【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！｜リアクション

【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！

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「はいはい、通してねー」
　初島が気絶した二階堂を背負ってテオから離れていく。
　事情を知らない者は「どんな壮絶なバトルを行ったんだ！？」と怖気付いてしまう。
　そこへムシの居所が悪い滝原レオンがテオに向かって突っ込んでいった。
「なんだよ、四天王倒したら帰れるかと思ったらお前がボスかよ、テオ！」
　だが、ぺいーんと猫パンチされたあと、おっきな背中へモフッと墜落し、しっぽでカキーンと容易く打ち返されてしまった。
「ひ、酷い目にあった……。って、カメラ向けるなァ！　あられもない姿の魔法少女萌えーとかペロペロしたいとか意味分かんねー！」
　その後、滝原はカメラ小僧に追い掛け回され、人気のないところで「もう疲れたよ、テオ……」と言って静かに眠りについた……。

　恵御納夏朝が目を覚ますと、私服のＡラインワンピースではなく、どう見て囚人服だった。

「なに、これ……？　はっ、もしかして……？」
　彼女は最近、動画サイトで注目しているゲームがあった。
「生まれてから懲役百億年が課せられてて、モンスターを倒すたびに刑期が減っていくゲーム……。あのゲームのキャラ…『罪人』の恰好そのものだ！」
　右手に短刀を持ち、左手首には緑色に淡く輝く蔓が緩く絡み付いていたことが、決定打となった。
「テオが暴走してる……。止めなきゃ、フツウは僕が守ってみせる……！」
　とはいったものの、流石に１人であの巨体へ立ち向かうのは勇気がいる。
「誰か、一緒に闘ってくれないかな……？」
　ぱっと思い浮かんだのは、友人の北原みゆきの顔。
「あ、電話繋がった……よかった……」
　この世界はどうやら、電子機器が使えるようである。
　恵御納は北原に連絡を済ますと、その間、同じ目的を持つであろう人たちを探すことにした。
「あの……、大きな猫さん、何とかしませんか？」
　通りすがりの人たちは、勝てるはずがないと諦め気味。
　全く取り合おうとしない。
「どうしよう、北原さんが来るまで待つしかないのかな……？」
　途方に暮れかけていたその時、背後の瓦礫から人が這い出てきたではないか！
「た、大変……！　大丈夫！？」
　恵御納は左手首に巻き付く蔓を絡ませ、瓦礫から引きずり出すことに成功した。
「ありがとうー……、いやぁ、油断しちゃったよ、ハハハ……」
　日暮ねむる、生還！
　彼は恵御納に瓦礫に埋まった経緯を話したあと、彼女から現状を聞き出すことができた。
「なるほどねぇ。それじゃ、僕も協力するよ。ゲームは違うけど、今の僕の装備は、ほら！」
　日暮は一周して装備を彼女に見せてみた。
「元祖狩猟ゲーム、ニャンスターハンターの装備だよ！　僕、狩猟笛の扱いが得意なんだ。サポートも出来るし、殴り合いも強いからね！」
　日暮は心の中で『うわ、マジっすか？　燃えてキタァ！』とテンションストップ高まで上昇中！
「なんか、心強い、かも……！」
　恵御納は目を輝かせている。
　そこへ北原も合流。３人はパーティを組んで、麒麟ことテオにアタックをかける。
「日暮くん、よろしくね……！」
「ねむるくん、決まってるね！」
　女子２人の言葉に、日暮も満更ではない御様子。
　男子高校生だもんね、青春だよね。
　いつもの眠り眼はどこへやら、日暮は狩猟笛を担いでテオがいる方向へ進撃を開始する。
「さぁ、ひと狩りいこうか！」