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独唱、真夏のSolitude
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●諦めない気持ち●
「蝉くんも本音は元に戻って、恋の相手を見付けたいんじゃないかって思うんだ」
「そうかも知れませんね……」
自分の言葉にそう呟いたキヌに、円はふと思い至ったように目を向ける。
「そういえば、キヌさん蝉くんと喋れるの?」
「喋れると申しますか、言葉というよりは気持ちが伝わってくるような感じですね」
それに、神魂の影響を受けているせいか巨大蝉は普通の蝉よりも思考する力が強くなっているようだという。
「テレパシーみたいな感じなのかなぁ。じゃあさ、原因を探りたいから通訳してくれないかな?」
「てれぱ……? え、ええ。私に出来る事なら」
彼女たちが近付こうとするのを気付いたのか、巨大蝉は押し黙った。
(でも、すごく鳴きたそうですね……)
少し心配そうな小淋。
「気絶したら、俺たちでサルベージだな」
という深雪の言葉に頷く。
「物わかりのいい奴だけど、その分不憫だな……」
誉は見上げたものだと感心しつつ、そっと見守る。
円は巨大蝉が大きくなってしまった時の事を、詳しく知りたいと思っていた。
「蝉って、大きな声で鳴いてパートナーを探すから、その関連なのかな?」
その言葉を受けて巨大蝉を見詰めていたキヌが答える。
「大きくなってしまった時、どんな感じだったかはよく分からないそうです。ただ……円さんの仰る通り、大きな鳴き声で雌を呼びたいという願いが強かったようですね」
「そっか……そうなんだ」
円は小さく嘆息した。
短い地上での暮らしで、自分の子孫を残す事は蝉にとって悲願とも言えるだろう。
他の雄よりも大きく魅力的に鳴いて、雌を呼ぶ。
その願いが神魂によってこんな叶い方をしたというのなら、なんとも皮肉な話だ。
「6年間、子孫を残す為に土の中に居たのに、こんな事でパートナー探しを諦めるなんて受け入れる道を選択するのは悔しいんじゃないかって思うんだ。本当はひとりで鳴いて過ごしたい訳じゃなくて、パートナーと子孫を残したいよね」
「そういうものか……」
円の後ろ姿を眺め、刀は呟いた。
「ボクは出来れば最後まで、一緒に足掻きたい。なんとか神魂抜けないかな?」
「そんな事出来るの?」
目を瞬かせる直樹に、円は振り返る。
「いままでの経験だと強い衝撃を与えたり、時間の経過で神魂の影響が消えた事があるんだよね。……もし神魂を抜く方法が他に思いつかなければ、ボクが思いっきり衝撃与えてみてもいい?」
自分のろっこんの力で、解除出来ないだろうか。
円はそう思っていた。
「本当に最終手段だけど……」
「可能性があるなら、試してみたいそうです」
「えっ」
キヌが円の意図を伝えたところ、巨大蝉は俄然やる気になってしまったらしい。
ギギ、と微かに音を鳴らしながら、円の方に巨体の向きを変える。
「でも危ないかも知れないよ?」
「それでも、あと少しの命だからと……」
蝉の目を見ても、その表情は窺えない。
「蝉くんがその気になっちゃったなら、やってみるしかないか……危ない時は止めてね?」
「分かった」
意思を固めた円に、刀が頷く。
巨大蝉と向き合った円は、ゆっくり深呼吸した。
幸い、蝉の通り道になった場所はきれいに草が倒され、障害物もない。
「キヌさん、蝉くんに思いっきり鳴いて貰って!」
「はい」
彼女と蝉から距離を取りながら、キヌはその意思を蝉に伝えた。
ギャギャギャギャギャギャギャギャギャー!
盛大に蝉が鳴き出し、離れていた面々も「うっ」と頭を押さえた。
強い衝撃波のようなものを浴びながらも、円は駆け出した。
(神魂の原因と思われるもの……分からないや、とりあえずお腹を狙って!)
「てやーッ!!」
力を行き渡らせた両の掌を、蝉の横っ腹に叩きつけた。
横から掬い上げるような力には弱かったようで、ずぅんと音が響き、蝉は転がった。
「きゃっ」
こちらを向いてじたじたしている巨大な足に、アリーセは思わず悲鳴を上げる。
「うん……アレはきめぇよな……」
優は遠い目をしている。
「……」
海も心あらずな表情を浮かべている。
「小山内、大丈夫か?」
(……あ、刀くん……うん、大丈夫、大丈夫……)
心配げな刀の声と、軽く肩を叩く優しい手にはっとして、海はこくこくと頷いた。
(……ここは黙って我慢しとこう)
鳥肌が立ちそうだったが、深雪は堪えた。
見れば横にいる修も、心なしか顔が引き攣っている……ように見える。
その間にも、バタンと元の体勢に戻った巨大蝉は、再び円と向き合っていた。
まるでもう一回、と言っているようだ。
「分かった、とことん付き合うよ!」
円も真剣に頷き、再びアタックを再開した。
これだけの音波を浴びても意識が飛ばないのだから、円のろっこんは発動しているのだろう。
優や焔がいても大丈夫なのは、恐らくフツウでないものに対処しようとしているから。
けれど、何度試してみても巨大蝉が小さくなる事はなかった。
巨大蝉は羽が千切れ、足が折れても諦めなかった。
「これ以上は、蝉が死んでしまうかも知れない」
「ダメかぁ……ごめんね蝉くん」
刀の声に、円は肩を落とした。
「大丈夫ですか?」
戸板を盾に、アリーセたちが蝉に近付く。
古い木の板でも真正面から音波を受けない分効果はあったらしく、彼女たちはなんとか巨大蝉の許へ到達した。
しかし。
「あ……」
運の効果も終わってしまったか、円がふらりと傾ぐ。
「円ちゃん! うぅっ……」
思わず駆け出した直樹も円まで辿り着けずに倒れてしまった。
「おい、これじゃ芋蔓式にみんな気絶すっぞ」
「はい、戸板戸板」
思いっきり面倒そうな顔をした優に、笑顔の焔が荷車から降ろした戸板を渡した。
「俺が行くのかよ……」
「こういう時は、男の出番だ」
年季の入った戸板を眺めて半目の優に、誉も戸板を受け取って盾のように構え、歩き出した。
戸板は、気絶した人を運ぶのにも役立ちました。
「ごめんね……起きて、起きてー!」
「……はっ!」
頬をぺちぺちされて、円は意識を取り戻した。
「蝉くんは?」
「今、黒依ちゃんが診てるわ」
人の目がない方が良いと判断してか、蝉の方に背を向けながら焔が答えた。
「起きて起きて―!」
ぺちぺち!
夏朝は、今度は直樹をぺちっている。
「う、うぅん」
「あぁぁ、ダメだ起きない……」
ゆさゆさゆさ。
「うぅぅ……」
「なんかうなされてないか?」
起こしてやった方が良いのかそっとしておいた方が良いのか、誉はちょっと悩んだ。
アリーセの歌声が、巨大蝉の傷を癒していく。
折れた足はなんとかくっ付いたものの、羽は端っこが破れたままになってしまった。
どの道飛べないし、と蝉はあまり気にしていない様子だけれど。
「音が少しでも周りに影響し難くなるように、綿を入れさせてね」
いいなが戸板を押さえている間に、アリーセはろっこん発動の為に切った指先を止血して、抱えていた袋から綿を取り出した。
綿を詰めるべく探る辺りは、勿論蝉の足と足の間。
やっぱり、近くで見るのはちょっと……。
「気門を塞がぬよう、気を付けて入れるとよかろう!」
「え、ええ……お腹を完全に塞ぐと苦しいわよね」
いいなの言葉に気を取り直して、アリーセはそっと綿を挿し入れた。
(どうかしら?)
蝉の複眼を見上げてみるも、どんなものなのか窺えない。
「駄目、蝉さんの表情が分からないわ」
「暴れたり嫌がったりはしておらんようじゃから、大丈夫ではなかろうかのう」
「そうね……」
頷き、アリーセはそのまま作業を進めていった。
◆綿の吸音効果により、気絶率が20%程度ダウンした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月15日
参加申し込みの期限
2014年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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