「いぬ」のお手伝いさん｜リアクション

「いぬ」のお手伝いさん

　　【ご主人様のその後】

　「サー！　イエス！　サー！！　お、終わったでござるワン……！」
　「ほう。今までの腑抜けた顔が、大分逞しくなったじゃないかい。これであんた達も、立派な狼さ」
　「すべてはご主人様のお陰でござるワン！」
　「なあに、例には及ばん。あんた達の戦士としての姿を見られただけで十分さ」
　あの悪魔のような修行の後、すっかり厳つく麻呂眉までキリリと見せかねない気合をかもし出しながら、いぬ達は一同に桜崎巴に向かって敬礼した。
　「もう行くのかい？　……そうかい、達者でやりな」
　僅かな物寂しさをお互いが持ちつつも、エノコロ岬の大岩に帰っていったいぬ達を最後の１匹まで見送ってから。

　「……って、見送ってどうするんだいッ！！
　あたしの最強の私兵計画がぁーッ！」

　そんな致命的うっかりの絶叫が、エノコロ岬から街中にまで広がったという……

　静かになった夕焼けの小道で、エノコロ岬へ向かう一組の１匹と一人の組み合わせ。
　「ご主人様、拙者はご主人様のお役に立ちましたでござるワン！？」
　灯斗南は少し思案して、
　「まあ僕だけじゃ無事取り戻せなかっただろうし、助かったよ」
　特に何も考えるところなく、思ったことを告げる。
　いぬは小さな身体に再び甲冑を着込んでプルプルしながら、尻尾を思い切り振って感動を露に感謝の言葉を述べながら、エノコロ岬の岩に入っていった。

　夕暮れが夕闇に変わろうとしている最中、そろそろ見回りの時間だ。
　その瞬間ふと思いつく。
　『あれ？　もしかしてあいついたら夜の見回り楽できたんじゃね？』
　──思いついてしまったら泥沼だった。授業中に居眠りするほどに真剣に励む夜の見回り。お供が一匹いればさぞ楽になったに違いない。

　……致命的うっかりがここにも一人。
　幸か不幸か、どんよりと岬の大岩側でがっくりと肩を落す、彼の姿を見たものの姿はいなかった……
　

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あとがき

担当マスター：冬眠
ファンレターはマスターページから！

参加者の皆様、そして読んで下さった皆様誠に有難う御座います。
この度、ＧＭをつとめさせて頂きました冬眠と申します。

今回は、いぬとの戯れがテーマとなりました。
心温まるアクションも多く頂けまして、嬉しい限りで御座います。
一番の難点は、容量で御座いました……本当に泣きながら削ったシーンの多い事多い事……修行の足りなさを物語っております。
今回も大変申し訳なくも個人あとがきは無しで通させて頂いております。
その代わりパッションはリアクションにて詰め込ませて頂きましたので、少しでも楽しんでやっていただければ幸いです。

それでは、機会が御座いましたら、またお会い出来ます事を願いまして。

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