【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！｜リアクション

【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！

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　麒麟は寝転がってボンヤリ空を見る。
　殺人的な暑さだ。
　いや、自分は猫だから殺猫的というべきか。
　なにか大事なことを忘れている気がするのだが、暑くて思い出すのもかったるい。
　のんきに身体を伸ばして欠伸をする麒麟。
　次の瞬間、彼の背中に猛烈な熱と衝撃と爆発音が炸裂した。
「……いってぇな！」
　ギロリと打ち込まれた方角を睨めば、霧生艦隊が硝煙を立ち上らせていた。
　深雪の機関銃と精霊さんが乗り込んだ艦載機の爆撃が麒麟の背中を焼け焦がしたのだ。
「よし、効いてるぞ！」
　渚砂は双眼鏡で背中の着弾点を観測していた。
「このままガンガン撃つぜ！　サティも頑張れ！」
　深雪はフルバーストで麒麟へありったけの弾を撃ち込んでいく。
　愛猫サティの高角砲ちゃんも負けじと機関銃を連発させる。
　しかし、麒麟は銃弾を食らっても大した怪我を負う気配はない。
　その辺りは、やはりらっかみということなのだろう。
「人間が舐めた真似を……！」
　麒麟は薙ぎ払うように右前脚で猫パンチをすると、ソニックブームが発生して霧生艦隊を直撃！
　渚砂はバリアを展開させるが、バリアは風自体を防御してくれなかった。
「つまりこれは風属性攻撃か！」
「こいつ、強い……！」
　ソニックブームが直撃した深雪が地面に崩れ落ちていく。
「深雪……！」
　渚砂はすぐに深雪のもとへ駆け寄った。
　深雪の息は今にも途切れそうだった。
「も、もうダメだ……、渚砂……、もうお前の声も聞こえない……。せめて最後は、お前の……傍で……」
　そして深雪は、静かに目を閉じた。
「あぁ！　そんな、死ぬな、深雪……！　深雪ィーッ！」
　渚砂の絶叫に応えるかのように、深雪の体が七色に輝いた！

「あれ？　復活した……だと……？」
「そうだった、積んでてよかった救急修理女神！」
　いわゆるダメージコントロールアイテムである。
　轟沈しても、一度だけ復活できるのだ。
「思い出した、お兄さんは課金で資材アイテムを買い漁る米帝提督だったんだ。深雪、ほら、元気が出るアイスクリーム（課金アイテム）だぞ！」
「お、おう……」
　深雪は黙々とアイスクリーム（課金アイテム）を食べて体力を回復させていく。
（轟沈の時くらいは、デレて本音を言った結果がこれかよ！　はっずかしい！）
「なんか暑いな……。渚砂、もっとアイスクリーム（課金アイテム）くれよ」
「ああ、もちろんだぞ！　まだまだたくさんあるぞ！」
　深雪は火照る自分の顔を暑さのせいにして、渚砂に課金アイテムをねだり続けたのだった。

　後木と八神の『絶チル』コンビも麒麟へ攻撃を開始する。
「おっきなテオなのだモフりたいのだ！　でもその前に大人しくなってもらう必要があるのだモフり天国のためにもやるのだ！」
　後木はリミッターを最大限度まで解除！
「ブーストなのだ！　おネコさまは至上なのだそれを手にするためならどんなバトルも上等なのだ！」
　後木、完全覚醒！
　そんな彼女の手を取り、八神は慇懃に言った。
「君はまさしく俺のクイーンだ。俺の力も使え。今、俺たちは１つに……！」
　八神のESPパワーが後木に流れていく。
「少佐のパワーがみなぎるのだこれならいけるのだ！」
　後木は八神の手を強く握ると、意識をテオの体内へ集中させる。
「少佐、ワープするのだテオの胃袋の中で暴れるのだ！」
「了解した、俺はクイーンとどこまでも行こう」
　２人はストロボめいた光を放った次の瞬間、忽然と姿を消してしまった。

「くそぉ！　怯むな！　突撃だ！」
　ザ・ストレイト率いるヒーロー軍団は麒麟の猛攻に押されっぱなしだった。
「強すぎる！　猫パンチがダンプカー並の衝撃とか冗談キツいぜ！」
　ザ・ストレイトのヒーロースーツもところどころが引き裂かれていた。
　一方、桜庭は猫パンチをボクシングのスウェーディングによって紙一重で回避し続けていた。
「ワリタリーヌさん！　なんでさっきから攻撃しないんだよ！？」
「しっぽをみるんだ」
　彼女はただそう言うだけだった。
「そうか、そういう事か！　ごめん、ヒーロー！　ボクは今からカレーの具材を用意しなくっちゃならない！　じゃあね！」
　桜庭は戦線を離脱していった。
　その時だった。
　麒麟がお腹を抑えて苦悶の表情を浮かべだした。
　激しかった攻撃はすっかり止み、その場から動こうとしたい。
「一体どうなってやがる……？」
　ザ・ストレイトは腕を組んで、この状況を警戒する他なかった。