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魂封じ
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●魂封じ
「おい、そろそろいいだろ?」
御風 不二夫
は幸から受け取った一家の飼い犬に餌を与えている、クラスメイトの
御剣 刀
に声をかけ、知らず強くなった語尾に、ポリポリ頭を掻いた。
「ああ、待たせてすまなかったな」
意に介した様子も無く、刀は犬を抱き上げると、不二夫に並んで歩き始める。
「途中、ケーキを買って行っていいか?」
「いいけど、どうすんだそんなもん? 子供はともかく、親の方は死んでて食事なんて出来ないだろ」
「挨拶だよ。俺達が今夜行くことが母親に伝わるよう、渡す時にメッセージカードを見せるんだ」
刀は小さなカードを不二夫に掲げて見せる。
カードには【子供と一緒に食べて下さい。子供が寝静まった夜に家へ入るので、玄関の鍵を開けておいて欲しいです】と、少年らしい真っ直ぐでおおらかな字で書かれていた。
「なるほどな」
深く頷く不二夫。出身地では札付きのワルとして知られる不二夫は、品行方正で勤勉な少年として“逆デビュー”しようと、自分の素行が知られていないこの寝子島の高校へ進学した男である。
熱くなると自分を抑えられない不二夫、見ず知らずの親子の話を聞き、自分とは関係ない話だと思いながらも、ほうっておくことは出来なかった。
「……はあ、俺もお人よしだな」
「ああ、そうだな」
大げさに嘆いて見せる不二夫に、笑みを零す刀。
「笑うなっ!」
「はは、そう怒るな。ほら、店に入るから、犬を預かってくれ」
「ったく、早くしてくれよな……」
ムク犬を腕に、大柄な少年が立ちすくむ姿は目立つ。
人目を気にしながら、外に立つ不二夫を尻目に刀は買い物を済ませると、九夜山へと向かうのだった。
緩やかな傾斜を上り、まだ真新しい一軒家のチャイムを鳴らす。
エアコンは相変わらず、稼動している。息を潜めているのだろう。
「すみません! 犬がここへ戻ってきたんですが、お宅の犬ではありませんか?」
わざと簡素にしてもらったケーキの箱を手にしたまま、刀が聞こえるように声を張る。少し、物音が聞こえた気がした。
ややして。冷気と共に細く玄関の扉が開き、肌の露出を極端に避けた衣装の女性が顔を覗かせた。
その頬は蝋のように白い。
良かった、母親の方だ。ほっと胸を撫で下ろす。
「突然すんません。偶然近くを散歩しているのを見かけたことがあるから、ここのワンちゃんじゃないかなーって思ってさ」
不二夫が言い終わらないうちに「ムクだ!」という声と共に、女の子がかけて来た。
さとみだ。思わず頬が緩るみ、屈みこんで小さな両腕に手渡した。
「お兄ちゃん達が、見つけてきてくれたの? ありがとう! 良かったねぇ、ムク。もう勝手におんもに行っちゃダメよ?」
家の空気に、さかんに鼻をヒクつかせる犬とは対照的に、さとみははしゃいでいる。
(今のうちに)
「あの、これ家庭科の授業で作りすぎてしまったので、良ければ食べてください」
ケーキを差し出し、刀は女の子の母、茜にカードを見せた。
表情を作るのは、億劫な作業なのだろう。しかし茜は僅かに、唇の端を歪め笑い。頷いた。
一方。不二夫と刀が戻った後、黒子も一人、九夜山に訪れていた。
軒先には今、小さい女の子に大人気の、子度向けアニメのキャラクターのおもちゃ。
暮れなずむ景色の中、ふわり漂ってきた無数のシャボン玉に顔を上げれば、雨戸を半分開いた窓から、子供の姿が確認出来た。
腕にぬいぐるみを抱えた、淡い黄色のリボンとワンピース姿は、今も母から細やかな世話をされていることをうかがわせる。
「一人で何やってるんだい? 良かったら、お姉ちゃんも混ぜてくれないか?」
驚いたように見下ろすさとみに、黒子は普段は滅多に人に見せることのない、慈愛をこめた笑顔で手を振る。
「うーん……ダメよ。パパやママが、困っちゃうもの」
「さとみちゃんはご両親が大好きなんだね……俺は二人とも死んじまったから、もう会えねぇからよ。さとみちゃんはご両親を大切にしろ、約束だぞ?」
「うん……またね、お姉ちゃん!」
話し声に父親らしき人物が慌ててやって来て、雨戸を閉める脇で、さとみは確かに黒子に向けて手を振り返してくれたのだった。
「ダメだろう、さとみ。人に知られたら、パパもママも警察の人に連れて行かれて、家族がバラバラにされて、さとみは一人ぼっちになってしまうよ?」
再び外の光から隔離された部屋の中。
賢は幼い我が子を教え諭す。さとみは首を左右に振った。
「嫌っ、さとみはパパとママが好き! だからずっと、おうちに居るよ。パパとママが一緒なら、学校に行けなくてもいいよ。だからどこにも行かないで!」
「学校か……」
さとみは今年、小学校にあがった。
半月前までは、学校で出来た新しい友達の話を食卓で熱心に話す娘に「ちゃんと飲み込んでから話しなさい」と苦笑まじりに注意したものだった。
期待に胸を膨らませて、はしゃいでいた娘の姿を思い起こせば、やりきれない。
動きを止めた心臓は、もう何が起こっても痛みを感じることはないけれど。今もパパと慕って体にしがみつく幼い娘は、手放すには、あまりに愛おしい。
大きな手のひらをさとみの頭に乗せ、賢はぎこちなくその髪を撫でる。
玄関のチャイムが鳴らされたのは、それからしばらく経ったタイミングだった。
インターフォンに内臓されたカメラから、様子を見た茜が「宅配の人みたい」と告げて、応対に出ようとするのを、賢が制した。
「あれは子供じゃないか。何か、怪しい……」
「小柄な人なのかもしれないわ」
「用心に越したことはない、しばらくしっかり戸締りをするぞ」
宅配業者に扮した博美は、何度かチャイムを押してみた。
しかし息を殺したように静まり返った家の様子に、これ以上刺激をするのは逆効果と考え、道を引き返した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月20日
参加申し込みの期限
2013年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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