【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！｜リアクション

【ネコミケ】萌えろ！２日目の幻想バトルロイヤル！

<２>

　エヴァ・ブランシェは既に光線を浴びた状態である。
　彼女はあからさまにニンジャだった！

「この格好って前に読んだ小説のキャラかしら？　全く、フツーにイベントを楽しもうと思ってたのに……」
　エヴァはやれやれ、と肩をすくめてしまう。
　そんな蒼いお色気ニンジャスーツに身を包んだ彼女の胸は豊満だった（ただし、PADで盛っている）。
「でも妙ね。なんか急にニンジャを狩らなきゃいけない気がしてきたわ」
　そういえば、光線を浴びせてきた奴もニンジャだった。
「よし狩ろう」
　エヴァは使命感を帯びた口ぶりでそう言った。
　だが、彼女の目の前に、ただならぬ鬼神アトモスフィアを放つカラテガイが現れた。

「ドーモ、クノイチ＝サン。カラテスレイヤーです」
　カラテスレイヤーこと、鳴神楓は両手を合わせてお辞儀した。
　エヴァも同様に両手を合わせてお辞儀した。
「ドーモ、カラテスレイヤー＝サン。ニンジャイレイザーです」
　そして『合縁奇縁』という四字熟語の入った扇子を広げてみせた。
　……一見奇妙なやりとりであるが、挨拶は大事だ。古事記にもそう書いてある。
「カラテスレイヤー＝サン。あなたは正確にはニンジャではないわ」
　エヴァは南の奥の方で暴れている赤いニンジャを指差す。
「私はあのニンジャを倒すわ。南の朱雀を倒す事こそがあたしの使命。脳内ニューロンがニンジャを討てと囁くのよ。でもあなたは本当にニンジャなの？」
「忍者の強さは全てカラテで説明が付く。ノーカラテ・ノーニンジャだ。鍛え上げた肉体と磨き抜いた空手の技術による肉弾戦が地上最強の武術だから何の問題もないし、ニンジャ腕力のおかげで実際痛い」
　鳴神は己の強さを懸命に訴えた。
　エヴァは振り返る。
「南の朱雀は強いわ。ねぇ、カラテスレイヤー＝サン、手を組まない？　一緒に倒してくれたのなら、その時こそ相手してあげるわ」
「乗った。俺は戦えるなら誰でもいいぜ。だからお前と戦えるのなら、その条件を飲んでやる」
「……ありがとう。あなた、真名は？」
　エヴァが尋ねると、空手の道着とニンジャ装束を足して2で割ったような衣装の鳴神は、口元を金属製のマスク（メンポ）で覆う。
「ナルカミだ。お前は？」
「……エヴァよ」
　エヴァは再び遠くで暴れる朱雀を見据えた。
「行きましょう。ナルカミ＝サン。ニンジャ消すべし、慈悲はないわ！」
「カラテに不可能はねぇぜ！　頼りにしてるぜ、エヴァ＝サン！」
　こうして即席ニンジャバディは、打倒朱雀を合言葉にネコミケ会場を南下していくのだった。