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魂封じ
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●蓮華の花の調べに乗せて
「パパー、ケーキ食べよう! なまものだから、早く食べましょうねって、ママが言ってるよー」
玄関の戸締りを確認していた賢を、さとみが呼ぶ。
「え? パパもママも、ケーキなんて……」
死した体は、唾液を分泌しない。口に入れたケーキを、不快に感じる感覚すらないけれど。それでも汚れるのは、極力避けたかった。
しぶる賢に、さとみは不満そうに唇をとがらせる。
出てきた茜がサングラスを外し、濁った眼球を見せて言い添えた。
「頂きましょう、あなた。もうすぐさとみの誕生日でしょう? 家族の思い出を作ってあげたいわ」
「食べようよ、パパ。苺もたくさん乗ってるよ」
「……そうだな」
「わー、やったー! お皿、さとみが並べたんだよ」
「ママのお手伝いをしたのか、偉いなさとみ」
「うん!」
ぴょんぴょん跳ねて撫でて欲しいとばかりに、さとみは甘えて父に擦り寄る。賢はいつものように、その手をさとみの頭に置きながら、リビングへ向かう。
通り過ぎるのを待って、茜は素早く玄関へ回りロックを外した。
細い月が昇っている。
さとみは2階の子供部屋で、白く冷たい、しかし愛しい母の手を握ったまま眠っている。
青物 といき
、
吉祥寺 黒子
、
逆巻 天野
、
奈良橋 博美
、
春巻 空太
、
風雲児 轟
、
御風 不二夫
、
御剣 刀
、
楪 櫻
、
飯田 幸
が、九夜山の賢一家の前に集った。
玄関のドアノブを確認し、刀は後ろのメンバーに頷いた。
「手はずどおり、鍵を開けてくれてある。空太は、さとみの所。他のメンバーは……」
そこまで言った時、訪問者の気配に気づいた犬が、玄関扉をかりかりと掻いた。
「誰だ!?」と、賢の声。
――しまった! 緊張が走る。チャンスは今をおいて、他にない。
意を決して、ドアを開く。一同は雪崩れ込んだ。
足元で刀や不二夫、幸に向けて、尻尾を振って愛想をまく犬とは裏腹に。賢の手には、バールが握り込まれている。
しかしそれで気後れする者は、なかった。彼の攻撃を、心を、その身で受け止める覚悟をしてきたから。
口火を切ったのは、轟だった。彼はまず、深々と頭を下げた。
「勝手に上がり込んで、ごめんなさい! でも非礼を承知で言います……俺達は、娘さんを保護しに来たんだ。必要ない、なんて言わないっすよね?」
家の所有者に対し礼を尽くそうとする轟に、賢が言葉に詰まるのを見て、博美も一歩前に出る。
「さとみちゃんが置き去りになって、かわいそうなのも確かだし。ご両親がさとみちゃんの為に動こうとしているのも、痛いほど理解はできるんだ。でも、クーラーで無理やり腐敗を防いで……なんて。貴方達に残されている時間は短い、そうだろう?」
「この家の状況は、少しずつだけど外にバレ始めてます。このままだと今の状況が完全にバレて、取り返しのつかない事になる。そうなった時、世間が娘さんをどう捉えるかは考えなくてもわかる!」
しばし、沈黙が流れた。しかし賢は急に、抑揚のない笑い声を上げた。
「腐敗? まるで私達が死んだみたいな口ぶりじゃないか。そんな話をどこから聞いた。死体が動いたり、喋ったりするか? 君達も物好きだな、世間が流したデマを鵜呑みにして、こんな辺鄙な場所までやって来たわけだ。冗談は大概にしてくれ!」
「貴方がたが動けるのは、神魂の力です」
射抜くような眼光を隠すため、わざと伸ばした前髪の下の目で賢を捉え、刀が静かに答える。
賢が耳をそばだてる様子なのを確認し、刀は説明を続ける。
神が寝子島に落ちてきて、神魂がばら撒かれたこと。ばら撒かれた神魂の影響を受けた者達が、「もれいび」と呼ばれる不思議な能力を使う存在となったこと。
「馬鹿な。そんな御伽噺を、信じろというのか?」
「その御伽噺を、貴方も体験しているはずです。証拠を、お見せします」
刀がろっこん『加速』で脇を通り抜け、起こった風が頬をくすぐるのを、賢は肌で感じることが出来なかったけれど。
目の前に居たはずの少年は、今、自分のずっと背後に居る。
手の中にあった、バールは刀の手の中に。
表情の少ない顔だが、賢の動揺は伺える。
「……もれいびは、強い力を使うほどその反動は大きくなります」
賢を気遣う天野の声が、常より低い。
「反、動……?」
「僕たちもれいびが力を使うには、代償が必要なんです」
気づいているかはともかく、さとみもきっと。
法衣を纏った、天野の繊細な美貌は、告げられるその現実をより浮き彫りにするようで。
「もし。彼女の寿命と引き替えに、貴方達がここにいるとしたら」
櫻もためらいがちに、口を開く。
「私の両親も一昨年、交通事故で亡くなった。結婚記念日に二人で旅行に行って、な。私が病院に到着した時には、既に息を引き取っていたよ。……あまりに突然だった。最後の言葉を、聞く事は叶わなかった」
賢は何も言わず、彼女のかすかに揺れる瞳を見返す。
「だが……あなたはまだ、残されたあの子に、言葉を伝える事が出来る。いずれ腐る体のままで、一体あの子に何が出来る……! あなたがすべき事は、現状を維持する事じゃない。……あの子に伝えてやってくれ。あの子にどう生きて欲しいか。どうか親としての役目を忘れないでくれ」
或いは櫻は、逝ってしまった両親の櫻への心からの言葉を、賢や茜から引き出そうとしていたのかもしれない。
爪が食い込むほど、握り締めた手。それでも彼女は、目を背けることはない。
不二夫も堪らず声を上げた。
「テメェ、これで満足か? ……あんたが本当にイラついてるのは何だ? この現状じゃねえのか? もう元には戻れない、だが娘を置いていきたくない……。俺には、あんたの辛さはわかんねーけど。あんたは一家の大黒柱として、一番に決断しなきゃいけねーんじゃねーのか? ……あんたも家族が大事って言うなら、昔の暮らしを愛してたんなら!」
捲くし立てると、不二夫は重い息を吐いた。
「……もうやめにしてやれよ。あんたがそんなだとな、家族の幸せな思い出も全部吹き飛んじまうよ……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月20日
参加申し込みの期限
2013年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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