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独唱、真夏のSolitude
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夏朝のろっこんにより軽くなったとはいえ、巨大蝉を伴った道中はすんなりとはいかなかった。
木と木の間が狭くて通れなかったり、大きな段差が邪魔したり。
その度に一行は遠回りしたり、工夫を講じて乗り越えなければならなかった。
「たいした距離ではないと思うたが、意外と難儀じゃのう……」
優と一緒に運び役に回ったいいなが、ふぅと溜息をつく。
「めんどくせぇ……でもここまできちまったら、やるしかねぇだろ」
やる気があるのかないのか不明な優だけれど、口では気持ち悪いと言いつつしっかり蝉の胴を支えている。
「あおいちゃん、重くないですか?」
「ううん、大丈夫。今くらいのバランスが丁度いいみたい」
一緒に運んでいるのは、綾花とあおいだ。
少し先行して様子を見てきた修が、思案気な顔をしている。
「この先、崖のようになっているな」
「えっ……」
「すみません、回り道を探そうとしたんですが……」
「鳥の目から見ても、付近に数人掛かりで大きなものを抱えて上れる場所がないらしい。これでは一度、山道に回り込んでいくしかないか」
時子や茂も戻ってきて、周囲の状況を話した。
単身ならよじ登れそうだが、荷物を上げるには厳しいと。
「でもそれじゃ、かなり遠回りですよね……」
表情を曇らせる綾花。
「……あ、そうです!」
困ったように周囲を見ていた文緒が、明るい声を上げた。
「木の蔓を巻きつけて、引っ張ったらどうでしょう?」
「なるほど、それは良いかも知れんのう」
巨大蝉が軽くなっている今なら蔓も耐えられるだろうと、いいなも笑みを見せる。
『わたしのろっこんも、やくにたつかな?』
「そうだな。小山内、登れるか?」
見えてきた小さな崖に、海は刀たちに手伝って貰ってよじ登った。
優たちは担架を一旦下ろし、木から取った蔓を巨大蝉の胴に結び付ける。
「よし、上の方も縛ったぞ!」
先に登った者たちの声に合わせて、崖っぷちに屈んだ海が宙に曲線を描きながら立ち上がる。
(みんなで頑張れば、きっと……!)
文緒も巨大蝉の背中……お尻? の辺りに当てた手に力が籠る。
「「せーのっっっ!!」」
下に残った組が蝉の背を押し、上の組が引っ張り上げた。
持続している蝉の軽さと海の描いた線の加速のお陰で、巨大蝉はびっくりするくらい簡単に崖の上に到着した。
誰彼なく、思わず笑みが零れる。
「さあ、もう少しだ」
誉は蝉の背を撫でてやった。
そこからほどなく、想像に近い割と開けた場所に辿り着いた。
中ほどに、いい具合に葉を茂らせた木も生えている。
(あの木の下にいれば、直射日光も浴びずに済みそうですね)
流石に巨大な蝉がしがみ付くには心許ないけれど、綾花はひとまず安心した。
「はー、着いた……」
膝に手を突いてぜいぜい言っている直樹が若干一名。
「直樹くん、大丈夫?」
「う、うん。ちょっと休めば平気……」
円の労りに、彼は笑みを作りながら平らなところにしゃがみ込んだ。
生徒会長の眼鏡がキラリと光る。
「この程度でだらしがないな」
「うっ」
笑顔で固まる直樹。厳しい。
「まあまあ……皆さんお疲れでしょうし、一休みしましょう……」
眉を下げて微笑み、時子が取り成す。
文緒が持ってきていた水筒の蓋を捻った。
「良かったらお茶どうぞ」
「あ、ありがとう」
喉を潤す直樹に、巨大蝉を安置した誉が近付いてきた。
「神木も手伝ってくれてありがとうな」
「ううん、僕あんまり役に立ててないし……」
「充分だ」
誉が笑い掛けると、彼もえへへと笑った。
と、修の携帯に着信が入る。
「もう届いたのか」
レンタル業者に頼んでおいたネットが届いたようだ。
「荷物がきたの? 私も手伝うよ!」
笑顔で告げるあおいを、軽く片手で制す。
「いや、ここまでなら桜の群生地ほどは難儀でもないから」
ひとりでもなんとかなる。
と思っていた頃もありました。
「これは……」
林の口までは、寮から車で送って貰ったものの。
一枚1.75キロほどの緑色のネット十数枚は、伊達な重さではなかった。
「やっぱり付いてきて良かったね」
あおいはなんだか嬉しそうだ。
「重いだろう?」
「うん、でもお米二袋くらいかな? いけるいける」
「あ、あおい……」
よいしょと数枚分の袋を持ち上げた彼女は笑顔だったけれど、小柄な分何かの拍子で転がってしまいそうで危なっかしい気がした。
「持てなくもなさそうだけど……山だし、無理しない方がいいんじゃないかな」
荷物と聞いて付いてきた夏朝が、シールの台紙を取り出す。
「ひとつひとつに貼らないといけないのが、面倒だけどね」
「恵御納さん、いいの?」
ぺたぺたねこシールを貼っていく夏朝に、あおいは目を丸くした。
「うん、シールは多めに持ち歩いてるからね」
それに、思ったより蝉も軽く運べたし気絶者もそんなに出なかったので、体力作りに手伝って往復するのも良いかなという気分だった。
「わー、軽い軽い! これならひとりでも持っていけるよ!」
「あ、あおい……半分に分けよう!」
きゃっきゃと声を上げて歩いていくあおいを少し焦ったように追う修。
なんだか微笑ましくて、夏朝の頬も緩んだ。
修が頼んだ防雪・防砂ネットは、皆の手で開けた場所を囲むように、なるべく蝉の目に入らない距離を取って張り巡らされていった。
「音が空に逃げるように、下を絞って上が広くなるような感じ……か」
優が地面の方の処理をしていると、木の上からいいなが顔を出した。
「ほれボケニンジン、隣とズレておるぞ!」
「わーってるよ。ったく、こまけぇ……」
なんだかんだ言いながら、やる事はやる優だった。
修が思っていた通り、ネットのお陰か鳴き声によって身体に受ける振動も、心なしか和らいだ気がする。
「音は網状の物に吸収され易い。吸音ネットだよ」
「修君、なんでも知ってるんだね」
「流石になんでもは知らないけどな」
またも感心しているあおいに、修は真面目に答える。
「ただ……目が細かいネットを選んだのは、露や霧が網目について水の膜を作るようにしたかったんだ」
水は音を通し難いんだ、という修の説明に、
「それなら、私もお願いしてみますね」
キヌは心得たというように、目を閉じて何かを念じ始めた。
しばらくすると、山の高い方からゆっくり霧が濃さを増してくる。
「これくらいで大丈夫でしょうか?」
「そうだな、充分だろう」
頷く修に、キヌはよかったと微笑んだ。
◆ネットと霧の相乗効果で、気絶する確率が45%程度ダウンした!
◆最終的に、鳴き声を間近で聞いた人間が気絶する確率は、80%→25%程度になった!
「三百年桜に頼んだのか?」
「ええ、桜もきっと彼の境遇に思うところがあるのでしょうね」
言葉を交わす刀とキヌを、海はちょっと遠巻きに眺める。
(刀くんとキヌさん、仲よさそうだなぁ)
「海さん?」
「!」
キヌに呼ばれて、海のサイドテールがぴょこっと跳ねる。
「海さんも、よろしかったらもう少しこちらにいらして下さい」
海の複雑な心中を知ってか知らずか、キヌは人懐っこくにこにこしていた。
「よかったね……」
安堵の笑みを浮かべ、文緒は巨大蝉の背をそっと撫でた。
「あ、ら……?」
すっと意識が遠退き、彼女は蝉に凭れ掛かる。
「だ、大丈夫?」
少し慌ててアリーセが様子を窺う。
「あ、はい……なんだか安心したら気が抜けちゃったみたいで」
文緒は薄く笑んだ。
額に手を当てたり、少し体調を調べたりしてアリーセはほっと息をつく。
「熱中症とかじゃないみたいね……今日は大変だったものね」
「まあ、帰る前に少し休んだって、バチは当たんねぇよ」
優はちょっと視線を外しながら告げた。
彼なりに、一緒に蝉を助けてくれた人たちに感謝しているようだ。
「ふふっ」
「なんで嬉しそうなんだよ」
小さく笑うキヌに、若干ぎょっとする。
「なんでもありません」
「変な奴……」
表に出さなかった気持ちを見透かされたようで、なんだかくすぐったい優だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月15日
参加申し込みの期限
2014年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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