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独唱、真夏のSolitude
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●蝉の鳴く許へ●
(今の音、一体……?)
久し振りの九夜山、木陰で涼を取って休んでいた
浅山 小淋
もまた、例の奇怪な音を耳にしていた。
この山の裾野で、一体何が起きているのか。誰かが困っているのではないか――
なんとなく感じるそんな思いが、折り重なった暗い木々の先をも覗く背を押してくれる。
(ここからなら、音がした方に進めるでしょうか)
声に誘われるよう、ひらひらと。
山の緑の合間に、彼女の艶やかな髪に結ばれた大きなリボンはまるで蝶のよう。
「……っ、なんなんだよ、今のは……」
「……!」
茂みを掻き分けて進んだ小淋は、蹲っている灰色の髪の少年の姿を見て駆け寄った。
小淋は彼の前に膝を折ると、筆談より先にハンカチを差し出す。
「ああ、悪ぃ……って、浅山?」
『大丈夫ですか、霧生先輩』
顔を上げた
霧生 深雪
は、スケッチブックに書かれた文字と小淋の顔を眺めて少しバツが悪そうな顔をした。
「こんなところ、見られちまうなんてな」
深雪は耳が良い分、例の音でかなり不快な思いをしてしまったようだ。
山の裾野の、起伏も左程きつくない辺りは、散歩するのに丁度良い。
今の時期は虫も沢山出るけれど、気軽に森林浴が楽しめるし、街より涼しいからのんびり過ごせそうだったのに……。
「そうか、浅山もあの音を聞いてこっちに来たんだな」
『ええ、気になったので……来てみて良かったです』
いきさつを話して、小淋は微笑んだ。
その様子に深雪も軽く笑って、ややあってから尋ねる。
「もっと近付くと、耳が云々って問題じゃないくらいヤバそうだけど……どうする?」
小淋は少し考えてからペンを走らせた。
『でも、放っておく訳にもいきませんし』
「それもそうだな」
か弱い乙女に見えて、流石学校でも支援部を設立するだけの事はある。
「……ん?」
頷いていた深雪は、ふと空気の流れを感じた。
(あ、霧……もしかして?)
小淋も同じ事を思ったようで、ゆっくりと高い方から這うようにうっすら立ち込める霧の先に注視した。
「……まあ、小淋さん? それに深雪さんも」
人影が驚いたような、少し明るい声音で彼らを呼ぶ。
現れたキヌは、ひとりではなかった。
「なんだ、シュウもいるじゃねぇか」
「それはこっちの台詞……というか、色んな奴に偶然会う日だな」
「こんにちは」
「こんにちは~」
一行との挨拶で和み掛けたが、その間も背景に例の音は鳴り響いていた。
『もしかして、皆さんがいらしたのはあの音の件ですか?』
「ああ、そうなんだ」
小淋が書いた文章に誉が頷き、後ろでは刀がキヌに読めない部分を伝えてやっている。
「お二人も、鳴き声を聞いてこちらに?」
綾花が尋ねると、深雪も小淋も頭の中に『?』が浮かぶ。
「神魂の影響で巨大化しちゃった蝉さんの、鳴き声なんだって」
あおいが続けるものの、あまりにも聞き慣れた鳴き声と違う音色に、一瞬沈黙が流れた。
「あれが蝉の鳴き声……だと……」
「だろうな……俺も今聞いてみて、そう思った」
深雪が思わず呟くと、修も深く頷いた。
かくかくしかじかと、小淋と深雪も事の仔細を聞いて蝉が見えるところまでやって来た。
一行には、山中を下ってきた文緒や海、夏朝も合流している。
「うわ……」
「……」
ドーンとそびえる小山のような蝉の姿に、深雪はうっかり声を漏らした。
森へお帰り……いや、ここが森だ。どうしようもない。
(くっ、浅山たちの手前、カッコ悪いところは見せられねぇ……!)
ぐっと拳に力を込めて耐える。
同じように虫が苦手だったり、苦手じゃなくても流石にこの大きさは……と面食らってしまう者も少なくないのが幸いか。
ギャーギャーと鳴いていた声が、一時治まる。
「なんて傍迷惑な……って思ったけど、話聞くと蝉の奴も可哀想だよな……」
『せめて私達の手で、少しでも救ってあげたいものですね』
蝉も望んで大きくなった訳じゃなく、その境遇は寂しい感傷を呼び起こす。
「街の方にも、お願いした方が人手を呼びに行って下さっています。ひとまず、回り込んで合流しましょう」
キヌの言葉に、一同は蝉からある程度距離を取って迂回するように、茄音寺付近を目指す事にした。
「人手つってもどうすっかなぁ……とりあえず、寮に戻れば誰かいるか」
ダルダルな調子ながらも、優は協力者を集めようと茄音寺から南下する道を歩いていた。
「問題はどうやって説明するかだけど……」
「……吾妻、ナニをやっておるのじゃ?」
半目でブツクサ言っている優に声を掛けてきたのは、クラスメイトの
大田原 いいな
だった。
「お、大田原。今日もちっちぇーな」
「ご挨拶じゃな、ボケニンジンめ!」
ボーイッシュな彼女とは、中学からの付き合いだ。
思わず軽口も飛び出す。
「まったく……折角山寺に涼みに行こうと思うとったのに、余計に暑くなってしもうたわ」
いいなは怒らせた肩を溜息とともに下ろし、「で、どうしたのじゃ」と改めて尋ねた。
「うーん、それがな……」
しばらくして。
「あら……吾妻さん? どうしたのかしら」
黒依 アリーセ
は、茄音寺の入り口付近でウロウロしている優を発見した。
「困っているようにも見えるけれど……」
「おーい、アリーセちゃーん」
様子を見ているアリーセの背に、少女の声が掛かる。
振り返ると、
神木 直樹
と一緒にこちらへ向かいながら手を振っている
桜庭 円
の姿があった。
「こんにちは、黒依さん」
直樹がデジカメを持っているところを見ると、この辺りの写真を撮っていたのだろう。
「どうかしたの?」
「同じ軽音部の吾妻さんが、なんだか困っているようだから声を掛けようと思っていたの」
興味津々な円の問いに、アリーセは視線で優の姿を示す。
「何かあったのかな?」
「話、聞いてみよっか」
直樹とも頷き合って、三人が近付いていくと。
「戸板、借りてきたわよ」
ガラガラと台車を引いた
神薙 焔
が敷地内から姿を現した。
「あ、焔ちゃんだ」
「あら? 頼りになりそうな人たちが増えてるわね」
円の声に、焔は新たにやって来た三人を確認して笑みを浮かべた。
「……よう」
優も気付いて、テンションの低い挨拶を投げる。
「大仰ではなかろうかのう。雨戸を持っていかんでも、この工業用耳栓を突っ込めば、被害は最小限で済むじゃろうて」
言いつつも戸板を外すのを手伝ったらしい、いいなも顔を出す。
「そう簡単にはいかないと思うわよ。アレは普通に耳を塞いだだけじゃ、全然耐えられないわ」
焔はチッチッと指を振る。
戸板? 耳を塞ぐ?
「あー……話が見えねぇよな」
顔を見合わせた三人に、優はタルそうにしながらも説明を始めた。
「神魂で巨大化した蝉か……」
「面妖な事になっておるが、放ってはおけんからのう」
顎に手を当てる直樹に、いいなもちょっと真面目な顔だ。
「そうね……周りの生き物も、蝉さんが鳴く度に気絶しちゃうんじゃ大変だし」
頷くアリーセに、焔が口を開く。
「お昼過ぎに鳴いてるって事は、多分アブラゼミだと思うのよね」
「あ、そうか。確か、蝉って種類によって鳴く時間帯が違うんだったよね」
顔を上げた直樹に、円も目を瞬かせる。
「そうなんだ?」
「他の種類の蝉と鳴き声が被らないように、住み分けしてる説があるって聞いた事があるよ。小学校の頃だったら、もっと詳しい子もいた気がするけど……」
「小学生の頃と言えば……」
アリーセもかつて読んだ本の内容を思い出していた。
「蝉さんって、お腹の弁みたいなところから声を出すのよね。結局は空気の振動だから、吸音するものを着けておけば、少しは抑えられるかも知れないわ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月15日
参加申し込みの期限
2014年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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