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独唱、真夏のSolitude
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「……あ、ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」
「う……ん?」
「ちょっと、桜の様子を見に行って参りますね。朝には戻りますから……蝉の事、よろしくお願いしますね」
夜明け前、夢うつつにそんな遣り取りを聞いた気がした。
清々しい光が、木々の合間から差し込んでくる。
「うん……朝か……?」
いつの間に眠り込んでしまったのだろう。
名残惜しい気分で、彼女なりに結構遅くまで起きていたいいなはもそりと起き上がった。
「いいなちゃん……」
「お、おぅ……文緒殿、起きておったのか」
小さな声に、文緒が側にいる事に気付く。
顔を見遣ると、彼女は瞳を揺らしてある方向を見詰めていた。
文緒だけでなく、目を覚ましていた者たちもその一点を見ている。
「……!」
はっとしたように、いいなもそちらに向き直った。
そこに、あの見間違いようもないほど大きな蝉はいない。
ただ、綿のようなものが落ちている中心にアブラゼミの亡骸が転がっているだけ。
羽の端が少し千切れた、よく見掛けるそれより若干小さなアブラゼミ。
皆言葉もなく、少しの時が過ぎた。
「俺が起きた時には、もう……夜が明けるのと一緒に逝っちまったのかもな……」
やがてしんみり口を開いた優の声に、スンと涙をすする音が重なった。
「最期まで頑張ったね」
「綾花ちゃん……」
涙ぐむ綾花にハンカチを出すあおい。
二人は慰め合うように手を繋いだ。
「君だって泣いてるじゃないか」
あおいには修がハンカチを貸してやった。
「うう、ありがとう修君。あれ、でも……」
「冷静沈着さがモットーの俺が、泣く訳ないだろう」
頬が濡れているのは霧のせいと、修は強がって上を向く。
「短い命を精一杯鳴いてくれた……ありがとう」
目頭を熱くしながらも、焔は口角を上げる。
時子は蝉の亡骸の側にしゃがみ、そっと手を伸ばした。
「頑張りましたね……。お疲れ様です……ゆっくり休んで下さいね……」
労りの言葉を聞きながら、誉は涙を見せまいとぐっと堪えた。
「そうでしたか……」
戻って来たキヌは、文緒から蝉の最期を聞いてそっと目を伏せた。
「でも、彼は幸せだったと思います。昨夜だって、あんなに楽しそうでしたもの……。皆さん、本当にありがとうございました」
涙ぐんでいるような様子で、深々と頭を下げるキヌ。
「いや……俺たちの方こそ、大切な事を学ばせて貰ったように思う。神魂がもたらすのは、一見厄介事や災難に見えても、そうでないのかも知れないな」
「茂さん……」
時子が見上げた茂の眼鏡の奥にも何かが光ったように見えたが、彼女に向き直るとそれもレンズに遮られる。
「御巫、ありがとう。息抜き以上に貴重な時間だった」
蝉の亡骸は、彼がいつもいた木の下に埋められた。
巨体を運んできた担架が、ひとまず墓標代わりだ。
夏朝は見送りの歌を口ずさむ。
あの鳴き声には及ばない声だけれど、精一杯。
(今の生に、次の生に、幸せが訪れますように……)
彼女の歌声に続いて、一緒に歌う声が少しずつ重なっていった。
命が失われた後、何処へ行くかは分からないけれど……きっと、そこではもう悩み患う必要もない。
「じゃあな、辿り着いた先でも達者で暮らせよ……」
見送りの言葉を掛ける深雪の傍ら、小淋は胸の前で手を合わせる。
(辿りついた先では、元気な声を響かせてくださいね……)
生あるものの日々は巡る。
「よう晴れておるわ」
憎らしいくらい照り付けてくる太陽の下、いいなはふと携帯を取り出し掛けて……そっとポケットにしまった。
「課題も終わってしもうたし、今日はどうするかのう」
汗を拭って、スニーカーに包まれた足は歩き出す。
蝉の合唱がまだまだ続く、夏の道を。
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あとがき
担当マスター:
羽月ゆきな
ファンレターはマスターページから!
『独唱、真夏のSolitude』リアクション、お届け致しました。
ガイドを書いている時は結構真面目に「これは海に流すしかないんじゃない?」と思っていたのですが、皆様のお考えや人力のお陰でずっと素晴らしい展開やラストになったのではないかと思います。
巨大蝉や周りの生き物たちなどにもお気遣い頂き、ありがとうございました!
私もプロットを練りながら、ジーンとしてしまいました。
巨大蝉はその命を全うして旅立っていきましたが、キャラクターさんたちの人生は続いていきます。
この約一週間の出来事が、夏の記憶を彩ってくれるといいな……と思っております。
寝子島の夏も、まだまだ続きます。
出来れば、夏の間にキヌが登場する九夜山のシナリオを、もう一本くらい出せたらとも考えています。
今回も、意外な一面が見ええたと思いますが(機械はてんでダメのようで)もっとキャラクターさんと一緒に色々な事をするところを描いてみたいですね。
それでは、ご縁がありましたらまたシナリオでお会いしましょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月15日
参加申し込みの期限
2014年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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