば、退屈な日常(まあ最近はそれほど退屈ではないけど……)を少しだけ変えてくれるスパイス的な役割をこの屋敷に期待することにしたのだ。
自分の好みで例えるなら、甘さが充満した口の中に新鮮な酸味を与えてくれる、ケーキの上に乗っかったイチゴみたいな、そんな役割を。
だから、言ってしまった。別に何もいらないからその代わりに色々と探検させてもらうわね、と。屋敷に向かって、大きな声で。
「欲しい物がないにも関わらず家探しするような人間にはお仕置きだー……って感じかな。いやぁ、本当にまいったわ」
そうは言ったけれど、どこかに状況を楽しむような気持ちもあった。あるいは、こういうスリルを望んでいることに気付いて、屋敷がうまくやってくれているのだろうか。
「あれ……?」
その時ふと、かすかな音が聞こえた気がした。コツ、という、まるで人の足音のような……。
それからすぐ、また聞こえた。今度ははっきりと。
そして。
「おっと……まさかこれは、嫌な予感が的中かねぃ?」
人の声。聞こえると同時に、廊下の角の辺りに姿が見えた。
二人の男。一人は眼鏡をかけた少年で、もう一人は長髪の、どことなく異国の顔付きをした青年だった。
「あなたたたち……誰?」
思わず尋ねる。この屋敷の住人には見えない。二人とも現代風の服装をしているし、だとしたら自分と同じ……。
「オレも同じことを聞きたいんだけど、まあ先に名乗ろうか。オレは
呉井 陽太
。こっちが
深縹 露草
さん。オレたち二人とも、夢の中でこの屋敷に誘われたクチでねぃ」
「……私も同じよ。この屋敷で目覚めて、探索しているうちにここに閉じ込められたの。誰もいないのに、勝手に扉が閉まって」
「そりゃあ災難。屋敷が悪戯したのかな。なんにせよ見に来てよかった」
「見に来て……?」
「オレ、この屋敷の見取り図を見つけてさ。座敷牢に誰か閉じ込められてないかって確認しに来たんだ。これを持ってね」
陽太という少年が、手に持った何かを示してくる。それは、鍵だった。
「それってまさか……!」
「うん、確証はないけど、たぶん……」
言いながら、陽太が座敷牢の扉に近付く。そして鍵を差し込むと、カチャリという音を立てて、それが開いた。
「やっぱり、ここの鍵だったんだねぃ」
どこか嬉しそうに陽太が言う。その間に、圭花は久しぶりに座敷牢を出た。
「ふう……助かったわ。ありがとう」
「どういたしまして」
「よかったですね。無事に出られて」
「本当よ。あのままだと、探索が中途半端になっちゃうとこだったわ。ああ、自己紹介が遅れたわね。私は桃川圭花。寝子高1年生よ」
「桃川ちゃんは、ここで何か欲しい物があるのかい?」
「いえ、特にないわ。だから目覚めるまで、いろいろと探検するつもりだった」
「それじゃあ、三人で探検の続きをするかい?」
「それはいいですね。一人で歩くよりも、きっと楽しいですよ」
見知らぬ人間と見知らぬ場所を歩くのは、ほんの少し気が引けた。だけど、それは申し出を断るほど強い気持ちにはならなかった。それに、助けてくれた恩もある。
「そうね。いいわよ」
「決まりだねぃ。そんじゃ、行こっか」
陽太が歩き出し、露草もそれに続く。それから、その後を圭花も追った。
……まあ、こういう新鮮さも悪くないか。
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北見直弥
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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