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セーラー服を着た
因幡 月子
が白くて長い髪をなびかせて街中を闊歩した。
「星がとても綺麗です」
自分の言葉で思い付いたのか。月子は持っていた小さなバッグからデジタルカメラを取り出した。構図を考えてシャッターを切った。
「月も写しておくです」
レンズ越しに赤い瞳が月を見つめる。月に帰りたがっている兎のような表情でカメラに収めた。
月子は軽快な身のこなしで被写体を求める。
薄暗い郵便ポストの上でくつろいでいたサバトラ柄の猫を写した。
道の隅の空き缶に目を留めた。中程が折れ曲がっていて、得意先で深々と頭を下げるサラリーマンのような哀愁を漂わせている。
「これも一つのアートです」
被写体として写したあとは近くのゴミ箱に入れた。
「つきこじゃないの。こんなところで何してるのよ」
月子はカメラのレンズを声の方に向けた。白っぽいサマーセーターを着た
塔尾 松生
の姿を捉えた。膝上の茶色のスカートから覗く脚には癖がなく、真っ直ぐであった。
自然に人差し指がシャッターを切った。
「こんな普段着を撮らないでよ」
「まつきちゃんらしくて、とても可愛いです」
「まあ、それはいいよ。こんな時間にあんたが散歩って珍しいよね」
「勉強があまりにも捗らなくて泣きそうになったです。そこで家をこっそり抜け出してきて気分転換なのですよ。まつきちゃんは寮で門限があるのに、どうやって出てきたです?」
問われた松生は酷く眠たそうな目をした。両手首を力なく曲げた状態で胸元に引き上げた。
「こんな感じでふわふわと抜け出したわ」
「幽霊さんみたいな感じなのです」
月子は納得した様子で微笑んだ。松生は安心したような笑みを返す。
「せっかく会えたんだから、一緒にどっか行ってみない?」
「いいですよ。どこに行くです?」
「子供に戻って公園でブランコなんてどうかな。思い切り漕いだら、なんか気持ちよさそうだよね」
「涼しそうでいい感じなのです。近くに小さな公園があるので行ってみるです」
笑みを浮かべた二人が横に並んで公園に向かう。
その途上で松生が小さな声を上げた。耳たぶをほんのりと赤くして、隠れる場所を探すかのように目が動く。
「どうしたです?」
「あ、うん。だいじょうぶだから」
手早く髪を整えた松生はぎこちない笑みで正面を向いた。
「日向さん、こ、こんばんは。今、帰りですか?」
ダークブラウンのスーツを着た
日向 透
は二人に向かって、こんばんは、と朗らかな調子で言った。初めまして、と前置きした月子が明るく挨拶を交わす。
「俺は会社帰りですが、お二人はどうしてこのような時間帯に外を出歩いているのですか」
日向 透
が穏やかな表情で聞いてきた。松生はサマーセーターの裾を指で弄りながら答えた。
「私たちは散歩というか、なんというか、ねぇ?」
「わたしは気分転換です。今から二人で公園に行ってブランコに乗る予定です」
話を振られた月子は堂々として答えた。
「そうですか。夏の夜に出歩きたくなる気持ちもわからなくはないですが、夜道に女性が二人では心配になります。よろしければ俺も付き合いますが」
「え、いいんですか」
「塔尾さんと、そちらの方がよければですが」
「わたしは因幡月子と言います。こちらこそ、お願いします」
「俺は日向透と言います。よろしくお願いします」
早々に話は決まった。松生と月子が先頭に立ち、透は二人を背後から見守る形で歩いた。
月子は赤い瞳を透に向けて言った。
「透さんは外国の人です?」
「い、いきなり何を言い出すのよ」
きょとんとした月子に焦った様子の松生が詰め寄った。透は朗らかな笑い声を上げて前髪に手をやる。
「このような金髪で緑の目をしているので、そう見えるかもしれませんね。実際は日本生まれの日本育ちなのですよ。母親はアメリカ人ですが」
耳にした松生は関心の目を向けた。
「そうなんだ」
「よかったですね」
微笑む月子に、ど、どういう意味よ、と再び迫る松生であった。
三人は公園に到着した。月子は甘えた声で透にバッグを預けると、真っ先にブランコへと走っていった。
「なんか、色々とごめんなさい」
「元気でいいと思いますよ。塔尾さんも楽しんできなさい。二人が良く見えるここで俺は待っていますから」
透の微笑みの後押しに、じゃあ、あたしも、と松生は恥らうような表情で駆け出した。
二人は座った状態でブランコを漕いだ。
勢いの付いた月子は揃えた足で夜空を蹴り上げる。一瞬、止まった状態から急速に後ろに引っ張られ、また顔に風を受けて戻ってきた。
「まつきちゃん、どうしたです? 思い切り漕がないですか」
「だって、あたしスカートだし。風で見えちゃうじゃない」
松生はちらちらと透を見ながら小声で言った。
「でも風が気持ちいいですー。まつきちゃんも本気で漕ぐです!」
「つきこは漕ぎ過ぎだよ。それに、見えるかもしれないじゃない」
「平気です。その時は、その時なのです」
全身に風を受けた月子が涼しい顔で言ってのけた。
「あんたのポジティブ思考には負けるわ」
松生は呆れたような声を出すと、少しだけ漕ぐ力を強めた。気持ちいい、と自然に声が漏れる。
前後に揺れる二人は笑顔で語り合った。
「二人共、お疲れ様でした」
透の前で松生は身を縮めて、まともに顔を見ることができない。ブランコに乗り始めて三十分が経過していた。
「……ごめんなさい。夢中になって遊び過ぎました」
「とても楽しくて、疲れた時にはアイスです。みんなでコンビニに行くのです。透さんには、わたしがアイスをプレゼントするですよ。仕事疲れも吹き飛ぶです」
「では、遠慮なくごちそうになります」
どうにか話は纏まって三人はコンビニに移動した。店内で勢いを取り戻した松生はソーダアイスを片手に新作のお菓子の味を雄弁に語った。さすがです、と褒める月子に胸を張る。透の微笑みには顔を赤くしてレジへと逃げた。
全員が外に出ると月子が元気な声で提案した。
「夜の駅が見てみたいです」
「なんで駅なのよ」
「わたし、今日が初めての夜歩きデビューです」
そう、と松生は弱々しい声を出し、透に申し訳なさそうな目を向けた。
「最寄りの駅で構わないですよね、塔尾さん」
「はい、それでお願いします」
「さあ、張り切って行きますです!」
月子はアイスバーの包みを剥ぎ取り、濡れ光る先端に齧り付いた。そうですね、と透も同じようにして包みをコンビニのゴミ箱に入れた。
「駅までは持ちそうにないので、塔尾さんも食べながら行きませんか」
「あ、はい。それじゃあ、あたしも」
三人はアイスバーを食べながら夜の駅へと歩いた。
「あら、珍しい組み合わせね」
道路を挟んだ歩道で信号待ちをしていた
多岐川 玲栖
が三人を赤い目で追いながら笑みを浮かべる。スカイブルーの長袖シャツに白のスラックスを穿き、手にはバケツを提げていた。中には水の入ったペットボトルと子供が喜びそうな花火が各種、顔を覗かせて出番を待っている。
歩行者用の信号が青に変わった時には三人の姿は見えなくなっていた。
「残念ね」
白い短髪を軽く左右に振って玲栖は歩き始めた。
日中とは打って変わって寝子島シーサイドタウン駅に人は疎らであった。噴水の涼しげな音がはっきりと聞こえる。水中から照らすライトが情感を醸し出していた。
駅本体は横に長く、長方形に区切られた小さな窓の連なりから光を放っている。
憧れにも似た目で松生は駅を眺めた。
「なんか大きな機関車みたいね。どこか遠い世界に運んでいってくれそうな気がするわ」
「わたしにも機関車に見えます。夜空を飛んで赤い月に運んでいって欲しいです」
「因幡さん、赤い月とはブラッドムーンのことですか」
透が興味深い目をして月子に聞いた。本人は頭を振って否定しながらも嬉々として答えた。
「それとは違うです。子供の頃に見た真っ赤な三日月です。その謎を解明したくて、天文学を学びたいと思いましたです。そこで透さんに聞きたいのですが、夜道を歩くコツはあります?」
「コツですか? 明るい道を選んで歩くことですね。または人通りの多い道を選択することも有効と思います。ですが、天文学の勉強と夜道にどのような関係があるのですか」
「勉強が苦手で仕方ないですよー。天文学は難しそうなので絶対に気分転換の夜歩きが必要になるです。その為のコツなのですよ。同じ勉強でも、モノづくりは不思議と楽しいです!」
溌剌とした表情で月子はバッグから鑿と彫刻刀を取り出し、日頃の作業の一端を垣間見せるような動きを披露した。
「若いうちに色々な可能性を試してみるのもいいですね」
駅を見入っていた松生が急に透に向き直ると、ぎこちない笑みを浮かべた。
「あ、あの、ここまで付き合ってくれてありがとうございます」
「夜の駅を見て創作意欲でも湧きましたか」
「その、はい。スケッチブックがあればよかったんですが、持ってこなくて。印象が薄れる前に寮に帰って描きたいかなー、と思って。帰りの途中まではつきこと一緒なので、心配はないです」
透は二人を見て、そうですね、と優しい声で頷いた。
「夜道を歩くコツを忘れずに気を付けて帰ってください」
「はい、今日はありがとうございました」
「透さん、またなのです」
二人は並んで明るい道を選んで帰っていく。透は遠ざかる背中に微笑んで、瞬時に冷たい表情へと変わった。
「二人は眩しい」
離れて小さくなる二人を透の掌が覆って、瞬間的に握り締めた。
「世間を知らないから」
踵を返すと、透は暗い道を歩いた。緑の瞳が沼の底の色に浸食される。道を横切ろうとした白猫が透の気配に気付いて、威嚇するような唸り声を発して逃げていった。
「猫は好きなのですが」
透は掌で顔を覆った。数回の呼吸で手を下ろすと、柔らかい表情が張り付いた。
「油断は禁物ですね」
表情を崩さず、透は夜の深いところを選ぶかのように歩いていった。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月13日
参加申し込みの期限
2014年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月20日 11時00分
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