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◆
昼釣りに行こうと、誘われて。
「こんなバカ熱い日に昼釣りとか死ぬわよ、全く仕方ないわね」
口ではぶつくさと言いながら、しかし
宇多野・ユニ・アヴァロン
はどこか嬉しそうだった。
二人分の釣り道具他諸々を携え隣を歩く
篠木 昴
が、それに気付いているかはわからない。
眩しそうに、昴は太陽がさんさんと降り注ぐ空を見上げる。日差しは強いが、のんびりと釣りをするにはいい天気だろう。
それに、話すこともある。
(宇多野は暑さに強くはなさそうだけど)
視線をユニの方へ流す。相変わらず口ではぶつくさ言っているが、特にへばっていたり無理していたりする様子はない。
(……大丈夫か)
そんな視線に気付いたのか、ユニが「何よ?」と昴を見上げた。昴の方の空に太陽があるせいか、少し目を細めている。
「いや、なんでもない。……お茶飲むか?」
「いらないわよっ!」
◆
ユニ曰く「バカ熱い」中、現地に到着。
そこには、先回りしていたユニの召使二人の手により、パラソルやら電動の保冷ボックスやらがばっちり設置されていた。
ユニは一瞬呆れたような顔をして、それからすぐに満足気な表情に切り替わる。
「……気が利くじゃない!」
一方、昴は。
「おお……?」
ポカーンとまではいかないものの、どうしてこうなってるんだかわからないと言いたげな表情になっていた。
そんな彼に、ユニは二人の召使い――ジョルジュとジェーンをちゃちゃっと紹介した。
「気を利かせてもらったみたいで、ありがとうございます」
暑さに強くなさそう――なんてことをさっき心配していた身としては、主に彼女に対するものであろう気遣いはありがたかった。
紹介が済むと、召使い二人は邪魔にならないところへ速やかに消えた。流石プロ。
設置してもらったパラソルの恩恵に預かりつつ、二人並んで釣り糸を垂らす。
「……釣れないわね」
しばらく微動だにしない自分の釣り糸を眺めながら、ユニがぼやいた。
「タイミングが大事だからな。待ってればそのうち、釣れるタイミングがくる」
だからあまり焦ったりしない方がいい、と昴は言葉通りののんびりとした様子で言った。
「ふうん……」
……それにしても。
こうしていると、ユニの胸の中にはこの間の記憶がふつふつと蘇ってきてしまう。
ユニと、昴と、そしてもう一人の女性と三人での釣り。三人で、というか正確には二人だったところに突貫して三人にした、というか。
あの時、昴はあの女性を名前で呼んでいた。それに、相談とかしてたし。
あの場は結局、偶然会っただけということで収めた……というか、聞かずに無理やりそういうことで済ませた。
けど、実際のところ。
(やっぱり付き合ってたり……?)
釣り竿を握る手に、我知らず力が籠る。
例えそうでなかったとしても、彼女は昴にとって自分よりもずっと気ごころの知れた人、なのかもしれない。
やっぱり、落ち着いた大人の女性の方がいいんだろうか。
「ねぇ昴……あんたって友人とかどれくらいいるの?」
気付いたら、そんな問いを口にしていた。昴が答えるよりも先に、ユニは続く言葉を吐き出す。
あるいは、はじめから答えを求めていなかったのかもしれない。
「あたしは大金持ちの薄っぺらい関係しかなかったから、友人って呼べる関係は召使いの二人ぐらいよ」
それは言ってしまえば、閉じた箱の中の様な世界。
狭くて、息苦しくて、手を伸ばしてもすぐに壁にぶつかってしまう。あまりにも、小さな。
寝子高に入学して、何か生活に――世界に変化がありはしないかとひそかな期待を抱いていたけど。
(やっぱりあたしは昴と違ってまだ箱の中にいるのかな)
こんなに眩しい日差しが降り注いでいるのに、胸のうちは冷えていく。陽の届かない箱の中に、閉じ込められたように。
(昴の世界は広くって、あたしの世界は……)
結局、昴の友人の一部でしかないのかな。
こぼれかけた言葉を、ふいに吹きつけた海風がかき消した。
ユニの長い黒髪が大きく揺れ、暑い中にわずかばかりの涼やかさが走る。
「海風が気持ちいいな」
ぽつり、昴が呟いた。
「魚が釣れるまで、独白に付き合ってくれよ」
海風で少し乱れた髪をなおしながら、ユニは「好きにしなさいよ」と返す。すると、じゃあ好きにさせてもらうな、と昴の独白がぽつりぽつりと漏れ始めた。
「最近、宇多野と居るとモヤモヤしてな」
独白の一言目に、ユニの身体がギクリと震える。それがわかったのだろう、昴は付け足すように言葉を続けた。
「別に悪い意味じゃないんだ」
「……じゃあ、どういう意味よ?」
慎重に、言葉を探すように釣り糸を眺め、
「距離を掴みかねてる、と言えばいいんだろうか。誕生日の時も、黙っておくはずだった俺と家族の関係喋ってしまうし」
かと言って心根を全部見せられるかと言えば、そういう訳でもなくて。
変な気分だ、と昴は言う。
「こういうの、なんて言えばいいんだろうな」
この間相談したあの人の話からすれば、名前をつけて安心するようなものではないらしいけども。
少なくとも、よくわからないままに決めつけてしまえばきっと後悔してしまうらしい。
「……オチはない」
宙ぶらりんな話かもしれない。でも、結論を急がない場合というのは大体そんなものだ。
ただ。
「この気持ちに結論が出たら……宇多野に真っ先に伝えようと思う」
――こんな話をして、宇多野ではよそよそしいか。
「ユニ、出るかは分からんこの気持ちの結論……待っててくれるか?」
いつもの呑気さの消えた真っ直ぐな瞳が、ユニを射抜いた。陽の届かない箱を貫く強さを持った視線。
小さく息を呑み、答えを口にしようと思っても、それがなかなかでてこない。
だからだろうか、昴はユニをじっと見据えたまま更に言葉を続けた。もっとはっきりと、思っていることが伝わるように。
「ユニは大別するなら友達だ。家族、恋人じゃない」
ユニの身体が、微かに強張った。昴は言う。
「ただその中の、特別でもない奴の我儘に振り回される俺じゃない」
「それ、って……どういう……?」
恐る恐る。彼女にはそんなつもりはなかったけど、そんな風に聞こえる声。
ふっと昴の視線が緩む。どこか苦笑交じりの表情で、人差し指がほほをかく。
「……俺の特別な存在の一人だって言ってるんだ」
家族じゃなくて、恋人じゃなくて、友達。
確かに、ユニは昴にとって友達の一部かもしれない。
でも、特別な。
そう――特別な、友達だ。
それを理解した時、箱が開く音が聞こえたような――そんな気が、した。
「お前曰くの『朴念仁天然アホー』にここまで言わすか……ユニ」
ひとつ苦笑を浮かべた昴に、ユニは髪を払ってふんと見返す。
「しょうがないわね、そこまで言うなら待っててあげるわよ!」
ちょっと八重歯の見える、気の強い笑みを浮かべたユニの後ろ。
召使い二人がユニと昴のやりとりを覗き見していた。会話の中身は聞こえていないだろうけど、雰囲気は伝わってるのかどこか嬉しげ。
キッ、とユニがそちらに顔を向ける。
「ちょっと二人共バレバレなのよ! ちょくちょくアイスティーの差し入れはありがたいけれど!」
そんな彼女の姿に、昴は小さく笑って空を見上げた。相変わらず、太陽は眩しい日差しを注いでいる。
――夏の暑さは、肩から変な力が抜ける気がして好きだ。
こんな話ができたのも、そのおかげだろうか。
「後は湿度が低ければな……最高なんだが」
ユニと召使い二人のやりとりを聞きながら、呟いた。
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担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月29日
参加申し込みの期限
2014年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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