テオは、気ままにふらふらとエノコロ岬を散歩していた。
そうしたら──猫も歩けば棒に当たるとでも言うのだろうか。
まさに、そんな情景に出くわしたのである。
犬が二本足で立っている。
この時点で良くは無いが、まあ良いとして。
犬が日本式の甲冑を堂々と着こなしている。
小型犬から大型犬まで幅広く。
そんな共通項を持った、多種多様な犬達が、エノコロ岬にいつからあったのだろう大岩から次々に出てくるではないか。
しかし、テオが眺めている限り、きちんとこちらの世界の影響を受けているらしく、
犬達は岩から出ると同時に、二足歩行から四足歩行に戻っていく。
そして、テオは──「問題なし」という、極めてやる気の無い判断を下して、面倒くさそうにその場を後にした。
こうして、街には日本甲冑を着た「いぬ」で溢れかえった。
しかし、こうしたいぬ達には、何やら目的があるようだった。
あるいぬは、ミミズがのたくったような文字で、辛うじて読める「いぬのてかします」と書かれた段ボール箱へ自ら入り、正座をして拾い主を待ち、
また、あるいぬは「お手伝いします」等のつり看板を自分の首からかけている。
その異常事態に気づいた人々が尋ねると、なんといぬ達はきちんと日本語で返事を返してきた。
そして、ちぐはぐな内容を一つに纏めると、やっといぬ達の目的がはっきりしてきたのである。
「最近
ねこの輩が不可侵なはずの人間の世界で媚売ってると聞きましたでござるワン!
これは危ういと、我らも『ちょっとはいいとこ見せたい』と、こうして親密度を上げ……ゲフンッ、ひとのみなさんのお役に立ちたいと思っているでござるワン!」
──つまり、ねこより自分達の方が役に立つアピールがしたいらしい。
いぬ達は、人々の役に立つまで全く帰る気がない様子。
これはいつもの平和を取り返す為には、この「いぬ」達を何とかする必要がありそうだ……!
はじめまして、こんにちは。冬眠と申します。
今回は直訳しますと、ねこにジェラシーを感じたいぬのお話です。
早速、現状の様子から順に説明させて頂きます。
【事の始まり】
過去に二本足のねこが同じ場所から出てきて好き放題やっていったのを、
「いぬ」が「ねこ」と過去に結んだらしい『人間界不可侵条約』破った、と堅苦しく判断し、『ならばこちらも』と人の世界にやってきたのが事の始まりです。
※上記リンクシナリオは、今回の説明以上の関係はなく、アクション上での関係もございません。初めての方もお気軽に是非ご参加下さい。
【現状】
二本足で立つ「いぬ」は、ねこよりも人に認めてもらいたいと思っています。
今回は、その為に『お手伝い大作戦』を計画したようです。
何でもいいから、人の役に立てることを探しています。
「人の役に立てた!」と満足するまで、帰る事なんか考えてもいません。
その為、一定以上のいぬを満足させ、今回来たいぬに達成感を味わってもらいつつ、お帰りいただくのが今回のミッションとなります。
【何が出来るの?】
「いぬ」に満足して帰ってもらい、早々にフツウを取り返す為に、いぬにお手伝いの依頼をする事が出来ます。
基本、「いぬ」が二足歩行で喋ったりするのは、犬が最初に見つけた「ご主人様」のみとなります。
他の人がいる前では「犬」らしく四足歩行でワンワンとしか言いません。
その為、普通に犬をペットのようにとお願いして、1日犬との散歩体験をしたり、
周りに人がいないときだけ限定で、二本足の状態で、お仕事を手伝わせたりもできます。
実際に困っている事のお手伝いでも構いませんし、『自分にもすぐに出来る内容の、接待お手伝い依頼』でも構いません。
一日、執事として雇っても良いでしょう。
いぬが満足できれば内容は問いません。
しかし、動物虐待はマスタリング対象です。
【いぬのスペック】
他に誰も人がいない状態での二足歩行の時には、
不思議な力により、物は普通に持つ事が出来ます。
とても力強いですが、一方でとても不器用です。
しかし、失敗しても褒めてあげれば、いぬはもっと頑張ります。
いぬの種類も豊富で、看板犬からボディーガードまで何でもこなします。
四足歩行の時は出来る事は限られてしまいますが、それでもお手伝いにかける情熱と熱意は変わりません。
【いぬの種類】
色々な体格、性格のいぬがいる為、街中にいるいぬから選ぶ事も可能です。
(その際は、アクションにご記載下さい。希望が無い場合はMSが任意で選ばせて頂きます)
【NPC】
テオを含む、NPCは登場致しません。
たまには、猫以外との動物のふれあいは如何ですか?