【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！｜リアクション

【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！

＜緊急事態：新四天王、出現＞

「四神獣がやられたそうだな……」
　矢萩咲がほくそ笑む。
「アハハ……奴らは萌えキャラの中でも最弱よ……★」
　添木牡丹が猟奇的な微笑を浮かべる。
「もれいび連中相手に瞬殺とは、神魂事件の敵キャラの面汚しだよ！」
　桜崎巴はまるで魔王のようないでだちで四神獣たちを馬鹿にした。
「やっとうちらの時代が来たね♪　アハッ！」
　黒兎都がハイテンションで乗ってきた。
「「お前誰だ！？」」
　魔王３名は黒兎を指差した。
「うちはブラックラビット・フォーチュンクイーン。長いから黒兎でいいよ！」
　つまり本名だった。
「ふむ、俺たち同様、『目覚めた』奴がいたようだな？」
　咲がなるほど、と納得した。
「よろしくねぇ、兎ちゃぁん？　私と同じ憎悪に満ちた存在なら、思う存分、この素敵でくだらないフェスティバル、一緒に台無しにしまいましょ、アハッ★」
　牡丹が瞳孔開いたまま口角を釣り上げた。
「あたし以外にも同類がいるのかい？　あんたは……何のために戦うんだい？」
　桜崎が黒兎に尋ねた。
「勿論！　実力主義でまかり通るこの世の中に！　運ゲーの恐ろしさを教えてやるんだよ！」
　これを聞いた３魔王は呆気にとられていた。

「あのＳＦ伝奇小説『寝子島物語』で魔人と恐れられたこの俺、犬鳴戒厳のような世直しではなく？」
　咲は首を傾げた。
「私、絶望の魔女フィングストローズのように、皆の絶望を観たいからじゃなくて？」
　牡丹はつまらなそうに眉間にシワを寄せる。
「あたしみたいに、オタク共を撲滅するための粛清行為でもなく？」
　猫鳴館の魔王、桜崎は呆れていた。
「そうだよ！　この世で一番怖いのは、運ゲーなんだから♪」
　それでも黒兎は無邪気に運ゲーの怖さを説いてきた。
「あたしは快楽のための破壊は大嫌いさ」
　桜崎は牡丹に釘刺すような口調で伝えた。
「でも、結果的にオタクが滅亡するなら、共闘も悪くないだろうさ。あんたも同様だ」
「世界を変えたい。そういう気持ちがあるのなら、それは既に世直しである！」
　咲は犬鳴のキャラそのもので語り掛けてきた。
「黒兎殿、同志と認めよう。ともにこの腐った世界をらっかみの力を持って滅ぼすぞ！　器がこのような小娘なのはいただけないが、俺がやる事は変わらん。この世界に秩序と風紀を！　世直しだッ！」
「私は、主義主張ありませんから、皆が不幸になって絶望してくれればそれで充分★」
　魔女はただニヤニヤへらへらと笑っていた。
　どうやら、黒兎は魔王として認められたようだ。
　黒兎は白いショートヘアに赤いうさ耳リボン、黒いダボ袖のセーラーワンピ、モフモフのついたヒール高めのブーツとダイスと組み合わされたハンマーっぽい感じの杖といういでたちで、一見魔王に見えないが、これで立派な魔王として活動ができる。
　咲は叫んだ。
「このような乱れ切った祭を執り行う腐った連中に死の制裁を！　我ら４人の魔力を結集し、最強の神獣を呼び出すのだ！」
　他の３人も静かに頷き、右手を高々と掲げる。
　左手は添えるだけだ。

「「いでよッ！　陰陽五行説最強の神獣、麒麟！」」

　空が急に暗くなり、雲は渦を巻き、その中心から巨大な獣が降臨してきたではないか……！

「あたしたちもいくよ。四神獣で疲弊しているオタク共を薙ぎ払うよ！」
「合点承知、桜崎殿！」
「ウフフッ、た～のしみ～★」
「ダイスは絶対なんだよ♪」

　遂に牙を剥く真の恐怖！
　残されたもれいびたちは、果たして勝てるのだろうか？